サンラ・グループの〝準〟カリスマ役「柏木芳樹」の正体
FX(外国為替証拠金取引)会社『アイ・トレードFX社』(東京都中央区)の元役員が、在職中に一任勘定取引や利益を保証する勧誘など、法令に違反する行為を行っていた疑いがあることがわかった。
問題の取引は、確認できているだけでも'04年から'06年にかけて数件ある。不正の疑惑のもたれている元役員は、長谷川真史(はせがわ まさし)氏だ。
この長谷川氏は、じつは、もぐりの出資金集めで問題になっている『サンラ・ワールド社』を中核とするサンラ・グループの幹部だった人物。そして、アイ・トレードFX社は'01年10月に、サンラ・ワールド社のグループ会社として設立された『サンラ・コミュニケーションズ社』をルーツとする。同社は'03年9月に『サンラ・フォレックス・ジャパン社』と社名を改めたのを皮切りに、その後『アーク・アセット・マネジメント社』→『みらいFX』→『FX-WING社』と、めまぐるしく商号変更と移転を繰り返す。アイ・トレード・ホールディングス社に買収され、同社の100%子会社として、現在のアイ・トレードFX社となったのは昨年8月のことだ。
長谷川氏は、サンラ・ワールド社社長の江尻眞理子氏の実弟で、同社副社長だった江尻徳照氏の子飼いの部下として知られていた。アーク・アセット・マネジメント社時代まで「柏木芳樹」なる為替予想師を名乗り、サンラ・グループの〝筆頭カリスマ役〟増田俊男氏をマネた活動をしていたこともある。サンラ・ワールド社元役員の荒川雄一氏と同様に、セミナーの講師を務めていたこともあった。
アーク・アセット・マネジメント時代には、同社のサイトに〝裏ネタ〟をウリにした「柏木芳樹緊急提言」という、「増田俊男の時事直言」もどきのコーナーを持っていたことがある。当時、アーク・アセット・マネジメント社はインターネット上で、こんなふざけた宣伝をしていた。
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まったく無名の人物を、さも著名な〝先生〟のごとく祭り上げるのがサンラ・グループの商法のようだが、「柏木芳樹」は'06年ごろに姿を消した。かわって、「長谷川真史」が表舞台に登場する。アーク・アセット・マネジメント社の社長だった徳照氏が、『あおば出版』を倒産させて失脚した以降、長谷川氏が社長に就任したのだ。その後、'07年にアーク・アセット・マネジメント社の株式が譲渡されて「未来証券」グループの会社になってから、証券取引等監視委員会の臨店検査を受けたのを機に、社長の席をサンラ・グループ出身の熊谷司氏に譲る。そしてFX-WING時代まで、長谷川氏は取締役管理部長の要職に就いていた。
長谷川氏が、サンラ・フォレックス・ジャパンからアーク・アセット・マネジメント時代にかけて行ったとされる一任勘定取引などの不正で、損失をこうむったとする顧客の一部が、民事訴訟を起こしているケースもある。また、損をさせた顧客に、不法な損失補填案を持ちかけていたとの情報もあり、「長谷川氏らの責任を追及すべき」とする関係者の声も少なくない。
そんな〝プチ増田〟のスキャンダルは、FX取引上の不正疑惑だけではない。もっと〝恥ずかしい過去〟があったことが確認できているが、被害者の心情に配慮して、ここでは触れないことにしておく。
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