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2010/09/23

増田俊男氏が投資家に無断で譲渡した「Arius3D社」4000万株の行方 〔サンラ・ワールド事件〕

20100919

当ブログ管理者の津田哲也が19日、増田俊男氏へファクシミリで送った質問に対し、22日に『サンラ・ワールド社』の関係者を通じて回答があった。

津田は、『フロンティアワン・カンパニー社』(Frontier One Company Ltd. )が所有していた『アリウス3D社』(Arius3D Corp.)の株式のうち、約200万株が他者へ移譲された理由について説明を求めていた。それに対する増田氏の回答は、「2月と8月にインサイダー規制が解除になった計10%の株は、日本の投資家に名義を変更する手続きのためにエスクローされる。(フロンティアワン・カンパニー社の)持ち株が減ったのは、そのためです」というものだった。

エスクロー(第三者預託)したことが事実なら、かならず証書が発行されているはずだ。そこで、証拠となる資料の提示を増田氏側に求めたが、その回答は、現時点では返ってきていない。預託機関の名称すら不明だ。しかも、日本の投資家へ名義が変更されるのは、来年の2月24日以降になるという。

つまり、エスクローの証拠が提示されなければ、5ヵ月先になるまで事実の確認ができないわけだ。それでは〝推定ウソ〟とみなされても仕方がない。なにせ、アリウス3D社株への投資をめぐって、投資家は過去10年ものあいだ増田氏らに欺かれつづけてきたのだ。

アリウス3D社への投資は、増田氏とサンラ・ワールド社が'00年から「近く上場する。投資した資金が何十倍にもなる」などと宣伝し、日本の投資家から約50億円もの資金を集めた「サンラ商法」の目玉商品だった。

Photoその投資は、ファンドの仕組みで行われていた。

増田氏とサンラ・ワールド社が、日本でアリウス3D社への投資を募集する。両者から勧誘を受けた投資家は、増田氏とサンラ・ワールド社社長の江尻眞理子氏がハワイに所有する『フロンティアワンLLC』(Frontier One LLC )の口座に資金を送る。アリウス3D社の株は、フロンティアワンLLCの名義で保有され、投資家に渡されるのは、出資金額に応じた同組合の〈株式保有証明書〉だ。

ようするに日本の投資家の地位は、アリウス3D社の「株主」ではなく、増田氏と眞理子氏が組成・運営したファンドの「出資者」ということになる。

「もうすぐ上場します」、「上場が、ほぼ確実になりました」などと、うたいつづけること10年。気が遠くなりそうなほど、それはそれは長い長い〝そば屋の出前〟だった。

ただ長かっただけではない。実在しない証券取引市場を上場先として挙げてみたり、ゲイのトレーダーを「ニューヨーク証券取引所のフロアーマネージャー」と偽ったり、というイカサマ宣伝も連発した。

そのため、「IPO詐欺」を疑う声もあがったファンドだったが、アリウス3D社は今年2月、上場会社と合併する変則技でトロント・ベンチャー証券取引所に上場を果たす。それは、警視庁が金融商品取引法違反の疑いで、サンラ・ワールド社に対して強制捜査に入ったのと、ほぼ同時のことだった。

奇跡的な〈マスダ・マジック〉で、「IPO詐欺」の疑いを晴らし、ピンチを切り抜けたか。と思いきや、アリウス3D社が株式公開したことで、もっと詐欺的な不正行為が発覚してしまった。

合併が承認された時点で、フロンティアワンLLCが所有していたアリウス3D社株は、すべてが人手に渡っていたのだ。

全株が移譲されていた先は、フロンティアワン・カンパニー社。ジョセフ・ウェクター氏という米国人が一人役員で一人株主の、ケイマン諸島に登記されたペーパー・カンパニーだ。「フロンティアワン」の社名がつけられ、まぎらわしいが、増田氏と眞理子氏のフロンティアワンLLCとは無関係の別法人である。

この事実は重大な問題だ。前述したように、日本の投資家はフロンティアワンLLCの出資者であって、アリウス3D社の株主ではない。アリウス3D社の株主名簿から、フロンティアワンLLCの名が消えたということは、すなわち日本の出資者の持分も「ゼロ」になったということだ。

フロンティアワンLLCからフロンティアワン・カンパニー社へ名義が書き換えられた時期は、2008年とみられている。そうだとすると、増田氏らは2年ほどのあいだ、日本の投資家を騙しつづけてきたことになる。

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上の画像は、投資家から損害賠償などを求められた訴訟のなかで、サンラ・ワールド社側が裁判所に提出していた証拠と、その〈証拠説明書〉だ。アリウス3D社(合併前の商号:Arius3D,Inc.)の重役から、当時のサンラ・ワールド社側の代理人だった佐藤博史弁護士が受け取った文書と、その和訳文に添えられていたのが「株主名簿のようなもの」だった。この証拠を提出した立証の趣旨は、〈証拠説明書〉に記載されているとおり、「原告がアリウス3D社の株主として登録されていること」だ。

しかし、佐藤弁護士らによる和訳文には「フロンティアワンLLCを通じた株主名簿」と翻訳されているが、原文には“Arius3D Inc received a list of participants in Frontier One LLC as of May 12,2008”と書かれている。これは、「アリウス3D社は、2008年5月12日現在のフロンティアワンLLCの参加者リストを受け取りました」と訳すのが正しく、証拠提出されたものが〈株主名簿〉ではなかったことがわかる。

「株主」は米語で“stockholder”英語では“shareholder”であり、アリウス3D社の重役が書いたのは“participants”(参加者)だ。

この恣意的で、インチキくさい証拠のゆがめ方ひとつをみても、日本の投資家がアリウス3D社の株主ではなかったことを隠蔽しようとする意図がうかがえる。

さらにサンラ・ワールド社は、警視庁から捜索を受けた8日後の2月11日、アリウス3D社の株主だと思い込まされていた日本の投資家へ、増田氏の記念写真入りの文書を送った。そこには「Frontier One LLCから投資家各位への株式名義変更について」という小見出しをつけて、「2月15日(現地時間)よりArius3D Corporationの法務担当弁護士とFrontier One LLCは株主名簿変更作業開始」と書かれている。

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いうまでもなく、これも大ウソ。存在もしないフロンティアワンLLC名義の株を、投資家へ名義変更できるわけがない。警察の捜査のメスが入ってからも、まだ投資家を欺きつづけようとしていたのである。

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   Charting for Arius3D Corp.

アリウス3D社の上場(合併)後の株価は、0.11ドルから0.22ドルのあいだを推移している。何倍、何十倍になることに期待して、1株あたり1ドルから2ドルを払った日本の投資家は、値の低さにショックを受けたに違いない。だが、たとえ10分1になっても、売れればいくらかにはなるだけ恵まれている。現状では、日本の投資家には、売却できる株は1株もないのだ。

June_16_2010 September_14_2010

フロンティアワン・カンパニー社が、201万8617株のアリウス3D社株をどこかへ移譲したことは、SEDARに公示された情報からも明らかだ。これが増田氏のいうように、日本の投資家へ名義変更するための準備ならよい。しかし、エスクローの証拠が提示されなかった場合は、投資家の手元に残るのは増田氏と眞理子氏が発行した〈株式保有証明書〉のみ、ということにもなりかねない。

あいかわらず逃げ隠れをつづける増田氏から、エスクローの証拠となりうる資料が届くことがあれば、あらためてアリウス3D社株の行方について報告する。

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コメント

今回の津田さんの記事を読んで、投資家の方達はどのように思われたのでしょうか。

意味が分からない方がきっと多いのだと思います。

大半の方は、分からないのではないでしょうか。

自分が信じ、尊敬し、崇拝する先生に10年間も騙され続けてきたとは思いたくないのだと推測致します。

増田氏も佐藤弁護士も、投資家の方をあなた達は株主だと断言してきました。

投資家の方達も、それを信じて疑わなかったことと思います。

確かに、強制捜査後に変則的な手法で形だけは上場しました。

しかしそれは、私には詭弁としか思えませんでした。

投資家の方達が10年間夢に描いていたことは、自分は株主であり、いつでも自由に高値で売却できるということであったと思います。

しかし結果はどうでしょう。

売却すらできませんし、株主ではなかったという事実です。

しかも、名前だけはフロンティアワンと言いながら、別のフロンティアワンにいつのまにか説明もなく移し替えられていた。

増田氏は、今までの経緯を投資家や投資被害者の方に説明してきましたか。

いつも、その場限りの言い訳で逃げてきたではないですか。

これは、騙しではないでしょうか。

しかし長年それを許してきたのは、投資家の皆さんなのです。


そして最近の警察、検察の失態を聴くたびに、この国の治安、将来が危ういように思えます。本当に憂慮にたえません。


投稿: 元社員 | 2010/09/24 22:56

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