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2007/05/21

「知らなかった」では済まされない〝幽霊銀行〟のカネ集め

●信託口座(Trust)が担保になっているので安全
●高収益のため高金利を払っている
●担保は現金(信託金)で超低リスク


0000018826 サンラ・ワールド社が'04年12月20日、当時のSIC(サンラ・インベストメントクラブ)会員へ送りつけた「サンラ国際信託銀行」預金の勧誘文書には〝うまい文句〟が並んでいた。

ところが、この勧誘が行われたのは、サンラ国際信託銀行の融資先「ライトスター霊園」のスキャンダルが、現地で大きく報じられた直後のことだったのだ。巨額の信託金不正引出し、債務不履行、その事件の経緯をまとめてみる。

現在、ハワイ各島でライトスター社の所有となっている霊園は、以前には「ローウェン・グループ("Loewen Group")」というカナダの会社が運営していた。ローウェン社は、NASDAQやNYSE(ニューヨーク証券取引所)に株式を上場する大会社だったが、'99年に破産。

0000018825 ラスベガスで創業したライトスター社は、'01年に不動産融資を専門とする「ベスティン(Vestin)社」から貸し付けを受けて、ローウェン社が所有していたハワイの霊園・葬儀サービス会社を買収したという。このとき、サンラもベスティン社(他2社)に劣後する順位で不動産抵当融資を行ったのだろう。サンラ・ワールド社の「増田俊男事務局」が発信した文書の添付資料に、その事実を裏付ける記載があった。

'03年4月、ライトスター社への貸付は「1年後に元利一括払い」とする借り換え(リファイナンス)が行われた模様。これ以来、利払いが停止する。

'04年11月12日、信託に保管されているべき葬儀費用の預り金について巨額の不正引き出しが疑われるとして、ハワイ州政府がライトスター社を提訴。同月16日には、ベスティン社が、債務不履行を理由にライトスター社の担保不動産競売を求めて提訴した。さらに翌月の12月8日、ベスティン社の申立により、裁判所が「訴訟中の管財人」としてGuido Giacometti氏を任命。以来、ライトスター社の資産は管財人の管理下に置かれる。

'07年5月9日、ハワイ州政府、ベスティン社、信託管理会社(Comerica社)の三者が和解に向けて合意。

ハワイの政治経済に関するニュースが、日本で報じられることは少ない。この「霊園事件」も、日本の投資家の耳には届いていなかった。知っていれば、誰も投資はしなかっただろう。ところが、増田氏とサンラ・ワールド社はリスクを説明しなかったばかりか、冒頭の勧誘文句で預金(投資)を煽っていたのだ。

0000018827 しかも、この募集の振込み期限日からわずか1週間後の'05年1月6日、サンラ国際信託銀行はパラオ共和国政府に営業免許を取り消されている。なんの前触れもなく突然、政府が処分を下したとは考えられない。営業許可を失う事態になることは、預金の募集時に、増田氏やサンラ・ワールド社が十分に予測できたはずだ。

14日の記事では[緊急速報]として、ライトスター霊園訴訟の和解合意について報じた。本件の資産競売は、裁判所の承認を得たうえで行われるため、終結までにはもうしばらく時間を要すだろう。だが、募集時にリスクを隠し、「有利性」や「安全性」の〝詐言〟でカネ集めをした悪質性は、すでに明らかとなっている。サンラ国際信託銀行の預金者・投資者から「騙された」と訴えられても、増田氏とサンラ・ワールド社は、「知らなかった」では通らないのではないだろうか。

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