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2007/07/14

マネー・ロンダリングまがいの海外投資商法

Ariusきのう「サンラ・ワールド社」は、「Arius3D,Inc.代行サービスセンター」の名称を使って、一部の投資者にファクシミリで1枚の文書を発信した。「サービスセンター」とは、サンラ・ワールド社が昨年、同社海外事業部のSIC(サンラ・インベストメントクラブ)事務局に代わって立ち上げた外国株売買・管理の窓口だ。海外に存在するかのように偽装されているが、実態はサンラ・ワールド社の旧本社(東京都豊島区)で運営されている。

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今回、発信された文書は、昨年に償還した『アリウス3D社』(Arius3D,Inc.)の転換社債旧証書の返却を求めるものだ。内容じたいは、それほど重要なものではない。この文書で注目すべきは、証書の送付先として指定された住所である。アリウス3D社はカナダの会社だが、証書の送付先はハワイ・ホノルルのビショップ通り。これは、サンラ投資者なら誰もが知っている「サンラ・コーヒー組合」(Sunra Coffee, LLC)の住所だ。

1001 BISHOP ST STE 2690, HONOLULU Hawaii 96813, U.S.A.

この住所には、サンラ・コーヒー組合のほかにも「フロンティア・ワン社」(Frontier One,)、「ADI社」(ADI, LLC)など、複数の会社が登記されている。それらは、いずれも増田俊男氏と江尻眞理子氏が所有・経営する会社だ。各社の役員は以下のとおり。

FRONTIER ONE, LLC

EJIRI,MARIKO    2003/01/17
MASUDA,TOSHIO   2003/01/17

ADI, LLC

EJIRI,MARIKO     2006/03/28
EJIRI,TOSHIO     2006/03/28

SUNRA COFFEE LLC

EJIRI,MARIKO   2001/12/31
MASUDA,TOSHIRO   2003/10/01
NEKOBA,MICHAEL   2004/10/01
WAIHEE,JOHN      2004/10/01
ADI, LLC         2006/10/01

SUNRA NURSERY LLC

SUNRA COFFEE LLC 2006/07/01
YAMAGATA,GARY    2006/07/01
NEKOBA,DARYL     2006/07/01
WAIHEE,JOHN      2006/07/01

20070414062630しかし、この住所はもとより、ハワイ州のどこにもアリウス3D社の登記はない。あるのは上記の会社と同住所に'04年10月に登録された『Arius3D A』という商標のみ。登録者はフロンティア・ワン社である。今年4月に、サンラ・ワールド社はアリウス3D社のワラント行使の募集を行ったが、その振込先として指定されたのはアメリカン・セービング銀行に開設された「Arius3D」名義の口座だった。

ARIUS 3D A
【商標名】ARIUS 3D A
【整理番号】23005 C5
【証明書番号】4027181
【状態】活動中
【目的】投資
【分類】0-選択区分なし
【有効期限】2009年10月18日
【登録年月日】2004年10月19日
【登録者】FRONTIER ONE, LLC
【代理人】MICHAEL NEKOBA
【代理人住所】1001 BISHOP ST STE 2690,HONOLULU Hawaii 96813, U.S.A.

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投資金の送金先や証書の返送先に「Arius3D」の名称を使い、外形のうえではアリウス3D社と投資者の取引を装っているが、実際は募集・仲介・売買・配当などのすべての業務が、増田氏と江尻氏が経営権をもつ会社で行われているのだ。

20070118121108サンラ・ワールド社は、今年1月に『ハワイ円ベース特別ファンドPart8』という金融商品の募集をしていた。固定金利、元本保証の1年満期定期預金である。この銀行業務の〝募集元〟とされたのは、『サンラ・インターナショナル・ホールディング(SIH)社』(Sunra International Holding Ltd.)。この会社は、'05年1月にパラオ共和国政府から営業許可を取り消された『サンラ国際信託銀行』の持ち株会社とされていたが、その所在地とされた住所はSovereign Secretais(HK)Ltd.(ソブリン・セクレタリーズ(香港)社)という連絡事務代行会社のもので、香港では登記されていない〝幽霊会社〟だったことが、当対策室の調査によって判明している。

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じつは、このSIHはハワイにあった。法人としてではなく、「Arius3D A」と同様に「SUNRA INTERNATIONAL HOLDING」の名称で商標が登録されていたのだ。登録日は昨年の9月5日。増田氏と江尻氏が所有・経営する複数の会社が同居するビショップ通りの住所に、ADI社が登録している。

SUNRA INTERNATIONAL HOLDING
【商標名】SUNRA INTERNATIONAL HOLDING
【整理番号】43838 C5
【証明書番号】4046411
【状態】活動中
【目的】投資
【分類】0-選択区分なし
【有効期限】2011年9月4日
【登録年月日】2006年9月5日
【登録者】ADI, LLC
【代理人】江尻眞理子
【代理人住所】1001 BISHOP ST STE 2690,HONOLULU Hawaii 96813, U.S.A.

「アリウス3D」も「ハワイ円ベース特別ファンド」も、それぞれの商標名を使って、増田氏と江尻氏の会社が投資金を集めている。国内の会社を使えば明らかな不法行為なのだが、外国を経由すれば〝適法〟だと、サンラ・ワールド社の弁護士が指導しているらしい。脱法行為としか思えないこの商法を司法がどう判断するか、投資者の訴えの行方に注目したい。現在、サンラ・ワールド社らに対して、刑事では1都2県の警察に計5件の被害が届けられ、民事では3件(10名)の損害賠償請求訴訟が起こされている

組織犯罪処罰法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、平成11年法律第136号)日本の法律である。暴力団・テロ組織などの反社会的団体や、会社・政治団体・宗教団体などに擬装した団体による組織的な犯罪に対する刑罰の加重と、犯罪収益のマネー・ローンダリング(資金洗浄)行為の処罰、犯罪収益の没収・追徴などを定める法律。

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