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2008/03/11

「そば屋の出前」が届いたあとに待っている「落とし穴」① Arius3D

長期にわたる「そば屋の出前」に耐えてこられた皆様に、お詫びと感謝の気持ちをお伝えしたいと思います──。

サンラ・ワールド社』(江尻眞理子社長)が2月18日に投資者へ送った文書で、増田俊男氏は「そば屋の出前」の終結宣言をしていた。

「そば屋の出前」とは、その場しのぎの言い訳で、物事の遅延をごまかすことの喩えだ。サンラ・ワールド社の商法では常套化された瞞着の術だが、『アリウス3D社』(Arius3D,Inc.)の投資話では、あまりにも度が過ぎていた。「もうすぐ上場する!」、「投資したお金が何十倍にもなる!」などと、増田氏が「上場話」を吹きつづけて今年で8年目になる。アリウス3D社の上場先として、増田氏がこれまでに名を挙げてきたのは証券市場は、存在もしない証券取引所からナスダックやニューヨーク証券取引所といった世界最大級の市場まで多数ある。「近日上場」を吹いては資金を集め、それらの上場話はいつのまにか立ち

消えて、結果はウヤムヤにされてきた。予告時期を先延ばしにする「そば屋の出前」は数え切れない。

投資者から「IPO詐欺」の声が上がり、増田氏らに対する訴訟が相次ぐ最中に、現在のTSXーV(トロント・ベンチャー証券取引所)での上場話が持ち出された。TSX(トロント証券取引所)グループの証券取引所だが、大規模企業と中堅企業が上場するTSXに対し、TSXーVの上場会社ほとんどが中小企業。そのTSXーVでさえ、アリウス3D社は上場基準を満たすことができなかったからか、昨年6月ごろからCPC(上場会社との合併)方式を利用した上場話に変更された。

冒頭の増田氏のコメントが添えられたサンラ・ワールド社の2月18日付の発表では、CPC会社の『レベッカ・キャピタル社』(Rebecca Capital,Inc.)とアリウス3D社の合併が完了し、2月末から3月3日ごろまでにSEDAR(電子文書検索システム)に掲示され、その数日後に『アリウス3D・コーポレーション(Arius3D,Corp.)の社名で取引きが開始されるはずだった。

ところが結果は、いつもどおりの「そば屋の出前」。そればかりか増田氏とサンラ・ワールド社は、日本でのマスメディアの報道とレベッカ・キャピタル社が3月7日に発表したニュース・リリースこじつけて、取引開始後の「落とし穴」の仕上げに取りかかったのだ。

嵌れば、投資者は不利益をこうむり、増田氏やサンラ・ワールド社らが一方的に得をするおそれのある仕掛けは「株式確認書」に隠されている。

「やはり、そうだったのか…」と思われるかも知れませんが…。

そんな前置きをつけて、サンラ・ワールド社(サービスセンター)は3月10日に出資者へ送った「Frontier One LLCからのSEDAR情報掲示に関する報告書」と題する文書で、3月3日に取引きが開始されなかった理由について、以下のように弁明した。

実は2月28日、突然Arius3D,Inc.のJim(McGrlone)氏がTSXから呼び出され、最大の株主であるFrontier One LLCについて質問を受けました。Frontier One LLCについては、それまで何の問題もなく質問もなかったのに、合併登記の前日になっての突然の質問は異常なのでTSXに理由を聞いたところ、2月27日英文読売の記事が届けられ、Frontier One LLCと投資家との間で問題が発生している旨の情報を得たとのことでした。そこでTSXとしてはFrontier One LLCの実態を把握することが必要になったのです。またFrontier One LLCは1000人を超える日本の投資家のArius3Dの株式売買の代行をすることになっているようだが、個々の株主の取引の自由の保障の観点からカナダの証券取引法に抵触する可能性があり、好ましくない。Arius3Dは直ちに日本の株主の確認を得た株主名簿を整備すべきである、ということになり、TSXは、以下のような意向を示しました。

3月3日から取引開始すると、日本の株主だけが市場での売買のチャンスを失うことになり不平等になる。一方、Arius3Dが正式にTSXーVで取引を開始するまでの諸々の合併手続に1000人を超える日本人の株主がサインをするのは時間的にも事務手続き上も不可能だからFrontier One LLCが日本の全株主を代表して事務手続きを代行したのは理解できる。しかし合併が終了し、Arius3Dが市場で取引されるようになった時点で日本の投資家が自分の株式をFrontier One LLCの名前で保有し、かつFrontier One LLCの名前で取引する理由はまったくない。したがってArius3DはFrontier One LLC名義の株式をいち早く投資家に名義変更すべきである

しかし、これからFrontier One LLCが1300名の投資家に株式名義変更をするには数ヶ月かかるだろうから、それまでArius3D,Corp.が市場で取引できなくなるのでは、日本の投資家だけでなく、Arius3D側、Rebecca Capital,Inc.側、また昨年9月18日から10月2日まで市場でRebecca Capital,Inc.の株を買った株主(現在はArius3D,Corp.の株主)にとって大変不利になる。そこで、上記の諸条件を満たしながら、できるだけ早く取引開始をする方法として、Frontier One LLCが保有する全株を暫定的に信託機関に委託し、日本の投資家が株式を売りたいときは信託機関に指図して売ることができるようにする

20080311173419 20080311173834 20080311174050 さらに報告しますと、Frontier One LLC経由で売る場合のメリットとして株価の維持という点がありました。信託機関を通じる今回の方法による場合、売り注文に歯止めがかからず、株価維持が困難になるのではないかという疑問が寄せられましたが、Frontier One LLCと投資家の間での合意でFrontier One LLCが投資家の売買益の20%の成功報酬を得る権利が保証されており、他方、信託期間中は株式の名義はFrontier One LLCのままであることから、投資家の明らかに損が出る売却注文に対してFrontier One LLCは反対の意向を表明することができます。しかし事情により投資家がどうしても売却したという場合は、たとえばFrontier One LLCが売却額の10%の報酬を得ることにするなど交渉の余地もあります。さらに投資家が各自の名義の証券口座をカナダまたは日本に持つ場合は、株式名義変更の際に投資家は証券会社宛に利益の20%をFrontier One LLCに支払う指示書を提出していただくことになります。したがって懸念される事態は十分に回避できることになります。

株式名義変更が、投資家の利益を最優先した方針であるかのごとく説明されている。が、リスク説明のない〝胴元〟の情報だけを鵜呑みにするのは禁物。自分の目で、しっかりと公式情報を精査したうえで判断しないと、落とし穴に嵌ることになりかねない。

落とし穴① 市場取引開始後のアリウス3D株式が「紙キレ同然」の株価となる可能性

3月10日付「SEDAR情報掲示に関する報告書」は、レベッカ・キャピタル社の3月7日のリリースから2項目が翻訳引用されている。それは、増田氏やサンラ・ワールド社らにとって都合のいい部分のみの引用で、投資者側にとって最も重要な情報については一言も触れていない。その「最も重要な情報」とは、アリウス3D社の財務状況に関するデータだ。レベッカ・キャピタル社のリリースには、'07年度のアリウス3D社の「財務報告書」情報が提示されていた。

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                       September 30, 2007          March 31, 2007
                        unaudited interim        audited year end
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Revenue                          $763,603                 $36,521
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Cost of Sales                    $(75,000)               $(91,667)
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Expenses                      $(1,384,262)            $(3,360,190)
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Net Income                      ($696,220)            ($3,839,414)
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Assets                         $1,426,375              $1,009,657
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Liabilities                   $(1,754,895)            $(1,312,127)
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Shareholder Equity              $(999,581)              $(302,470)
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この財務報告を和訳した表が、『Arius3D, Inc.-IPO資料舘 ココログ別舘』に掲載されていたので、転載させてもらう。A3dfsjpy2007

'07年3月31日の監査済み決算は、収入がわずか400万円弱。そんな個人商店レベルの売上高に対して、4億円を超える異常な大赤字である。

'00年から「第2のマイクロソフトを目指す」というキャッチフレーズを吹き込まれ、投資が何十倍にもなると信じ込まされつづけてきた投資者にとっては、まさに驚愕の数字といえるだろう。昨年10月に開かれた「上場説明会・祝賀会」では、増田氏は「上場すれば10倍から15倍になる」と吹いていた。その直前の9月の未監査決算も、3月期にくらべれば売上高は大きく伸びたものの、それでも小規模企業レベル。1億円近い債務超過となっている。サンラ・ワールド社はこれまで、投資者がアリウス3Dの財務状況の提示を求めても、頑なに拒否しつづけてきた。もし、この財務報告を事前に開示されていたなら、大金を投じる者はいなかったに違いない。

レベッカ・キャピタル社のリリースによれば、フロンティア・ワン社(増田氏)は59,751,096株のアリウス3D株式を所有している。その資金として、増田氏がサンラ・ワールド社らとともに国内で投資を募集した総額は30億円を超える。さらに、『PGI』(パラオ・ゴルフコース社)と『SCH』(サンラ・キャピタル・ホールディングス社)の株式、『サンラ・ワールド投資事業組合』の債権の一部などが、アリウス3D社の株式と交換されている。フロンティア・ワン社が所有する約6000万株のアリウス3D社株式が、総額で100億円を超えるであろう資金の対価となり得る価値があるのかどうか、公表された財務報告に照らして判断してもらいたい。

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