「不動産取引」を偽装して資金を集めた「増田俊男ファンド」が償還延期
ハワイ不動産投資と銘打った投資を、増田俊男氏と『サンラ・ワールド社』(江尻眞理子社長)が募集したのは昨年1月のことだった。
当時の募集資料によると、この案件はハワイ・オワフ島「カネオヘ市」にある『ベイビュー・ゴルフ場』(Bay View Golf)の不動産所有権への投資とされ、募集総額は686万ドル(約8億円)。ゴルフ場内の分譲地すべてを'07年12月31日までに転売して、所有権を投資者から買い戻すことが条件とされていた。
これに申し込んだ投資者には、『ツータイガース・ファンド社』(Two Tigers Fund LLC)を売主とした「不動産売買契約書」が送られてきた。ツータイガース・ファンド社は、増田氏と江尻氏が'05年11月に設立した米国ハワイ州の法人だ。
たった2枚の怪しげな売買契約書には、'07年12月31日を買い戻し期限とする特約が付記されている。
不動産所有権の売買とされた投資案件だったが、当対策室調査班の調べによって昨年、売主とされていたツータイガース・ファンド社がゴルフ場の所有権を持っていなかったことが判明している。不動産の所有者は、マイケル・ネコバ氏が経営する会社『ケーベイ社』(KBAY LLC)を含む複数の法人個人。ツータイガース・ファンド社が持っていた権利は、ケーベイ社の所有分に対する「二番抵当権」だったのである。
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買い戻しの期限が迫った昨年12月なって、増田氏とサンラ・ワールド社は、「増田俊男,サンラ・ワールド,SIC」投資被害対策室が指摘していた「不動産の所有権の売買ではない」ことを認める文書を投資者へ送った。
'07年12月27日付のQ&A方式の文書がそれだ。日本の投資者がツータイガース・ファンド社へ送金した資金は、ケーベイ社に融資するかたちで運用されていたことが記されている。
つまり、増田氏とサンラ・ワールド社は元本保証(買戻し条件)をして、不特定多数の者から出資金を集めていたということだ。不動産売買ではなかったのだとすれば、出資法に違反する疑いがでてくる。また、投資者が不動産所有権を購入したものと錯誤させられていた場合は、詐欺性を指摘されるおそれもある。
もっとも、この資金が無事に投資者へ償還されたなら、誰も被害を訴え出ることはないのかもしれない。が、Q&A文書で確約された先月末日の償還期限は切れた。ツータイガース・ファンドへ出資した投資者が、増田氏らに対して訴訟を提起するケースもみられるようになっている。
返金をめぐるトラブルが起こりはじめた今月16日、サンラ・ワールド社(サービス・センター)は、ツータイガース・ファンドの出資者へ償還の延期を知らせる通知を送った。
「ハワイ州の意向にそった新たな開発計画」という理由をつけて、償還を'10年3月31日まで延期するというのだ。
この提言は、ケーベイ社から発信されたものの和訳とされ、日本の出資者から預り金をしてる増田氏と江尻氏(ツータイガース・ファンド社)としてのコメントはない。責任を逃れようとする増田氏らの意図が透けて見える。
〝増田ファンド〟の自転車操業も、いよいよ限界が近づいているのだろう。
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