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2009/08/24

増田俊男〔ゴーストライター裁判〕尋問調書④ 津田哲也の証言

Tjinmon001 Tjinmon002 以下は、<ゴーストライター裁判>における津田哲也の尋問調書の全文である。

被告代理人

甲第1号証を示す

この頭の所に,「増田俊男,サンラ・ワールド, SIC」投資被害対策室と書いてありますね。

   はい。

このインターネット上のサイトというのを開設したのは,2006年10月。

   ええ,間違いございません。

あなたの陳述書を見ると,それ以前からあなたはサンラ・ワールド社についていろんな取材をしてきたと,間違いないですか。

   ええ,間違いありません。

2000年ころ,増田さんの存在をあなたは知った。

   はい,そうです。

その後,中断の時期もあるけれども,ずっと基本的には追っていると。

   ええ,継続して追ってはきました。

そのような経歴を持つあなたが, 2006年10月にサイトを立ち上げた根本動機について簡単に話してください。

   実際,私が取材を始めた当初からかなり被害額が多くなって,当初,私が数十億の被害の時期から取材していたわけなんですが,もう開設したころには200億を超えているというような数字になっていたんですね。しかも,その2002年ぐらいから代理人になった佐藤弁護士が継続してそのまま顧問になっているということも知りまして,それがひょっとしたら投資を,要するに詐欺的商法を助長しているんではないかという判断もありましたので,これはブログで被害の拡大を防ぐために警鐘を鳴らして皆さんに,投資家の方々に目を覚ましていただこうという目的をもって開設したものです。

そういう詐欺的取引の被害を防止したいという思いから開設したと。

   はい,そうです。

乙第2号証を示す

SICと題するパンフレットなんですけど,これはどうも2000年ころサンラ・ワールド社が作ったもののようなんだけれども,例えばこの3枚目に,SIC海外投資先ということでエリアス3D,今後のIPOに期待,サンラ国際信託銀行,高配当実現,次のページ,サンラコーヒー組合,配当25%実現予定と書いてありますけど,サンラ・ワールド社はこのような書類を投資家に配布してお金を集めてきたんですね。

   はい,そうですね。

あしかけ10年ほど前ですけど,このサンラ国際信託銀行というのは今現在どんな状況でしょうか。

   その銀行は,2005年1月にパラオ共和国政府から銀行の許可を取消しされておりまして,存在しなくなっているわけです。しかし,増田さんとサンラ・ワールド社は,その後も銀行が存在しているかのように偽って預金を継続して集め,今現在も全くその元金がほとんど返済されていないような状況になっております。

あと,エリアス3Dについては,約10年前から上場ということを言っていますけど,上場はしているんですか。

   2000年ごろから,近日上場とうたって未公開株詐欺まがいの出資金集めをやってきたわけなんですが,今現在も上場はしておりません。一昨年の10月には,既に上場しましたよと偽って,くす玉を割ってパーティーまで開いて,それから2年近くたつのにそれでも上場していないという状況です。

サンラ・ワールド社がエリアス3D名義で集めた金,総額で幾らぐらいか。

   これは,私が調べた範囲では40億円そこそこです。一昨年のくす玉割りで追加で4億円ほど集めたという情報が入っております。

読売新聞なんかの取材でも,おおむねそのような額を書いていますか。

   そうですね,読売新聞の取材も大体私のデータと一致しております。

最後の投資案件,サンラコーヒー組合,これについては14年ぐらい前からお金を集めているんだけど,どういう状況にありますか。

   これも,募集総額というか彼らが集めた金額は40億そこそこなんですが,これは年間25パーセントの配当を事業収益で払うというような当初の募集の条件だったのですが,実際に25パーセントの配当が払われたというのは1回きりで,あとは配当は払わないどころか元金も返金しないと。これは不動産を売却してそのお金で返すというふうには言っておりますが,それはまだ今現在,実現しておりません。

そうすると,あしかけ10年の間に配当があったのはたった1回で,それ以降は配当はないと。

   そうです。

それは間違いないんですか。

   間違いありません。

投資家の人から確認しているわけですか。

   確認しております。

あなたはこのブログ,サイトを開設してから,相談者数というのは何人ぐらいありますか。

   おおむね百四,五十人ぐらいになりますね。

あなたのこのサイトを見て,サンラ・ワールド社に対して出資金の返金を求める運動,動きというのも出ていますよね。

   ええ,相談を受けたほとんどの方が返金を求める運動はされています。

現在までに返金を勝ち取った被害者の人たちというのは何人ぐらいか,あなたの知る限りで。

   訴訟外と訴訟を含めまして七,八十名程度です。

現在継続中の民事訴訟というのも,全国各地に起きていますね。

   起きています。

何件くらい起きていますか。

   これは私が把握している範囲で20件程度です。

あと,サンラ・ワールド社や江尻さんや増田さんを告発する動きというのも出ていますね。

   はい。刑事告訴のほうも既にされている方もいらっしゃいます。まだ受理されていないとは思いますが,10名近くの方が告訴状を警視庁のほうに提出されています。

検察庁にも上申を出していると。

   はい,検察庁,警察庁,その他もろもろ,関係官庁には上申書を出されています。

甲第1号証を示す

次に問題,本件に直接関係することについて聞きますけど,甲1号証を再度見てください。サイト自体を立ち上げたのは06年10月なんだけど,この問題とされている記事を執筆したのは08年5月ですよね。

   はい,そうですね。

5月18日。

   はい。

そうすると,サイトを立ち上げてから1年半ぐらいのうちに書かれているんですけど,今度はこの記事,ゴーストライターの記事自体を書こうと思った動機について話してください。

   当初は,増田さんらの商法の違法性を特に重点的に指摘したわけなんですが,それのかいがあってか,読売新聞を始め大手メディアが昨年の1月から5月にかけて大きくサンラ・ワールド社と増田さんの詐欺的な商法について報道したわけなんですが,ところが,それでも目の覚めない被害者も少なくなかったんですね。これは,非常にサンラ・ワールド社の商法は宗教性があるのではないかと判断しまして,その教祖役の増田さんのバイブル的存在になっている著書が根本的にはいんちきの元,つまり詐欺的商法の小道具に使われているものだということを暴くことが必要だと思ったわけです。

そういった動機からこの記事は書いたということですね。

   はい,そうです。

次にこの,便宜上ゴーストライターの記事と言いますけど,このゴーストライターの記事を書くに当たって,どんな取材活動をされたかという点についてお尋ねします。あなたの陳述書を読むと,まず桂木さんを含むサンラ出版の関係者,かなり事情を聞いていますよね。

   ええ,聞いています。

あと,サンラを取材していたジャーナリストである高山さんからも話を聞きました。

   はい,何いました。

間違いないですか。

   間違いありません。

そして,ゴーストライター本人として○○さんからも直接話を聞いている。

   はい。

間違いないですか。

   間違いありません。

これは執筆前に聞いているんですね。

   そうですね,一番初期の情報は桂木さんからだったんですが,それはもう2000年ごろです。その後,高山さんらからゴーストライターの話は聞きました。でも,最終的に裏付けを取っておく必要があると思いましたので,執筆する1週間ほど前に東京証券ビルの喫茶室ですね,そちらのほうでお会いしてお話をお伺いしました。

あなたの陳述書によると,それ以外に増田の先輩等からも事情を聞いて,そのうえで真実であると確信して本件記事,ゴーストライターの記事を書いたと,それでいいですか。

   間違いありません。今はまだ名前は明かせませんが,サンラ・ワールド社の社員だとか増田さんと親しい関係の人たちとか,そういう方々からもお話は伺っております。

乙第4号証の1及び2を示す

これは2008年1月24日の読売新聞の1面ですね。

   はい。

あるいは枝番の2でもいいんですけど,16億円を集めたとか,30億募集,上場頓挫と書いてありますね。

   はい。

このような報道がなされてからは,新たな情報提供者というのがあなたのところに情報を寄せてきたんじゃないですか。

   かなり増えましたね。私に直接,情報提供をしてくる人もいれば,新聞,テレビのほうに情報を提供する人もいました。

それは投資被害に遭った人,あるいはサンラの社員,サンラの元社員,広くそういう情報提供があったということですか。

   そうですね,あと,増田さんとその犯罪まがいの行為をしていたと自称する方もいらっしゃいました。

昔,共犯的な。

   昔の共犯的な立場にあった人ということです。

その不法な,あるいは不正な商法の告発以外に,本件に関連する,ゴーストライターに関連する情報提供というのもあったんですか。

   ございました。

何人ぐらい,何件くらいあったんですか。

   その中の1人がKさんでいらっしゃるわけで。

本日,証言された。

   そうですね。それ以外にも2名ほどお話はお伺いしました。

その人の名前というのは,今言えますか。

   今現在,まだサンラ・ワールド社が刑事事件としては摘発を受けておりませんので,不利益を被る恐れがあるということで,その方のお名前はまだ出せません。

将来,仮に摘発ということになったら,出すというつもり。

   それは御本人も堂々と出てこられると思います。

あなたは,増田さんの著作というか著書は実際に読んだことはあるんですか。

   はい,30冊全部隅から隅まで読んだわけではありませんが,ざっとは目を通しています。

その一部は私にも提供してくれました,貸し出してくれましたね。

   はい。

あと,増田さんの講演会での彼の発言等も聞いていますよね。

   ええ,聞いております。

じかに聞いたりビデオを見たり。

   ええ,まあ,ビデオのほうが多いんですが,じかにも何回か聞いております。

次に,あなたが本件記事で使っているゴーストライターという,その言葉の意味合いについて簡単に聞きますけど,あなたはどうつもりで用法として定義としてゴーストライターという言葉を使ったのか,簡潔に話してください。

   ゴーストライター,詳しく言うと定義が幅広いんですが,ただ,一番代表的な例で申し上げますと,口述筆記,つまり著者となる人が口頭でおおむねの話をします。それを録音を取って,そこから書き起こしをして。

他者が。

   ええ。それをライターがそこに肉付けをして,独自の調査をして得た取材のデータを足して,膨らませて構成を練って,記事全体をライターが書き上げる。それで仕上がったゲラ刷りを,最終的に著者となる人に見ていただいてオーケーをもらって,直すべきところは直して,そして本の形になると。これがゴーストライターの典型的な例ですね。

あるいは,今,口と言ったけど,口以外に,例えば大ざっぱなメモ書きだとかレジュメみたいなのを渡して他者に書いてもらうというのもゴーストライター。

   はい,それも同じ範ちゅうに入ります。

有名なところでは,福永法源が書いた著作,ゴーストライターによるものであるかどうかが争われて認められていますよね。

   はい,これは詐欺性を証明する一環として検察側が立証して,福永さん本人も裁判の中で認めましたね。

逆に言うと,ゴーストライターではない著作というのはどういうものか,あなたの認識を聞かせてください。

   私自身も著書は5冊書いておりますが,基本的に純粋に自分が書いたと言える本というのは,一から十まで,自分でやるということですね。ですから,まず企画から全体の構成,これも全部自分で組み立てます。そして,原稿も当然100パーセント自分が書きます。編集の手が入るといいますのは,最終的に書き上がった原稿を編集者に見ていただいて,意見は当然出てきます。この部分を直してください,こういうふうに書いたらどうですか,というような提案が出てきます。それで原稿を戻されまして,また直しも自分でやるわけです。それで,自分なりに推こうを5回,6回と重ねて自分で直して,それで最終的に入稿してゲラが上がってくれば,そのゲラもチェックをする。そして,それが最終段階になってようやく本ができるという。だからもう,すべてに関して自分の手が入っているものが,本人の著書だということが言えると思います。

この裁判では,増田さんのほうから陳述書が出ていたり,あるいはゲラの写しが出ていますよね。それを見て,あなたはどのように思いますか。

   あれはゴーストライターの証拠だと私は認識します。

正にそれがゴーストライター。

   そうです,正にゴーストライターです。

ゴーストライターである証拠を自ら出してきたというのが,あなたの認識。

   はい,そうです。

次に,時間が余りないので個別の取材先について簡潔にお尋ねしますけど,まず桂木さんですけど,先ほどあなたは2000年ころ桂木さんから,増田自身が執筆した本は自分が知る限り1冊もないというふうに聞いていたと,それは間違いないんですか。

   間違いありません。反復して何度も聞いております。

桂木さんのほうは逆に,あなたのほうからこう言われたと。すなわち,どうせ増田のほうはゴーストライターが書いているんでしょうと,そういうふうにあなたは桂木さんに言ったんですか。

   ええ,聞く前から私はそういう認識を持っておりましたから。といいますのも,サンラ出版という会社は,当時の「資本の意志」という雑誌なんですが,それを出版するために興した会社でした。そこのサンラ出版からの単行本を3冊ほど出していまして,そのサンラ出版の出した「資本の意志」という雑誌は,これは一目見て詐欺会社の小道具と思われるようなもので,つまり出資金を集めるために読者をだますような趣向のものでして,それと同様に単行本というのは,そういう詐欺的な商法を営む会社の小道具に使われるケースとしては典型的なパターンとして存在しますので,そういうものは本人がまじめに自分で書いたものというのはほとんどなく,大概は集めたお金で資金力に物を言わせてゴーストライターに書かせて出すというのが,もう当たり前のように行われていることですので,どうせそうだと私は桂木さんから聞く前から認識しておりました。

桂木さんの話というのは,当時から現在に至るまで一貫している。

   はい,一貫しております。

乙第16号証を示す

次に,高山さんのお話を聞きますけど,16ページあたりに高山さんのことが書いてありますね。

   はい。

1箇所,この16ページの(2)の末行,「増田氏は」と書いてある,これは誤記ですね。

   はい,誤記です。

「高山氏は」その人物を取材したことがあったと。

   はい。

そうすると,本件ゴーストライターの記事を書く大分前に高山さんからゴーストライターの件を聞いているんだけれども,もうちょっと具体的に,どういう流れで聞くに至ったのか話ししていただけますか。

   まあ,取りあえず高山さんのほうが,サンラ・ワールドに興味を持たれて取材をされていたので私にコンタクトを取ってこられたと。そのときに,いかにもばかげた商法なんですよ。これはだまされている人には,当然気がつかないのかも分かりませんが,我々第三者から見ると非常にこっけいで,こんな商法にだまされるほうがおかしいなという話はお互いにしていたわけなんですが,その中でやっぱりかなめとなっているのが増田さんの著書だということになったわけですよね。結局,著書でだまされている人が少なくないと。でも,その著書はゴーストライターという話は私も桂木さんから聞いておりましたし,ほかからもうわさは聞いておりました。その点について高山さんは,具体的にどこのだれがゴーストライターで,それとまたお会いして話も聞いたことがあるよということを,2005年ごろにおっしゃっておりまして。

どこのだれとおっしゃったけど,もうちょっと具体的に。

   その当時が○○さんとおっしゃる方。

先ほどから出ている○○さん。

   はい,そうですね。あと,●●●●さんですね。

そういった具体的な名前を,あなたは2005年ころから聞いて知っていたと。

   はい,知っておりました。

次に,サンラ・ワールド社の元社員のKさんについて聞きますけど,本件記事執筆に当たって,Kさんからもいろんなことを聞きましたよね。

   はい,お伺いしました。

聞くに至った経緯,聞いた時の状況,聞いたときの話の内容,概要をちょっと話してください。

   もともとテレビ局の紹介でお会いしたわけなんですが,新宿の京王プラザの喫茶室のほうでお会いしまして。

あなたとKさんと。

   テレビ局の記者,3人でお話ししました。これはまあ,その時点で私もサンラ・ワールド社のことについてはかなり詳しく把握はしておりましたけども,Kさんは個人的にも江尻眞理子さんと古くからの知り合いということで,プライベートの面もかなり御存じでした。例えば,増田俊男氏が無一文に近い状態で帰ってきただとか,そういうプライベートな部分の情報も結構頂きまして,そういうプライベートな話の中で増田さんの著書の話にも触れまして,結局,ゴーストライターがちょくちょく事務所のほうに来ていて,要するに本人が書いていないことは,もうみんなも知っているというようなことはお伺いしました。

Kさんのそのような話は,あなただけじゃなくてテレビ局の記者も聞いて記録してあるということですね。

   はい,聞いています。

あと,次に○○さんについてお尋ねします。あなたの陳述書のうちの16ページ以下に,○○さんからも直接話を聞いたと書いてあるんですね。これは本件ゴーストライターの記事を書く前に会っているんですね。

   ええ,書く1週間ほど前にお会いしております。

最後の裏付け取材という位置づけですね。

   はい,そのとおりです。

すなわち,桂木さんとか高山さんとか,その他いろんな情報提供があったけど,最後の裏付けとしてゴーストライター本人からも裏付けをしようということだったわけですか。

   そうですね。まだそれよりも新しい●●●●さん,その方がほとんど書いたというような情報はつかんでおりましたけども,残念ながら高山さんらにお願いしましても本人とのコンタクトが取れませんでしたので。これは私だけではなく,某新聞社の記者もエディックスのほうに連絡を取って会おうと試みたんですが,残念ながら直接は取材が不可ということで,ですから取材の可能な範囲で○○さんにお願いしたわけです。

○○さんはどんな話をしてくれたのか,概要を話してください。

   サンラ・ワールド社が,国本館という社名で増田さんの自費出版本を出すための会社として旗揚げされたのが96年,そのぐらいの時代の話ですね。だから,詐欺関係者が集まる集会でたまたま増田さんと知り合い,そういうライターというかマスコミ関係の仕事をやっているという話が出ると,向こうのほうから自分を売り出すために力を貸してくれないかと。国際的な銀行家であるから金は大金を持っていると,幾らでも動かすことができる,だから,力を貸してくれれば自分は世に出ることができるということで,そのための一つの手段として本を出したい。そのためには,原稿をまず書いてもらいたいということで,ゴーストライティングの話を持ちかけられたということを伺っております。

100万円の報酬で1冊分の原稿を書いてほしいと。

   そうですね,100万円です。

その後,増田さんのゴーストライター,ほかにこういう人がいるという話も聞いていますね。

   ええ,○○さんからお伺いしましたのは△△△△さんと。

そういった人が増田さんの著作のゴーストライティングをしているということですか。

   はい,そうです。

そういう話を聞いたと。

   ええ,それは結局,△△さん,●●さんは具体的に順番があるとか区別しているとかという以前に,同じプロダクションということです。エディックスという編集プロダクション。つまり,エディックスが下請けで依頼を受けて執筆をするということらしいですね。

エディックスというプロダクションがある。

   そうです,エディックスというプロダクションがあります。

要するに,業としてゴーストライターの会社。

   はい,ゴーストライターの会社です。

ゴーストライターの会社というとすごく否定的に聞こえるんだけど,必ずしもそういう意味ではないですね。

   ええ,名称がゴーストライターというのはマイナスのイメージがありますが,ゴーストライティングそのものは,そんな別にマイナスな問
題でもありませんし。

他人名義の著書を編集とか取材とか文章を起案したりとか,そういうことを業とする会社がエディックス社であると。

   そうですね,要するに総合的に言いますと活字を扱う商売と。

この裁判で,直接そのゴーストライティングをしたという○○さんだとか●●さんだとか△△さんだとか,そういった人からの証言というのは得られないんでしょうか。

   これは,残念ながら私が直接は会えなかったわけですけども,打診していただいた方によりますと,やはり契約がありまして,証言は今のところ難しいということらしいんですね。

現時点においては難しい。

   はい,現時点では難しいということです。

将来,刑事的な問題になったら証言してくれるかもしれない。

   その契約の問題と,もう一つひっかかりがあるのが,要は詐欺的な商法の助長をしたということを自覚されているライターもいるんですよね。ですから,恥ずかしくて外に出られないという方もいらっしゃいます。

あなた自身は著書を5冊ほど出しておられるのは間違いないですか。

   間違いありません。

あなたの著書は,あなた自身が書いたものですか。

   はい,私自身が書いています。

そういった場合の印税というのは,割合はどのぐらいなんですか。

   すべて10パーセントです。

増田さんはこの裁判で,甲8号証としてPHP出版との間の契約書のコピーを出していますね。

   はい。

その契約書を見ると,印税7パーセントというふうに書いてあるんだけど,10パーセントではない根拠として,こういうことが推察されるという点があれば述べてください。

   本人が書いていれば間違いなく10パーセントです。ゴーストライターが入った場合,これはお互いの交渉の中で決まることなんですが,4分6か7,3が大体一般的なんですね。ですから,7パーセントだということは,著者とされた増田さんが7パーセント,ゴーストライターが3パーセント,そういう取り分での契約だと思います。

この印税が10パーセントというのは,それはもう慣行としてかなり確立しているものなんですか。

   そうですね,ほとんどはそうです。だから,ごくごくまれに10パーセントを超える印税もあります。例えば12パーセント,13パーセント。それはどういう人かというと,特別に売れっ子の作家で,その人の名前で出したら本がいっぱい売れるという場合には多く出す場合もあります。まあ,増田さんは御自身の陳述書の中で,自分は大物だと自称されているわけですから,本当に大物であれば10パーセントを下回るというのはあり得ない話です。

あと,甲8号証の契約書には,契約当事者としてゴーストライターの名前が書いていないんですけど,そういったことというのはあるんですか。

   これは入れる場合と入れない場合とあるんです。

何を入れる場合と。

   要するに名前を。

出版契約書にゴーストライターを入れる場合と入れない場合があると。

   ええ。これは契約書のフォームは会社によってまちまちですから,出版社によってはゴーストライターと著者と別の契約書で作る場合もあります。また,社によっては合わせて甲,乙,丙という形で3人まとめての場合もあります。だから,PHP社の契約書しか今は出ておりませんから,ほかは何とも言えませんが,ひょっとするとよその契約書は3者連名になっていたのではないかと私は推察いたします。

そういう意味で,あなたは陳述書に,増田さんに対して出版契約書のすべてを出してほしいというふうにおっしゃっているわけですね。

   はい,そうです。

あと,最後の質問ですけど,今日,増田さんは出廷予定だったんだけれども,期日の1週間前にシンガポールで講演会がといって,今日,出廷しなかったんだけど,それについてどう思いますか。

   それは明らかな虚偽だと私は思います。

なぜ虚偽だと思うんですか。

   増田さんが出廷できない旨,弁護士のほうから上申書が出されたのが17日です。同じ日付の17日,増田さんは一部の出資者を相手にメールを送っているんです。そのメールの内容を確認しますと,同じ17日に出したその内容は,今月の22日から月末までトロントに行くと書いてあるんです。だから,シンガポールとは書いておりません。

カナダのトロントに今月いっぱい自分はいると。

   はい,エリアス3Dの上場の関係で22日から月末までトロントに行くと書いてありました。

最後に,これだけは言い漏らした,言いたいという点があれば述べて質問を終わりにしたいと思います。

   私は取りあえずこの記事,昨年5月18日付けの記事について,これは明らかに増田さんの著書はゴーストライターが書いたものと確信いたしております。その書いた目的というのは,先ほども申し上げましたとおり,詐欺的商法の被害を防ぐためという目的で書きました。もしこれが,事実に反して否定されるようなことになってしまいますと,また詐欺的商法を助長する懸念もございますので,そのへん適正な審理をいただけたらと思いますので,ひとつよろしくお願いいたします。

原告代理人(金澤)

あなたによれば,本件記事は真実だということですね。

   はい。

本件記事には,増田氏がこれまでに出版した約30冊の著書は,すべてゴーストライターが執筆したと書いてありますね。

   はい。

乙第16号証を示す

増田氏の著作というのは,例えばこの被告の陳述書(1)の資料6に著書として列挙されたものですね。

   はい。

増田氏は,ゴーストライターに対し執筆の注文時に漠然としたテーマを与えるだけで,あとはすべて一任してしまうということですね。

   そうですね。

そして増田氏は,ゴーストライターが書き上げた原稿を斜めに読むだけで,リライトの指示もしないということですね。

   まあ,そのリライトの範ちゅうがどこまで入るかですが,余りしていないと私は聞いております。

あなたは本件記事の執筆時に,増田氏に対談形式の共著があるということを知っていましたね。

   ええ,知っています。

例えば,経営コンサルタントの船井幸雄氏との「日本はどこまで喰われ続けるのか・個人資産倍増のヒント」という本や,渡部昇一氏と船井氏との「日本はこれから良くなる・アメリカが逆立ちしても日本に勝てない理由」というのが,その共著の一つですね。

   はい,そうです。

対談形式の共著は,出版社や編集プロダクションなどが用意したライターが対談の録音を書き起こすというのが常識とのことですね。

   はい,そうです。

対談形式の共著の場合,テープ起こしした原稿は,対談の当事者に渡されて校正もされるというのが普通ですね。

   ええ,もちろん,著者には目を通していただくことになりますね。

つまり,増田氏の対談形式の共著も,そのように対談の録音を基にライターが作成したというものですね。

   はい,そうですね,恐らく。

増田氏のほかの単独の著作も,増田氏がテープに口述して録音し,ライターが録音を書き起こして増田氏との間で校正を繰り返して作成されたとは考えませんか。

   いや,それは陳述書にそう書いてありますよね。それもゴーストライターの範ちゅうに入ります。

このようなライターが口述の録音から書き起こすという,その後,本人とやり取りをして作るというのは,ゴーストライティングではないのではないですか。

   いや,それはゴーストライティングでしょう。業界の常識はそうですし,一般の人もそう認識していると思います。

増田氏は,講演会の録音カセットや録画ビデオの販売もしていますね。

   していますね。

乙第17号証を示す

例えば被告の陳述書(2)の資料1に掲載されているものですね。

   はい。

内容は,例えばこのカセットの下の段の真ん中にある「円高・株高の演出は誰だ!?」というタイトルからして,経済や株に関する講演会だということが分かりますね。

   はい,分かりますね。

増田氏は,1999年からラジオ盛岡という放送局で「増田俊男の本日の目から鱗」という番組に出演していましたね。

   ええ,それは知っていますね。

増田氏は,当時から「時事直言」というエッセー風の文章を知人や関係者にファクス送信していましたね。

   はい,それは存じています。

「時事直言」で,例えばアメリカの政治経済の状況などに関する記事が掲載されていたことは知っていますか。

   ああ,そういう記事もありましたね。

増田氏は「資本の意志」ないしは,その解明した「力の意志」という雑誌を出版していましたね。

   ええ,出版されていましたね。

「資本の意志」では,内外の著名人と増田氏の対談が目玉として掲載されていますね。

   大概ツーショットの写真が表紙を飾っていましたからね。

「資本の意志」の中には,増田氏が執筆した記事も掲載されていますね。

   増田氏の名前になっていましたが,それは誰が書いたか私は把握はできていません。

あなたが増田氏の著作はゴーストライターが書いたものだと初めて知ったのは,桂木三郎氏から聞いたものが初めてですね。

   そうです。

しかし,桂木氏は,あなたとのやり取りで自分から進んで話したのではないというふうに証言しましたね。

   まあ,反復して話していますので,そのへんの記憶違いは多少あるかも分かりませんが,私は私で最初からどうせゴーストライターだろう
と,漠然とした疑惑は持っておりましたし,陳述書にあるような表現になってもおかしくはないと思います。

桂木氏は,サンラ・ワールド社の社員や役員ではありませんね。

   社員や役員ではありませんが,相談役のような役割はされていたそうです。

桂木氏はサンラ出版社の役員ですか。

   いいえ,違いますね。

桂木氏は,陳述書によると,H氏やサンラ出版の社員から増田氏の著作がゴーストライターによるものだと聞いたと言ったのですね。

   はい。

また,あなたが直接接触して話をしたゴーストライターとは,○○氏のことですね。

   はい,○○さんですね。

本件記事で引用している「アルバイト感覚で片手間に書いた即席の本が,あんなに売れて,増田さんのフアンが増えるとは思いもしませんでした。ろくに取材もしないで,適当に書いたトンデモ話のほうが,真剣に書いた本よりもウケるとはね--。滑稽をとおり越して,ある意味,ショックです」と書かれているのは,○○氏の発言ですか。

   まあ,○○さんと○○さんらの仲間内で,そういう話は常に出ているということです。

○○さんから聞いたことですか。

   そうですね。

○○さんが増田氏のライターを務めていたのは,1995年ころのことですね。

   95年か6年にぐらいにかけてのころでしょう。

○○氏が執筆にかかわった書籍は1冊だけですね。

   そうですね,1冊だけです。

○○氏がかかわった書籍は,最終的に発売されていませんね。

   ええ,それは私も把握できていません。出たか出ていないかは把握できておりません。

あなたは本件記事で,若き日の増田氏を知る者の発言として「増田君に女の話をさせたら,それは天下一品でした」と記載していますね。

   ええ,記載しております。

また,本件記事で,ほかの旧知の友人の発言として「俺の知っている増田俊男は,ただのケチな○○師だよ」と記載していますが,○○師というのは,あなたのこれまでの発言からすると詐欺師という意味ですか。

   私が聞いたのは,そのように聞いております。

本件記事を素直に読んだ人は,増田氏が女性好きで詐欺師だというふうに思いますね。

   まあ,私が聞いたのは二つともそのとおりです。女性好きだとは聞きました。

あなたが本件記事を執筆した理由は,増田氏を信頼している読者にその認識を改めさせるということですね。

   いや,結局,一般読者の問題ではないんですね。結局,その本が詐欺的な小道具に使われているということを私は非常に重視しておりました。だから,読売新聞等で報道があった後に目が覚める人がちゃんといれば,ゴーストライターまであえて触れる気はありませんでした。

本件記事を見て,増田氏への信頼というものを改めた読者も実際にいましたか。

   まあ,ゴーストライターそのものだけで目が覚めた人は,残念ながら余りいませんでしたね。それよりも,実質的に投資でだまされたと思って気がついた人のほうが多かったです。

裁判官(原)

ゴーストライターとされる方に会ったのは,○○さんだけということですか。

   はい,残念ながら本人には○○さんだけです。

話をしたのも○○さんだけということでよろしいですか。

   はい。

その○○さんが書いたとされる本が1冊だと。

   はい。

それが出版されたかは,○○さんには確認しなかったんですか。

   執筆はちゃんとしたわけですが,出版されたかどうかというのは,縁が切れたのでその後のことは分からないと○○さんもおっしゃっていました。つまり,縁が切れた後にその原稿だけは残してもらえたわけです。ですから,その原稿を増田さんがどうされたかというのは○○さんにも分からないそうです。

その本の名前とかも分からないんですか。

   ええ,タイトルは決まっていなかったそうです。

どういう内容だったかというのは。

   内容は,増田さんが橋本政権を倒して自分が総理大臣になるという,そういう筋書きの話だったそうです。

今あなたが認識している中で,増田さんの著書の中にそういう筋書きの本というのはあるんですか。

   いや,全く同じものは,今市販されているものの中にはありませんね。ですから,書店コードを取って書店に流れている中には私の認識では,ないと思います。

それから,別のことを確認しますけれども,甲1号証から甲3号証が本件で問題になっているブログですけれども,いずれも2008年5月18日付け
の記事というふうになっているというふうに認識しておりますけれども,実際にこれを掲示板,このブログに掲載したのはこの日ということでよろしいんでしょうか。

   ええ,たしか,大体前日の夜から日付が変わったということはありますけど,大体24時間以内に書いたものをアップしておりますので。

では,そうすると,ここに掲載した日というのは5月18日前後ということでよろしいですか。

   はい,間違いありません。

現在,この甲1号証から甲3号証の記事というのは,どのような状態になっていますか。

   現在,二つのブログはまだ生きておりますが,一つはサンラ・ワールド社側からの削除依頼が来まして,ブログそのものが閉鎖させられております。

では,甲1号証から3号証まであるんですけれども,ブログ自体を閉鎖したのはどれに当たりますか。

   増田俊男サンラ・ワールド投資被害対策室というものですね。

甲第1号証ないし甲第3号証を示す

どれに当たりますか。

   甲1号証です。

甲1号証はブログ自体を閉鎖。

   閉鎖させられました。

では,記事自体ということで聞きますけれども,まず,ブログの閉鎖の前にこの甲1号証から3号証で挙げられている記事を削除したというのはあるんでしょうか。

   いや,それはありません。

そうすると,記事自体は甲2号証と甲3号証は現在も残っているということでよろしいですか。

   はい,残っております。

甲1号証のブログ自体を閉鎖したというのはいつですか。

   今年の4月か5月かぐらいでしたか。

平成21年の4月から5月ころということでよろしいですか。

   はい。

あなたが運営されているのは,この三つのブログということなんでしょうか。

   はい。

このブログの三つを合計して,1日大体どのくらいのアクセスがあったかというのは分かりますか。

   多いものと少ないものがありまして,全部合わせて平日は1000近くいくこともありますが,日曜,祭日だと半減します。500ぐらいになります。

それは三つのブログ合計でということでよろしいですか。

   合計です。偏っておりましたので,一番アクセス数の多かったものが閉鎖させられてしまいましたので。

この甲1号証が一番多かったんですね。

   そうです,ほとんどそこに集中しておりました。

具体的にはどのくらい,平日と土曜,祝日ですか,休日も合わせて。

   閉鎖した当時は,平日は700から800ぐらいが平均でしたね。

土曜,祝日は,先ほどおっしゃったことを考えると半分ぐらいですか。

   はい,半分です。

裁判官(小池)

ゴーストライターによる著作というか本というと,出版業のほうに余り詳しくない普通の人だと,著者とされる人が大まかなテーマぐらいは示すかもしれないけれども,ほとんどお任せで,先ほどの高山さんの証言だと丸投げというようなことをおっしゃっていたけれども,そういうふうな形で書かれるものを普通ゴーストライターによる著作というふうに,一般の人は思うんじゃないかなとも思うんですが,あなたにはそういう認識はないですか。

   いや,私は全然そういう認識はありません。だから,テープを吹き込んで,それが3時間を四,五回,それで自分の著書とは私は言えないと思いますから。自分で書くからよく分かるんですが,実際に1冊書こうと思いましたら,三,四か月かかりっきりで執筆から推蔽,最後のゲラ刷りのチェックまで相当な労力がかかるんですよ。それを十数時間で終わらせてしまって,これが自分の著書と言えるものかどうかというのは,これは言うほうが私はかなり厚かましいんではないかと思うんです。

あなたは先ほど主尋問でお答えになった,ああいうものがゴーストライターによるもの,あるいはゴーストライティングの定義というか意味だと考えているということですね。

   ですから,出版に知識のない一般の方までは私は分かりませんが,出版業界では間違いなくこれはゴーストライターです。

原告代理人(木村)

先ほど,ブログが閉鎖されたというふうに聞きましたが,閉鎖されたことによって,今までアクセスしたのが甲2号証や甲3号証の別のブログにアクセスが回ったということはないですか。

   それは移行しているのもありますね。

大体1000ぐらいあると聞いていいですか。

   まあ,今は平均したら1000は下回っていますね。単純に全部がそっくりそのまま移行したわけではなく,そのまま迷子になった人もいるようですから。

以  上

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コメント

津田様、お疲れ様です。


証言4報のご報告お疲れ様です。

裁判所からはコピーと思いますが、それを全部タイピングされた労力に深謝します。

提訴中・告訴中の皆様、コピーされ代理弁護士にお渡し下さい。

投稿: ヒロシ | 2009/08/24 01:54

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