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2006/11/04

IPO話で20億円を集めたカナダのIT企業  Arius3D

11月10日(金)、秋葉原UDXビル4Fの先端ナレッジフィールドで、日韓合同による3Dの総合イベント『3Dフェア2006』が開催される。

このイベントに、『アリウス3D社』(Arius3D)というカナダの会社が、3Dスキャニングシステムを出展する。おそらく〝アキバの常連〟でさえ、その名を知る者は少ないだろう。本業の3D技術では無名の新参企業だが、別の分野では何年も前から、日本を中心に営業活動を続けてきた会社なのだ。

IPO(新規上場)前投資をうたい文句に、アリウス3D社はこれまでに、日本の個人投資家から20億円もの投資金を集めている。「第2のビル・ゲイツ」を自称するという社長のデヴィッド・ブルッケルマン氏は、今年7月30日(大阪)と8月1日(東京)に開かれた投資家の会合に出席して、自信満々にこう述べた。

「アリウス3DのIPOが確実になりました。本年5月の時点で、NYSE(ニューヨーク証券取引所)からの上場基準条件をほぼクリアーしましたが、売り上げが若干少ない点だけが懸案となっていました。そのため、我われはここ数ヶ月、営業に全社を挙げて務めました」

このとき募集した増資株は、220万ドル(約2億6000万円)だ。

はたして「IPO確実」というのは本当なのだろうか。昨年には、「今年の初旬までにはIPOする」と、アリウス3Dは発表していた。その上場予定先の証券市場として名を挙げていたのは、カナダの「モントリオール」と「カナダディアン・ベンチャー」という二つの証券取引所である。

これは、どう転んでもあり得ない〝与太話〟だった。なぜなら、前者は’99年以降、個別株を扱っていない。そして後者は、’01年に別の証券取引所に統合されており、発表当時はすでに存在していなかったからだ。

その前は「ナスダック」市場。この話も立ち消えている。

過去に何度もIPO話の訂正、延期を繰り返してきたのだ。その間に優先株、ワラント、転換社債、増資株と商品を替えながら日本で集めたカネは、締めて20億円也──。

アリウス3D社の年商('04年決算)は162万2800ドル(約1億9000万円)。10年分の売り上げに相当する投資金を集めたことになる。しかも、同年の赤字は130万4756ドル(約1億5400万円)だ。日本の投資家から集めた資金を食いつぶして成り立っているのも同然である。これでは「3D技術」か「出資金集め」か、どちらが本業なのか分からない。

Arius3dArius3d_059  それでも投資家は、アリウス3D社に投資する。IPO直後の値上りに期待しているからだ。しかし、NYSEは世界最大の証券取引所だ。上場基準も世界一、厳しいとされる。安易に〝3度目〟のIPO話を信じていいのだろうか。

アリウス3D社のIPOを担当する人物として、ウォルター・シューベルト氏の名が挙げられている。氏はNYSEのフロア・マネージャーと紹介されているが、証券所には勤務していない。NYSE会員会社の株売買人だ。さらに『ゲイ・レスビアン商工会議所』のメンバーで、『GFN』(同性愛者財政ネット)の創始者でもある。アリウス3D社のIPOについて、シューベルト氏に取材を試みたが、返事はまだない。

アリウス3D社のIPOに関する調査は、現在も継続中である。

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増田俊男/サンラ・ワールド/佐藤博史」カテゴリの記事

コメント

すごく面白い。こういうルポ大好きです。

投稿: 朴チョルヒョン | 2006/11/09 12:00

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