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2008/05/23

自称評論家「増田俊男」の〝カルト人気〟を影で支えた人びと③ [江尻眞理子]

'95年に米国から引き揚げてきた当時の増田俊男氏は、小規模なセミナーの講師などをして、ほそぼそと食いつないでいた。

巧みな話術に魅了されたファンも、若干名はいたという。しかし、一方で増田氏を〝うさん臭い人物〟とみなして、警戒する者も少なくなかった。当時の増田氏を知る実業家は言う。

「増田さんは、お金のニオイに敏感な人でした。知りあった相手が金持ちだと見ると、しつこいぐらいに接近しようとするんです。こまめに電話をかけて、『ぜひ、お会いしましょう』と誘ってきます。目をギラギラさせて、あまりも露骨に怪しいので、お付き合いは控えさせていただきました」

帰国したばかりで素性も知れず、マユツバな肩書きを名乗る初老の紳士? そんな増田氏に、うっとりとした目を向けるひとりの女性がいた。元レースクイーンを自称し、香水の匂いをプンプンさせて、メルセデスのコンバーチブルを颯爽と乗りこなすセレブ。それが、のちに増田の内縁の妻となる江尻眞理子氏だった。

眞理子氏は、豊島区高松にマンション一棟を所有する資産家の令嬢で、親の代から引き継いだ『サンラ』(旧・日産電話)を経営する四十路の女社長。その眞理子氏との出会いがあってから、増田氏はにわかに羽振りがよくなる。

「ボクは国際的な銀行家だから、カネは腐るほどある」

華麗な経歴を騙り、富豪きどりで大金を積み、ゴーストライターも雇えた。眞理子氏が所有するマンションを、さも自分のものであるかのように吹聴することもあったという。

眞理子氏に土下座をしてプロポーズをしたのだと、増田氏が'01年の講演会で寸劇をまじえて話していたことがある。

しかし、出会った当時のふたりを知る人物から、こんな証言を得た。

「眞理子さんが、増田さんにベタ惚れなことは、傍目にもわかりました。でも、増田さんのほうは、どうだったんでしょうねぇ。まさか、あのふたりが結婚するなんて、そのときは思いもしませんでしたからね」

その頃の増田氏は、眞理子氏の実弟の徳照氏を「オンナの腐ったようなヤツだ」とこきおろし、他人から眞理子氏の容姿をけなされても、ヘラヘラと笑っていたという。フィアンセだと思えなかった理由は、そんな余所事のような増田氏の態度にあったようだ。

だが、増田氏と眞理子氏は、ハワイの州法にのっとって結婚した。'98年に船井幸雄氏らとの共著で世に出て、当初は〝自慰出版社〟として設立した『サンラ・ワールド社』で出資金集めを本格的にスタートさせる直前の'99年1月のことだった。船井氏を仲人に、ハワイで挙式している。

それからの眞理子氏は、増田俊男というキャラクターを〝憂国の士〟として偶像化していく、パトロン兼プロデューサーの役割を果たす。また、サンラ・ワールド社の社長として手腕を振るい、増田氏と二人三脚で巨額の資金を集めていった。

仲むつまじく、どこへ行くのも一緒だ。ビジネスでもプライベートでも、人前に姿をあらわすときは、つねに夫婦ペア。増田氏のファンや信者には、ベストカップルで通ってきた。

しかし、その夫婦の絆が、試されるときがきている。

『時事直言』(2008年1月25日号)のなかで、増田氏は夫婦愛の深さを綴った。

何よりも残念なのは、この日(26日)のために心血を注いで頑張ってくれた我が妻、眞理子です。新年会の会場(帝国ホテル)からも前日になって断られました。それでもイスラエルの飛行場から新たな会場を当たってくれています。別途会場のご用意でき次第、ご案内いたしますのでよろしくお願いいたします。眞理子には私が一生かかっても償いきれない大きな心の傷を与えてしまいました。私のことを、「こんなに立派に育てました」と自慢していたのですが……。

これが、1月24日の『読売新聞』朝刊の報道を皮切りに、他の新聞やテレビがいっせいに増田氏らが警視庁に告訴されたことを報じた直後の第一声だ。社会人としての常識を忘れ、顧客や世間に対して詫びることさえせずに、真っ先に自分の妻をおもんばかった増田氏。だが、この時事直言が発信されたのとおなじ日、まったく趣旨が異なる文書を、増田氏から受け取った者もいた。

「私は、出資法に違反するようなことはしていません。事業の責任は眞理子にあります。私は関係ありません」

〝金のなる木〟を「こんなに立派に育てた」と自慢していたという眞理子氏は、なぜ日本では入籍もせず、増田氏をサンラ・ワールド社の役員にしなかったのだろう。もしものときは、増田氏を庇いきるつもりだったのか。

増田氏はどうなのだろう。

親しい知人に「いざとなったら海外へ逃げる」と言っていた増田氏だが、逃げるときはひとりなのか、あるいはふたりなのか。成り行きを見守りたい。

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