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2006/11/11

「カナダ大使館」も協賛した〝投資〟の高リスク Arius3D

株式市場のIPO(新規株式公開)ブームを背景に、未公開株取引をめぐるトラブルが一昨年ごろから急増している。IPO後の初値は、公募・売り出し価格を大きく上回ることが多い。そこにつけこんで、「近く上場する。絶対に儲かる」などの詐欺的な勧誘で、未公開株を額面の何倍もの値で売りつける悪質業者が横行するのだ。しかし、未公開株は換金性に乏しい。上場しなければ、値上がりはおろか、買い値を大きく下回る額面価格でさえ売るのは困難。だからトラブルになる。外国の未上場会社の株となれば、なおさら危ない。それこそ紙クズも同然なのである。

「来年4月にNYSE(ニューヨーク証券取引所)でIPO確実」と断言して、日本で増資株を売りさばいた『アリウス3D社』(Arius3D)だが、はたしてIPOはあり得るのだろうか。この会社の有価証券が、日本で売られはじめたのは'00年だ。それを一手に募集、販売してきたのは『サンラ・ワールド社』(東京中央区)だが、'00年にアリウス3D社の株を購入した投資者は言う。「近くIPOする。上場すれば数十倍になると書かれた投資案内がサンラ・ワールドから送られてきて、それで申し込みをしました」

また、サンラ・ワールド社最高顧問の肩書きを一時期のあいだ名乗っていた増田俊男氏は、ファックスとインターネットで配信する無料情報誌『増田俊男の時事直言!』('01年11月)のなかで、次のような宣伝をしていた。

<世界中の投資銀行からオファーが殺到するArius3Dの優先株1000万株を1株1ドルで取得できた。すでに4倍で買収の申し入れがあり、買った途端に4倍と考えてもよい>

この情報に興味を持って問い合わせてきた投資家に、サンラ・ワールド社は1株1米ドルの額面のアリウス3D株を(一部を除き)倍の2ドルで販売したのだ。

初期の募集から6年が経つ。アリウス3D社の株価はどうなっただろうか。数十倍どころか4倍にもなっていない。依然として額面の1ドルのままだ。1株あたり2ドルで購入した投資者からすれば、投資元本の半分である。しかも売買は、サンラ・ワールド社に手数料を支払って、サンラ投資者のあいだでしか行えない。アリウス3D社は、いまだに未上場会社のままだからである。

3d2006 アリウス3D社のIPO話は、6年のあいだに何度も訂正と延期が繰り返されてきた。上場予定先の変更はNYSEで3度目。時期の引き延ばしは数え切れない。それでも、来年4月のIPOを信じて疑わない投資者もいる。しかし、アリウス3D社のIPOの可能性について取材を続けてきた私は、今夏に同社の幹部からこんな話を聞いた。

「NYSEでのIPOは……希望しているのは事実です。しかし、まだ幹事証券会社も決まっていません。えっ、見込みですか? 年内か来年4月にIPO……というのは、難しいとしか言えません……」

ためらいがちに返ってきた言葉は、投資者の期待を裏切るものだった。サンラ・ワールド社は、「アリウス3D社は『シャープ』や『日立』との提携が具体化している」というような発表をしている。それについても尋ねてみた。

「シャープは、あちらのハードとうちのソフトに互換性があったという程度で、具体的に提携という段階ではありません。日立については、ブルッケルマン社長の友人がカナダの『ヒタチ』に勤めていらして、お茶を飲んでいるときに『提携できたらいいのになぁ』というような会話があっただけ、と聞いています」

それでも投資者は、来春のIPOを夢見るのだろうか。

きのう、秋葉原UDXビル4階の「先端ナレッジフィールド」で、『3Dフェア2006』というイベントが開催された。アリウス3D社が出展していたのは10坪ほどの狭い展示会場。その片隅に、会議用テープル半分ほどのスペースのブースがあった。投資金集めのイベントは盛大なのに、本業のほうは勢いを感じられない。なんとも質素な宣伝活動だった。

『3Dフェア2006』で気になったのは、昨年に開設されたアリウス3D社の「日本営業所」の所在地だ。ブースに積まれたパンフレットに、以下の住所を見つけることができた。

〒106-0032
東京都港区六本木5-1-3 ゴトウビルディング1st 6階
電話:03-5775-2191 FAX:03-5775-2162

なぜか投資者に向けた資料などには、「日本営業所」の住所は書かれていない。いつも電話番号とメール・アドレスのみ。その理由は、アリウス3D社の「日本営業所」が、『アーク・アセット・マネジメント株式会社』の社内にあるからなのかもしれない。住所は同じで、ファックス番号は共用である。

アーク・アセット・マネジメント社は、サンラ・ワールド社の江尻眞理子社長の実弟で、昨年に同社の副社長を辞任した江尻徳照(のりてる)氏が、社長を務める外国為替証拠金取引の会社だ。すでにアリウス3D社は、実質的にはサンラ・グループの中の一社となっている。そうみるのが妥当のようだ。

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コメント

投資話は怖いですね。
我々素人は株式投資をするのであれば
普通の株式市場で売買する程度にしておいた方が無難ということですね。
それさえも、透明性にかける場合があるのですが。


投稿: KEN | 2006/11/11 13:32

2004年6月21日の株式募集の緊急特報には、「特に注目すべき点は現在ARIUS3Dとシャープエレクトロニクス社が強い協力関係の下、今年秋に予定されている3Dノート型パソコンのソフトウェア改良に向け共にプランニングを進行中ということです。」

  シャープエレクトロニクス社????
 シャープ株式会社と誤解するような表現にしていた。

投稿: 御名御璽 | 2006/11/11 14:43

サンラ・ショップで、コーヒーや増田俊男の本を買うと、
ネオ・アペックス(株)にお金を支払うが、
特定商取引法に基づく表記の連絡先に載っている
問い合わせ窓口は、

>ネオプラザ運営事務局
> 〒106-0032
>東京都港区六本木5-1-3ゴトウビルディング1st6F

電話はホームページに載っていなく、104でも該当なし


 


投稿: 御名御璽 | 2006/11/11 17:12

IPOしても株価が下がってしまうことも多し。3割4割当たり前。
http://www.ipohome.com/marketwatch/performance.asp?sort=offer&order=ASC
「売却凍結!」とか言われている間にアレヨアレヨと下がってしまったらどうします?
手元に株券がないから指をくわえて見てるしかない。

投稿: zidane | 2006/11/12 12:04

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