報道による人権侵害を防止するための活動を目的とする『人権と報道・連絡会』は13日、<足利事件の捜査・裁判・報道>というテーマで7月の定例会を開いた。ゲスト講師として招かれたのは、再審開始決定前の6月に異例の釈放をされた菅家利和氏と、その主任弁護人を務めて一躍「時の人」となった佐藤博史弁護士だ。有名事件の〝ゴールデン・コンビ〟の登場に期待して、東京・水道橋の会場に集まった参加者が真っ先に目にしたのは、<弁護士『佐藤博史』の責任を追及する会>と大きく書かれた横断幕だった。
「弁護士『佐藤博史』の責任を追及する会」は、詐欺まがいの商法で200億円を超える資金を集めてきた『サンラ・ワールド社』の被害者が発足させた団体だ。約7年にわたってサンラ・ワールド社の顧問や代理人を務め、同社の商法を助長することで、億単位の報酬を得てきた佐藤弁護士の法的責任と道義的責任を追及することを活動の趣旨とする。
そして佐藤弁護士は、『人権と報道・連絡会』の集会で講演する5日前、サンラ・ワールド社の代理人となって起こしていた<スラップ訴訟>の控訴審で敗訴していた。
スラップとは、資金力のある組織や団体が、批判や反対意見などの言論を封じるために行う〝嫌がらせ訴訟〟のことだ。佐藤弁護士がサンラ・ワールド社と、その実質上の経営者である増田俊男氏の訴訟代理人となり、当ブログ管理者の津田哲也に対して3300万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしたのは'07年2月。請求の理由は、当ブログに掲載した<サンラを訴えると脅される?!>と題する記事に名誉・信用を毀損されたというものだった。
この裁判で、東京地裁の判決が近づいた昨年9月、佐藤弁護士は自身が執筆を担当するサンラ・ワールド社ウェブサイトの<法務>のページで、「津田氏の虚偽が裁判所で断罪される日が近い」と大宣伝。しかし、東京地裁判決は「本件ブログ記事は、いずれも公共の利害に係るもので、かつ、被告(津田)の執筆の目的は専ら公益性を図ることにあり、しかも、そこで摘示された事実は、その主要な内容、本質的な部分において真実であると認められるから、本件ブログ記事を執筆し掲載した被告の行為に違法性は認められず、不法行為は成立しない」と認定し、サンラ側が敗訴。裁判所に虚偽を断罪されたのは、佐藤弁護士のほうだったわけだ。
この東京地裁判決を不服としたサンラ側は、東京高裁に控訴した。が、その控訴審で今月8日に言い渡された判決は、「控訴人(サンラ側)らの被控訴人(津田)に対する本件請求はいずれも理由がなく、原(1審)判決の結論は相当であるから、本件訴訟はいずれも理由がなく、棄却を免れない」と、またしてもサンラ側が敗訴。1審2審ともに、裁判所が<スラップ訴訟>であることを認めたにひとしい判決となった。
詐欺まがい業者の代理人としては、訴権を悪用した不当な〝言論妨害〟に加担し、<足利事件>では過剰ともいえる〝メディア露出〟で売名。そんな佐藤弁護士が〝報道被害〟を批判する『人権と報道・連絡会』の定例会で講演をするというのだから、「弁護士『佐藤博史』の責任を追及する会」がデモを行ったのも当然のことだ。
この日のデモには、サンラ・ワールド社に損害賠償を求めた<詐欺裁判>で昨年8月に和解しながら、和解金を踏み倒された被害者の子息も参加した。被害者である男性の父親は、佐藤弁護士がサンラ・ワールド社のスポークスマンとして発信した「ブラック・プロパガンダ」に、さんざん悪用されてきた<Y氏>だ。和解金の不払いは、増田氏とサンラ・ワールド社の責任なのかもしれないが、自己の利益のためにY氏との和解を悪用した佐藤弁護士の〝不正義〟は批判されて然るべきだ。
Y氏との和解で、佐藤弁護士が行った〝非道〟については、子息がデモで配布したビラを参照してもらいたい。
佐藤弁護士は、公明党の元国会議員3人を代理した『講談社』や矢野絢也氏(元公明党委員長)らを相手とした名誉毀損裁判の控訴審でも、3月の判決でボロ負けしている。
矢野絢也氏 控訴審判決全文
この訴訟は、3人が「矢野氏の自宅を家捜しして、衆議院手帳100冊を持ち去った」などとした『週刊現代』('05年8月6日号と同月13日号)の記事について争われていた。1審の東京地裁判決では3人が勝訴したものの、2審で逆転敗訴。東京高裁は、「3人は、4回にわたって矢野氏の自宅を訪れ、『要求を拒めば、創価学会や公明党員が危害を加える恐れがある』と脅迫。手帳などを受け取ったが、さらに3人は矢野氏宅の本棚などを開けた」として、記事の真実性を認定。さらに東京高裁は、矢野氏側の反訴を認め、持ち去った手帳などの返還と慰謝料計300万円の支払いを3人に命じた──。
ところが、『週刊新潮』(7月16日号)に掲載された「『矢野絢也氏』勝訴でも返却されない『黒革の手帖』」と題する記事によると、裁判所の命令があったにもかかわらず、手帳は返還されていないらしい。しかも、3人の代理人の佐藤弁護士は、「(返還に)応ずる意思はありません」とする回答書を、矢野氏側へ内容証明郵便で送りつけたというのだ。
世論を味方につけた<足利事件>では「正義の弁護士」然として、検察や裁判所を激烈な口調で批判しまくる佐藤弁護士だが、自身の弁護士としての倫理観はどうなっているのだろうか。
「サンラ商法被害者連絡会」と「弁護士『佐藤博史』の責任を追及する会」は12日、東京・八重洲で特別講演会を開催した。
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