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2007/04/17

増田俊男氏の〝エセ〟ジャーナリズムを斬る

『力の意志』という月刊誌がある。定期購読(1年36000円)を中心に通信販売されるカルト雑誌だが、'00年3月に創刊されていらい7年も続いてきた。著名な文化人や文筆家の寄稿記事も掲載され、一般雑誌の体裁をとってはいるものの、公共性のあるメディアとは言いがたい。増田俊男・江尻眞理子夫妻の写真が、うるさいほど誌面を飾っている。また、江尻氏が経営する『サンラ・ワールド社』のパブリシティ記事がやたら目につく。

それもそのはずで、『力の意志』は増田氏が編集主幹を務め、『サンラ・ワールド社』が自費出版する宣伝雑誌なのである。政治家や著名人に無料配布されるほか、1冊3000円という高額な購読料を払う愛読者は、ほとんどが増田氏の信者か『サンラ・ワールド社』の顧客だ。〝出たがり夫婦〟の自己満足や、健全な自社宣伝を目的とするのなら、自腹で雑誌を出版することを誰も咎めはしない。しかし『力の意志』は、違法性の疑われる「サンラ商法」の主要な販促材料となっているのだ。

昨年4月号(3月15日発売)には、「Arius3D社IPO準備会がNYSEで開催! 『第二のマイクロソフト』Arius3D社のオフィスをのぞきにいこう!」という記事を4ページにわたって掲載している。『アリウス3D社』(Arius3D,Inc.)は、『サンラ・ワールド社』が募集・販売する投資案件のなかの目玉商品だ。複数の投資者が、刑事・民事の双方で「IPO詐欺」の被害を訴えている案件でもある。

〔関連記事〕時事評論家の増田俊男氏が「IPO」を吹き続けてきたカナダ未公開株の〝儲け話〟 Arius3D

『力の意志』の問題の記事は、こんな書き出しではじまる。

2月7日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)において、アリアス(筆者註:アリウス)3D社のIPO準備会合が開かれた。出席したのはアリアス3D社からジム・マグロウ氏(財務担当公認会計士)、株主代表として増田主幹とサンラ・ワールド㈱江尻社長、またNYSE側からジョン・キャセイル氏(国際担当役員)、ウォルター・シュフバート(筆者註:シューベルト)氏(フロアリーダー)、さらにNYSEの下部市場(新興市場)になることが決まっているアーキぺラーゴ証券取引所(ArcaEx)のロバート・パワー氏(アーキぺラーゴのIPO担当重役)という顔ぶれであった──。

Arius3d_2Arius3d_1  この記事には、「NYSE」関係者として紹介された面々と、増田夫妻が歓談する模様を撮影した写真が添えられている。読者は何の疑いもなく、『アリウス3D社』のIPO会議を取材した記事だと信じ込んだのかもしれない。しかし、『サンラ・ワールド社』の〝本業〟の利益を考えれば、公正な記事は期待できないだろう。

増田氏と『サンラ・ワールド社』が、『アリウス3D社』の上場先にはじめて「NYSE」の名を挙げて、投資者に発表したのは第48回『(SIC)サンラ・インベストメントクラブ』定例会(大阪'06年2月20日/東京2月21日)だった。『力の意志』が「IPO準備会合」を取材したとされる2月7日から2週間後のことだ。それまで『サンラ・ワールド社』は、カナダの二つの市場でのIPOを予告していた。「モントリオール証券取引所」と「カナディアン・ベンチャー証券取引所」である。この二つの市場でのIPO話が、明白な〝ホラ話〟だったことは、これまでに指摘してきたとおり。実現は、当然していないが、降ってわいたような「NYSE」のIPO話でウヤムヤになっている。それだけに、『力の意志』の記事の信憑性が怪しく思えるのだ。

昨年5月、「NYSE」と「ArcaEx」が合併して、世界的なニュースとなっている。そして、IPO会議に出席したとされるウォルター・シューベルト氏は、ゲイの「NYSE」会員として脚光を浴びた有名人だ。雑誌出版社を名乗って、まったく別の名目で取材を申し込み、「IPO準備会のレポート」として報じることも不可能ではないのである。

IPOを謳い文句にした勧誘で、『アリウス3D社』株式に投資したとして、詐欺の被害を主張する『サンラ・ワールド社』の元顧客は多い。だが、「うまい話に騙されて、損をした」というだけでは、犯罪としての詐欺は成立しない。詐欺は、故意犯だからだ。

刑法上の詐欺とは、他人を欺罔し錯誤に陥れさせ、財物を交付させるか、または、財産上不法の利益を得ることによって成立する犯罪 (刑法246条)である。

この構成要件に加え、故意が認められて、はじめて犯罪だ。故意は内心の意思。だから詐欺は、立証が難しいといわれる。しかし、客観的状況をもって故意を推測することは可能だ。 投資詐欺の被害を訴える投資者の主張を、増田氏と『サンラ・ワールド社』は否定しきれるのだろうか。

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コメント

お初にお目にかかります。

そう言えば、『力の意志』5月号にディグリー=ミル(インチキ学位屋)追及に熱心な小島茂・静岡県立大教授が寄稿していたんですよね。
http://72.14.253.104/search?q=cache:0ZEr-DQEw0AJ:degreemill.exblog.jp/5285778/+%E5%B0%8F%E5%B3%B6%E8%8C%82%E3%80%80%E5%8A%9B%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%BF%97&hl=ja&ct=clnk&cd=10&gl=jp&lr=lang_ja&client=firefox
偶々小島教授に質問したいと思っていたんで、そのメールで増田氏の一件について言及してみたら「バックナンバーを3冊送ってもらい過去のものも出来るだけ多く見たところ執筆者陣も私の知っている人も多くしっかりしていて内容も硬派だったので引き受けました」と返事を貰いました。その後、エントリを見てみたら雑誌名が消えていたんで、矢張り早まったことをしたのかと小島教授の方でも気がついたのでしょうか?
http://degreemill.exblog.jp/5285778/

投稿: 杉山真大 | 2007/05/06 22:42

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