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2008/04/11

年商360万円なのに「ニューヨーク証券取引所に上場する」と吹いて数十億円を集めた「増田俊男」夫婦の未公開株商法

アリウス3D社』(Arius3D,Inc.)は、増田俊男氏が『サンラ・ワールド社』社長で内縁の妻の江尻眞理子氏とともに「近くIPO(新規株式公開)する」、「第2のマイクロソフトになる」などと宣伝し、'00年から日本国内で投資を募ってきたカナダの未上場会社だ。その募集額の累計は30億円以上。さらに、増田氏らは過去に巨額の資金を集めて頓挫、消滅、解散した他のファンドの持分などを、アリウス3D社の未公開株式の保有権と交換しており、その総額は100億円を超えるとみられる。

増田夫婦とサンラ・ワールド社は、アリウス3D社の550万ドル(当時の為替相場で約6億円)の転換社債への投資を募集していた'05年、『ARIUS3D,Inc.利益予想 to2006』と題した2期分の財務予想をインターネット上で公開していた。

「arius3dinc.利益予想 to2006.htm」をダウンロード

'05年度は1082万3196ドル(約11億円)、'06年度には1994万7061ドル(約20億円)の総収益。

これが、「確実な売上げだけをベースに計算している。したがって、本売上予想は保守的(控え目)なものである」としたうえで、増田夫婦とサンラ・ワールド社が'05年当時に宣伝したアリウス3D社の年間の売上予想だった。この数字を掲げ、近くIPOするというフレコミで約6億円の転換社債を完売。さらに、増田夫婦らは「カナダ市場のMontreal ExchangeまたはCanadian Venture Exchangeに'05年中に、'06年にはNasdaq市場にIPOする予定」、「転換社債発行額満額(550万ドル)を上回る業績を上げ、益々順調」などと謳い、アリウス3D社の400万株ワラント(行使価格1株50セント:約2億2000万円)の募集を行っていたのだ。

ところが先月になって、アリウス3D社の実際の財務状況が判明し、サンラ・ワールド社の顧客は愕然とした。

'06年度('06年4月1日~3月31日)総収益は、わずか3万6521ドルだったのだ。

現在の為替相場で日本円に換算すると約360万円である。年間の総売上げは個人商店レベル。しかも、同年度の収支は約4億円大赤字だ。

A3dfsjpy2007 この数字は、アリウス3D社との合併手続きを行っている会社が、監査済み決算の内容をプレス・リリースしたことで発覚した。

それまで増田夫婦は、投資者から請求されても決算書などの財務諸表の提示を頑なに拒みつづけ、必死でアリウス3D社の業績を隠しとおしてきた。年商が360万円しかない会社だとわかっていれば、誰も大金を投資したりはしない。債務超過で破綻同然ともいえる会社を「第2のマイクロソフトをめざす上場間近の優良企業」と、投資者に信じ込ませることで巨額の資金を集めてきたのだ。

2 カナダ大使館(東京都港区)や高級ホテルなど、一流の施設を会場に使った説明会の開催や、もっともらしい肩書きの外国人を登場させる派手な演出。そして数百倍、数千倍に誇張した収益予想と、実現の見込みのない〝上場話〟で投資を煽る。そんな「IPO詐欺」まがい商法は、アリウス3D社の本業での年商が360万円しかなかった'06年度がピークだった。その〝化かしのテクニック〟を時系列で検証してみよう。

〔写真〕一等書記官・副領事として紹介され、スピーチをするカナダ大使館員(当時)

「a3d-greet.htm」をダウンロード

アリウス3D社の年商が380万円だった'06年4月1日から'07年3月31日の時期に、上場の予定先とされていた市場はNYSE(ニューヨーク証券取引所)だ。

NYSEの名を、増田夫婦らが最初に挙げたのは'06年2月。それは、存在もしないカナダの市場を騙った〝ホラ話〟の予告期限が切れる直前のことだった。

48_3 '06年2月20・21日、サンラ・ワールド社が主催した『第48回SIC(サンラ・インベストメント・クラブ)定例会』で、増田夫婦らはこのように発表していた。

「アリウス3D社のジム・マッグロー、増田、江尻はアリウス3D社のIPOについてNYSEで打ち合わせた。会合に出席した『アーキぺラーゴ』(NYSEと合併した電子証券取引市場運営会社)の役員は、アリウス3D社をIPOの第一候補にしたいと述べた」

Arius3d_2 Arius3d_1 Arius3d_4 Arius3d_3 この情報は、サンラ・ワールド社が発行していた『力の意志』(増田俊男編集主幹・現在休刊)という定期購読雑誌の'06年3月15日発売号 (2006年4月号)にも、「Arius3D社IPO準備会がNYSEで開催!『第二のマイクロソフト』Arius3D社のオフィスをのぞきにいこう!」と題した記事を載せて大宣伝されている。

4902 '06年4月5・6日開催の『第49回SIC定例会』では、「7月を目途にSECへ書類を提出、11月末に上場申請書類に対する回答を4901_2受け取る予定。業績の実績と見込み以外は上場条件を満たしている。7月頃までに現在ペンディングになっている案件を本契約に結び付けることで実績の証明とする。CIA、ペンタゴンからの受注が確実化できているので、見通しは明るい。2007年初春にはIPOできるとの自信」と発表。

'2006529 06年5月29日、サンラ・ワールド社は「『Arius3D,Inc.IPO(上場)に関する会議』についてのご報告」と題する文書を投資者へ送り、アリウス3D社のIPOに関する第三回目の会議がニューヨークで開かれたことを報告した。

世界最大の証券取引市場であるNYSEでの〝上場話〟は、先の〝ホラ話〟をウヤムヤにするだけではなく、増田氏の債務の履行を先延ばしにすることにも利用された。

'06年6月12日、増田氏は『サンラ・ワールド事業投資組合』の債権者へ、「増田俊男(元サンラ事業投資組合代表組合員)からの提言」と題する文書を送っている。サンラ・ワールド事業投資組合とは、増田氏が代表となって'01年に結成し、「サンラ・ワールド社が2004年上場予定」と宣伝して、1口50万円で総額15億円の出資を募集した民法組合だ。

「jiji_0409.pdf」をダウンロード

03 02 01 サンラ・ワールド社がIPOできずに頓挫したこの組合の解散説明会を、増田夫婦らは'06年5月25日に明治記念館で開き、解散後の償還金を1口あたり47万5000円とし、同年6月と12月の2回に分けて支払うことを発表していた。「増田俊男(元サンラ事業投資組合代表組合員)からの提言」は、増田氏に対する債権を1口あたり5000株(50万円相当)のアリウス3D社株式と交換することを勧誘する文書だった。それには、買戻しの特約が付けられていた。

「万一IPOが来年('07年)4月までにできなかった場合は、私(増田)はArius3D,Inc.を買戻します」

しかし、'07年4月を過ぎてもアリウス3D社はIPOしなかった。それでも買戻しの約束をホゴにした増田氏は、債権者から訴訟を起こされている。

〔関連記事〕50万円の借金を返さずに訴えられた「増田俊男」氏の不始末

組合解散の債務処理に利用したあとも、NYSEでの上場を騙った増田夫婦らの資金集めはつづく。

'06年7月28日、アリウス3D社のデビッド・ブルッケルマン社長(当時)が来日し、カナダ大使館で3Dカラーレーザー・スキャニングのでデモンストレーションを開催。 増田氏の経済講演と、大使館員のスピーチも行われた。

'06年7月31日、プレス・リリースをして、カナダ大使館でアリウス3D社の報道発表を開く。記者会見には増田夫婦も出席。業界機関紙などの零細メディアを中心に、わずか4社が取材したにとどまり、不発に終わった。が、増田夫婦らは「記者会見は大成功」と、投資者に報告したという。

5003'06年8月1日、『第50回SIC定例会』でブルッケルマン社長が「待望のIPOが'07年4月になることが、ほぼ確実になりました。一緒に大きなキャピタルゲイン(株式や債券の売買益)を手にしましょう」などと言って投資を煽り、「420万ドルの増資に株式購入の優先権をSICメンバーに与えたい」とした。この定例会では、増田夫婦らが出資金を集めて頓挫させたPGI(パラオ・ゴルフコース社)の株式持分と、アリウス3D社の株式との交換が決まったことが明らかにされている。

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'06年8月10日、「IPOまでの最後のチャンス」と称して、増田夫婦がハワイに所有する『フロンティア・ワン社』(Frontier One, LLC.)が取得したというアリウス3D社増資株式220万株を、サンラ・ワールド社が募集販売を開始する。2006810b 2006810a

'06年8月10日、「Arius3D, Inc IPOのための会議(4回目)がニューヨークで開かれた」と、サンラ・ワールド社が運営するインターネット・サイト『増田俊男の世界』で発表した。そのページで示されたのは、会議のあとに開かれたという眞理子社長の誕生パーティーのリポートのみだった。本当に会議が開かれたのかどうかも疑わしい。しかも、NYSEのフロアーマネージャー(新会員担当)と紹介されたウォルター・シューベルト氏の〝ニセモノ疑惑〟が、のちに浮上している。シューベルト氏はDsc03818 NYSEのメンバーのなかで、初めて自分がゲイであるとカミングアウトした人物として、米国のマスメディアに取り上げられた有名人だった。『ゲイ・レスビアン商工会議所』のメンバーで、同性愛者を対象としたオンライン証券取引サイト『ゲイ・ファイナンシャル・ネットワーク(GFN)』(Gay Financial Network, Inc.)の創立経営者だが、NYSEに勤務するフロアーマネージャーではなかったのである。

増田夫婦は、アリウス3D社のIPOになんら権限を持たない人物を担当者と偽り、架空のIPO会議をでっち上げていた可能性がある。このフロアーマネージャーの〝ニセモノ疑惑〟については、当対策室は昨年4月にアップした「増田俊男氏は『虹の橋』を渡りきれるか」の記事で指摘した。すると、記事をアップしてから数時間後、シューベルト氏が紹介されていたトピックを含む「TOPICS!」というコンテンツが、まるごと『増田俊男の世界』から削除されてしまったのだ。このコンテンツは、1年経ったいまも「工事中」の表示が出されたまま復旧されていない。

「810.doc」をダウンロード

〔関連記事〕増田俊男氏は「虹の橋」を渡りきれるか

〔関連記事〕「増田俊男の世界」が緊急メンテナンス?

Arius3D IPO! Arius3D IPO!

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そう、真理子社長が叫んだという「お誕生日会」に招待した〝善意の第三者〟をチャッカリと〝役者〟に仕立てた増田夫婦は、その後もアリウス3D社のNYSEでのIPOをエサにした資金集めをつづける。

'06年11月24日、SICを解散後のサンラ・ワールド社は、「サンフランシスコ事務局準備室」20061124 という名称を使って、投資者へ「Arius3D,Inc.の最新IPO情報」を発信。「NYSEへのIPOについては、投資銀行との契約も完了し、最終準備段階に入った。NYSE電子市場に加えて、TSE(カナダのトロント証券取引所)とAIM(ロンドン証券取引所)にも上場を目指し、SGI International, Inc.を通して準備を進めている」とした。

'06年11月27日、IPO間近と煽ったところで、上場価格が1株5ドルになった場合の例を示し、122万3500株ワラント権利付普通株式(1株1ドル・20061127arius3d__11ワラント付)を募集する。

しかし、NYSEでのIPOを予告していた'06年4月が近づくと、増田氏はにわかに計画の変更を謳いはじめた。

'07年2月26日、「Arius3D,Inc.の最新ニュース2007年2月26日号」のなかで、増田氏は「Arius3D,Inc.はカナダ籍の会社であることから、まずトロント市場に上場し、2007226 続いてニューヨーク、ロンドン市場に上場することになりました。2月末までにトロント市場上場手続きを終わらせ、4月末に上場完了の予定」と発表。期日は 、それまでに予告されていた'07年4月に変わりはないが、最終準備段階に入っていたはずのNYSEからトロント市場にすり返られた。

'07年3月8日、サンラ・ワールド社は「アリウス3D社説明会」を開き、「カナダ最大の銀行が投資銀行に決定し、10ミリオンドルのファイナンスが可能になった。IPOへの3つのステップのうちの2つが完了。先にトロント市場に上場、続い20070309aarius3d てNY、ロンドン市場に上場予定。IPO時期は、楽観的に見ると4月末~5月上旬、現実的には5月下旬、遅くとも6月下旬の見込み」と発表。同日に開催した『サンラ・キャピタル・ホールディングス(SCH)社』(Sunra Capital Holding Ltd.)の説明会では、同社のすべての債務債権をアリウス3D社の株式と交換することを、投資者に提案している。

SCH社は、「米ナスダック上場企業を買収することを目的とした持株会社」という名目で、増田夫婦が'02年に設立したバミューダ籍の会社だ。「'04年にバミューダ市場でIPOする」、「SCH社に投資すればナスダック上場企業の株式を事実上保有でき、その株式はいつでも売却して換金できて、大きな売却益が得られる」などの宣伝文句で巨額の資金を集めたが、計画は頓挫。いつでも株式を売却して換金できるという約束も果たせず、増田夫婦は'04年にSCM(サンラ・クローズド・マーケット)という〝もぐり〟のインターネット私設市場を開設して、SIC会員のあいだでSCH社株式を取引させていた。増田夫婦が資金集めをした案件のなかで、最も投資者からの苦情が多かった案件らしく、アリウス3D社の株式と交換することで債務を処理して、無難に解散しようとしたのだろう。株式の等価交換については、SCH社のジョセフ・ウェクター社長の言葉を借りて、このように説明されていた。

「会社(Arius3D,Inc.)は遅くとも2007年6月30日迄にはIPOを果たす予定です。SCH株の移動について増田氏から投資家の皆様のSCH株と同数のArius3D,Inc.株と交換することの提案がありました。そうすることにより、投資家の皆様はお持ちの株式の現金化がいっそう早まることになります。皆様の持株(Arius3D,Inc.)は上場後皆様の指定する名前に名義変更され、証券会社によって市場での売買ができます」

Arius3d_sch_070328_1 Arius3d_sch_070328_2 Arius3d_sch_070328_3

'06年4月1日から'07年3月31日までのあいだに、増田夫婦らがアリウス3D社への投資を募集したのは、増資株220万株とワラント権利付普通株式122万3500ドルの計342万3500ドル(当時の為替相場で約4億円)。交換した債務はサンラ・ワールド事業投資組合、PGI社、SCH社の3案件だった。

そして、その年度のアリウス3D社の年商は約360万円で、収支は約4億円赤字である。

360万円の売上げでは、ニューヨークの有名レストランで会議と称して興じた「お誕生日会」の乱痴気騒ぎや、一流ホテルなどで盛大に催した説明会の費用もまかなえない。日本の投資者から集めた資金に相当する赤字を計上したアリウス3D社の支出は、いったい何に使われたのだろうか。

NYSEでのIPOは最終準備段階に入っていたはずなのに、'07年3月末日以降、その話は投資者になんの報告もないまま立ち消えた。頓挫していた事実が明らかになったのは、今年3月に日本の新聞社がサンラ・ワールド社へ質問状を送って、ようやくのことだ。

Arius3d20077 <参考記事>Arius3D,Inc.最新報告 読売新聞からの質問について

トロント市場でのIPOは、予定期日を小刻みに訂正を繰り返しながら、さらに資金集めを継続。昨年10月には「上場祝賀会」を開いてクス球を割り、「上場すれば10倍から15倍になる」と増田氏がスピーチするなどのパフォーマンスをしておきながら、いまだにアリウス3D社の上場は果たてされいない。

071011_190802a 増田氏は、赤穂浪士の末裔アインシュタインの生まれ変わりを名乗り、眞理子社長は元レースクイーンを自称しているらしい。そういう罪の無いホラならいいが、資金集めの口実にウソをつくのは重大な問題だ。

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