銃刀法違反などで神戸拘置所に勾留中の和田晃三氏(48歳)が逮捕前の'05年6月、「事実に反する報道で名誉を毀損された」として『テレビ朝日』を相手に提起していた訴訟の判決が、東京地方裁判所で16日にあった。
裁判長は、報道の内容に和田氏の名誉を傷つける部分があったことを認め、テレビ朝日に50万円の支払いを命じた。たんなる名誉毀損訴訟なら、原告の勝訴である。しかし、和田氏にとっては、受け入れがたい理不尽な判決だった。
千人じゃなくて百数十人 テレ朝に賠償命令
1000人もの相手に銃を密売したかのようにニュース番組で報じられ、名誉を傷つけられたとして、元銃砲店経営、和田晃三被告(48)=銃刀法違反罪などで神戸地裁で公判中=が、テレビ朝日などに500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は16日、50万円の支払いを命じた。
松井英隆裁判長は「原告の犯罪行為を過大に印象付けた報道で、社会的評価を相当低下させた。ただ百数十人の多数に密売したという点は真実で、虚偽の部分は比較的少ない」と指摘した。
判決によると、平成16年10月の「報道ステーション」は「千人に銃を売った男追跡」とのテロップを付けて放送した。
和田被告は、拳銃を所持していたほか、米国から拳銃の部品を密輸したなどとして起訴された。
産経ニュース
この判決は、報道の虚偽を認定したのは「1000人」という数字についてのみで、「百数十 人の多数に密売したという点は真実」とした。だが、和田氏は現在、神戸地方裁判所で公判中の刑事裁判で「無罪」を争っている。「百数十人」に売ったものは、違法な「銃」ではないと主張しているのだ。実際、和田氏が取り扱っていた〝商品〟は「無可動銃」だった。
「無可動銃」とは、実銃の発射機能を破壊した装飾品で、警察庁が認定規準を設けた合法品。輸入も販売も国内法で認められている。それを和田氏は、税関と警察の二重の検査を受けて、合法的に通関させていたのだから、「密売」と表現するのも失当だ。
その「無可動銃」を、和田氏は国内の顧客に販売した。ところが突如、兵庫県警が和田氏の商品を「真正けん銃」とみなして摘発に乗り出したのである。県警は他の都道府県警察と共同して、全国の顧客から百数十丁を押収。科捜研(科学捜査研究所)で〝改造〟を施して「発射機能あり」とする鑑定をした。が、それでも和田氏や共犯とされた人を起訴できたのは「けん銃」ではなく、「けん銃部品」としてだった。しかも、顧客から百数十丁が押収されていながら、和田氏が起訴されたのは、たった8丁分の「けん銃部品」についての営利目的輸入の罪だ。破壊の程度が大きく、科捜研の設備と技術を駆使しても、「銃」としての機能を回復することができなかったからである。
警察が主張するように、和田氏が「密輸の偽装」のために銃を加工したのではなく、復元不可能な「無可動銃」として輸入するつもりであったことは、米法廷に提出された「証拠ビデオ」(US‐MART事件Ⅱ)から判断できる。
押収丁数を稼ぐために、合法輸入された「無可動銃」を「真正けん銃」の密輸とでっち上げた警察の不当捜査。
それが、この『US‐MART事件』の本質だ。犯意もなく、合法品だと信じて和田氏の商品を購入し、警察の強制捜査を受けて自殺した顧客もいた。公権力のチェック機能を果たさず、警察発表を鵜呑みにした報道を垂れ流すマスメディアの責任でもある。
答弁書(テレビ朝日)「asahi-toben.pdf」をダウンロード
準備書面(テレビ朝日)「asahi-junbi.pdf」をダウンロード
準備書面(和田)「wada-junbi.pdf」をダウンロード
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『US‐MART事件』で大阪・東京両税関が合法通関させた「無可動銃」を「真正けん銃」として摘発した兵庫県警は、13年前、拳銃の押収実績を挙げるために、組織ぐるみで大量の「大麻」と「拳銃」をタイから密輸した『拳銃61丁ヤラセ押収事件』を起こしている。
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