« 弁護士費用を返さなかった元弁護士会長に業務停止5ヵ月 〔和歌山弁護士会〕 | トップページ | 増田俊男氏「悪質ファンド」投資先の外国株「二重売り」で資金稼ぎか 〔Arius3D〕 »

2010/11/27

増田俊男氏を育てた女社長の虚業の果て 〔サンラ・ワールド事件〕

警視庁生活経済課が金商法(金融商品取引法)違反の疑いで捜査中の『サンラ・ワールド社』が、先月末に「悪質ファンド」募集・運用の窓口だった<サービスセンター>を閉鎖したが、その事務所があった東京都豊島区内のマンション<コアふくみ高松>が処分されていたことがわかった。地下1階、地上3階建てのこのマンションの所有権は、今月5日に都内の建築設計事務所に移転されている。

<サービスセンター>は、サンラ・ワールド社の一部門。その事務所に使われていたのが<コアふくみ高松>地階のワンフロアだった。このマンションにはサンラ・ワールド社のほかに、同社のグループ会社も入居していた。1階で営業していたのが「サンラ社」(旧・日産電話)。サンラ社は、サンラ・ワールド社社長の江尻眞理子氏の亡母が'57年(昭和32年)に設立した電話会社で、半世紀あまりの社歴を持つ江尻家の家業だ。そして2階には、昨年7月に家賃の滞納で「帝国ホテル」から退去させられた『増田俊男事務所』が入居していた。

さらに<コアふくみ高松>の3階には、眞理子氏と増田俊男氏の自宅があった。そもそも、このマンションは先代の遺産として眞理子氏と、その実弟の江尻徳照氏が相続した共有財産だった。江尻姉弟の生家でもあり、ふたりが通った小学校の真向かいに立地する。その中庭には、眞理子氏の生誕を記念して植えられたという樹齢60年のイチョウの樹があった。

それだけに<コアふくみ高松>の処分は、単に「悪質ファンド」の事務所が移転したというだけではなく、江尻家の没落を意味する重要な出来事だったわけだ。

Ti006b経済的に恵まれた家庭に生まれ育った眞理子氏が、破滅へと向かうきっかけとなったは、増田氏との出会いだった。ふたりが知り合ったのは'95年頃。その翌年に眞理子氏は、増田氏の著書を自費出版し、自主講演を企画する会社として『国本館』を設立する。この会社を、のちに社名をサンラ・ワールド社と改め、一気に自滅の道を歩みだす。アメリカン・ドリームに敗れて帰国していた無名の増田氏をプロデュースして、「時事評論家」などの肩書きを名乗らせた“カリスマ役”に仕立て上げた眞理子氏は、カルトな"増田ファン"を集めた投資クラブ(のちのサンラ・インベストメントクラブ)を主宰する。そして、その会員を対象に、'99年頃から投資の勧誘をはじめた。その投資先とされた案件は、自社グループ系では、増田氏と組んで立ち上げたパラオのゴルフ場や銀行、ハワイのコーヒー園など。それ以外では、アメリカやカナダの未公開会社への投資ファンドといった、いかにもリスキーな怪しいものばかりだった。

それでも、増田氏がぶち上げた国粋主義的な愛国の説法に心酔したカルトなファンたちは、ほとんど盲目的に大金を差し出した。「サンラ・ワールド社を近く上場させる」とうたった非現実的な投資話でも、十数億円を集めたこともある。

おもしろいうように巨額の資金が集まり、増田氏の熱狂的なファンや信者は、投資のインチキを疑うことさえ知らない。2000年代の前半は、眞理子氏が「成功」を確信したであろう<サンラ商法>の絶頂期だった。

数千万円もするダイヤの指輪など、ゴージャスなジュエリーで身を飾り、増田氏を引き連れて年がら年中、ファーストクラスで世界を漫遊。超一流ホテルのスイートルームに宿泊し、水のように高級ワインの<ヴーヴクリコ>を飲む。たまに日本へ帰れば、<コアふくみ高松>の駐車場に並べた高級外車で、運転手が成田空港までお出迎え。夫婦の誕生日と結婚記念日には、数百万円をかけて盛大なパーティを催した。

眞理子氏ら、江尻家の浪費はとどまることを知らなかったが、そんな虚飾に満ちた贅沢三昧の生活が、いつまでもつづくわけがなかった。悪質商法の末路は「破綻」と相場が決まっている。

総額で200億円以上を集めたとみられる<サンラ商法>の資金源は、'07年9月に施行された金商法によって絶たれることになる。その年、サンラ・ワールド社はサンラ・インベストメントクラブ>を解散。“もぐり営業”のファンドの募集も、同年10月のArius3D社のワラント行使で集めた約4億円が最後となった。

追加の募集を停止すれば、日本の投資家から集めた資金を回転させる“自転車操業”で成り立っていた投資案件は、たちまち破綻する。配当金や利息の支払いはおろか、投資や預金の元本の返還もできず、被害者から多数の民事訴訟を起こされる。<サンラ商法>の終焉も、そんな悪質商法にありがちな破滅のパターンだった。

被害者から集めた巨額の資金を浪費しきったあげく、ついには親が遺した財産までも失うことになった眞理子氏には、いまでは日本に住む家すらない。住所不定の被疑者となってしまった現在、ヘルニアの治療を理由に増田氏とともにハワイに潜伏し、警視庁の捜査を逃れている。しかし、零落した"悪質商法成金"にとっては、ハワイも楽園ではなくなっているようだ。ハワイでも借金まみれで、日本の投資家から集めた資金で購入したといわれる眞理子氏名義の高級コンドミニアムも、約100万ドルで売りに出されている。

|

« 弁護士費用を返さなかった元弁護士会長に業務停止5ヵ月 〔和歌山弁護士会〕 | トップページ | 増田俊男氏「悪質ファンド」投資先の外国株「二重売り」で資金稼ぎか 〔Arius3D〕 »

増田俊男/サンラ・ワールド/佐藤博史」カテゴリの記事

悪質商法」カテゴリの記事

コメント

栄枯盛衰。諸行無常ですね。

今年は誰が銀杏の葉の掃除をしたのでしょう。


自転車操業は、いつか破綻するものです。最初の小さな嘘も、嘘を嘘でごまかすから段々大きくなり、取り返しがつかなくなってしまった。
そのうち集めた金で大儲けが出来れば、嘘も帳消しになると思っていたが、世の中そんなに甘くない。次から次へと失敗を繰り返し、投資家の羊は何とか猿が煙に舞いたが、派手な生活で金は無くなってしまった。
日本に帰る家は他人に取られ、老後のハワイの安住の住処ももはや風前の灯火となってしまった。

悪因悪果。

因果応報か。

親御さんは、きっと泣いてますよ。

親不孝な人。

これと同じことが、騙された投資家も味わっているのです。

早く自首したほうが良いのではないでしょうか。

人のこころを持っているなら苦しんでいるはず。

早く楽になれますよ。

投稿: 稀に見る大馬鹿社員 | 2010/11/28 13:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 弁護士費用を返さなかった元弁護士会長に業務停止5ヵ月 〔和歌山弁護士会〕 | トップページ | 増田俊男氏「悪質ファンド」投資先の外国株「二重売り」で資金稼ぎか 〔Arius3D〕 »