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2011/03/18

「ワンクリック請求」をやってしまった大木一幸弁護士「犯罪なんかじゃない! 私がやってよかった」という言い分

Vb6gqmub「ワンクリック詐欺に加担した」として、東京弁護士会所属の大木一幸弁護士は今月10日、東京地検へ詐欺の疑いで告発状を提出された。

告発人となった行政書士の藤田泰裕氏は、告発する2日前の8日に、大木弁護士の事務所を訪ねている。この日、大木弁護士は、現場につめかけた報道陣の取材をかたくなに拒否した。廊下から記者が声をかけても、事務所のドアを開けようともしない。しかし藤田氏だけは、すんなりと迎え入れた。

ひたすら“手打ち”を求める大木弁護士。それを突っぱね、決戦の意をかためた藤田氏。1時間あまりにおよんだ“密室会談”の一部始終を、藤田氏からの報告をもとに再現する。

「なぜ、ここまでする。マスコミまで連れてきて。こんなことをして、いったい、なんのトクになるんだ」

──なんのトクもないですね。

「だったら、おたがいオトナなんだから、歩み寄らないと」

──録音してもよろしいですか?

「ダメ、ダメ、隠し録りは証拠能力がないぞ」

──刑事手続きではないので、あまり関係ないと思いますが。

「とにかく、おたがいに引くところは引いて、手を打とうじゃないか」

──それはできないですね。あれは、完全に違法なワンクリック詐欺サイトですよ。

「違法じゃない。ちゃんと確認した」

──しかし、サイト(トップ画面の料金表示など)の改ざんをしているじゃないですか。

「改ざんなんて、しておらんよ。ちゃんと業者から説明を受けた」

──私が、懲戒請求の中で(トップ画面に料金表示がないことを)指摘したじゃないですか、サイトのURLを示したりして。そこで、引き返して欲しかったですね。

「引き返すも何も、はじめから料金表示のある合法なサイトだ」

──では、私の提出したサイトの写真も否定されるんですか。いまは、特商法や消費者契約法の規制があるんです。弁護士が、法律を知らないでは通らないでしょう。

「そういう議論は、平行線になる」

──しかし、明らかに違法な、コテコテのワンクリック詐欺サイトですよ。

「そんなことはない。絶対にない。そんなこと、決まったわけじゃない」

──最高裁の判決が出ていない、という意味では、確定はしていないですけどね。それならマスコミをはじめ、多くの人たちに判断してもらえばいいんですよ。

「そこまでするなら、私も本気で反撃をせざるをえなくなるぞ」

──やむをえませんね。覚悟のうえです。私に、やましいところはありませんからね。

「なにを言う。あのホームページ(藤田氏のウェブサイト)は、非弁行為まる出しじゃないか」

──そんなことありませんよ。内容証明やクーリングオフは、かなりの数の行政書士がやってますよ。

「ここまでくると、私も、あんたの懲戒請求を出すことになるぞ」

──かまいませんよ。

「か、かまわないのか…」

──私のホームページについては、どこに出されても、堂々と申し開きができますから。

「じゃあ、なぜ、ホームページを閉鎖した? 作るのに100万円ぐらいはかかっただろう」

──知り合いに頼んで、10万円でやってもらいましたよ。

「そんなバカな、10万ってことはないだろう」

──いえ、本当です。いまは高くても、20万ぐらいのもんですよ。

「それでもなんで閉鎖した? そっちこそ非弁行為の証拠隠滅じゃないか?」

──アクセス数が少なかったからですよ。

「そんなことはないだろう」

──さっきも言ったように、内容証明やクーリングオフをしている行政書士はいっぱいいます。だから、一般的なホームページを作っても、なかなかアクセスされないんです。

「とにかく、こんなことは、おたがいにとって、何のトクにもならない。懲戒請求で十分だろう。懲戒請求を出されることは、弁護士にとって大打撃なんだ」

──先生が、ワンクリック詐欺に加担したんだから、やむをえませんね。

「だから、あれはワンクリック詐欺なんかじゃないと言ってるだろう」

──いえ、間違いなくワンクリック詐欺です。あんなものの回収業務を受ける人(弁護士)なんか、絶対にいませんよ。

「何を言ってるんだ、いるぞ。(懲戒請求の主張)書面にも書いただろう」

──ええ、書かれてましたね。行政書士にも弁護士にも、犯罪者はいますから。どこの世界にも、そんなのはいますよね。

「犯罪なんかじゃない。まともなサイトだと、何度も言ってるだろう」

──平行線ですね。だからこそ、多くの人に判断してもらいましょう。ところで先生は、ずっと以前からここに事務所を?

「45年間、ずっとここだ」

──むかしは、この界隈は汐留のビルもなくて、ヤクルト本社あたりが高いビルだったんでしょ。

「ああ、そうだ、そうだ。おたがい、こんなことは、もうやめよう。近い将来、こんなこともあったなと、ふたりで酒を酌み交わすのもいいんじゃないか」

──いいですね。そのときは、本音で話してください。本当は、悪いことだと知ってたんですよね?

「今まで言ってきたことは、ぜんぶ本音だ。むしろ回収業務を、私がやってよかったと思ってる」

──残念ながら、ボクは先生の言うことを素直に信じるほど若くはないし、手打ちをするほど年を取ってもいない。

「なにか、ボタンの掛け違いがあったんだろうな…」

──あったでしょうね。なぜ、私に連絡をくれなかったんですか?」

「書面で見に行くと書いたら、あんた断っただろう」

──そんな、あとの話じゃないですよ。はじめに電話で話したときのことです。連絡くれる、と言われたじゃないですか。私は待っていたんですよ。

「ちょっとのことで、食い違ってしまうんだよなぁ」

──まあ、連絡をくれたとしても、回収業務していたことがわかれば、その後の動きは変わりませんけど。で、なぜ連絡をくれなかったんです?

「どうもおかしいと思って、通常請求にしただけだ」

──通常請求って、あのあと、西村と佐藤(いずれも大木法律事務所の事務員を名乗った人物)からは督促の電話をもらっているんですよ。主体的に法律事務をやっていたんじゃないんですか? あのマニュアルも不自然ですしねえ…

「あれ(マニュアル)は、まぎれもなく、私が作ったものだ」

──ああいうものは、弁護士業務からほど遠いのでは?

「なにを言っているんだ。私は、45年も弁護士をやっているんだ。似たような経験はいくらでもある」

──では、事務員を道具として利用して、主体的にやったわけですね。

「道具だとは思っていない」

──刑法の間接正犯の道具という意味ですよ。

「だから言ってるだろう。これは正当な業務だ!」

──西村さんは、いま、どうされているんですか?

「もう辞めたよ。彼女は、今回のためのアルバイトだから。どこの業態にもアルバイトはいるだろう」

──アルバイトですか。となると、たとえ一日でもアルバイトとして雇用契約を結べばいいわけだから、非弁提携の脱法行為に使えそうですね。

「彼女らを矢面に立たせるつもりはない」

──いさぎよいですね。では、先生が主体的にやっていたということを信じます。

「ボタンの掛け違いがあったんだよ。藤田さんは、おりこうさんなんだから、これ以上、労力を使って争うことがムダなのはわかるだろう」

──いえ、利口じゃない。

「いや、あんたは優秀だ」

──お褒めにあずかって光栄ですが、先生の期待には添えませんよ。

「そんな、意地になることないだろう」

──もう、賽は投げられたんです。

「そんなことはない。いつでも引き返せる」

──引き返せません。私も覚悟を決めているんです。サイト業者も、おおかたどっかの(暴力団)フロント企業でしょう。これからは身辺の安全にも気をつけなければなりません。

「彼らは。まじめに事業を営んでるよ」

──信じられませんね。

「彼らも、宣伝費やらなんやらでカネを使って、赤字なんだよ」

──赤字なわけがありませんよ。そもそも、なんでアト払いなんです? 先払いにすればいいでしょう。

「それは商売上の工夫で、アト払いのほうが、お客さんが集まりやすいだろう」

──しかし、回収できないですよね。

「だから赤字なんだ」

──事業者が赤字のわけはない。おカネを騙して取って、めちゃくちゃ儲かったはずですよ。それに先生も。

「儲かってない。赤字だ。それが最初からわかっていたから、期間を区切って依頼を受けたんだ」

──ボクが懲戒請求したから、やめたんでしょう。

「そうじゃない。決してそうじゃない」

──懲戒請求の動きに合わせるように、事業者はサイトを改ざんしましたからね。詐欺を食い止めた思いです。

「だから、詐欺なんかじゃじゃないって」

──被害者にお金返して、引退されたらいかがですか?

「そんなこと、あんたに言われる筋合いはない。ヨボヨボになっても、私は社会に貢献したいんだ」

──悪いことをしてはいけませんよ。

「悪いことじゃない、と言ってるだろう」

──めちゃくちゃ悪いです。

「あんただって、悪いことしてるだろう、これで報酬をもらってるんだろう?

──いえ、誰からも一切もらってませんよ。

「誰からももらってない? そんなバカな。それで、ここまでやるはずないだろう」

──やりますよ。乗りかかった船ですから。

「しかたないな、こちらも真剣に反撃するしかない」

──覚悟のうえです。それに、ボクのバッジなど軽いものですから。

「そんなことはないだろ。まだ先が長いんだ。私は78歳だぞ。男の平均寿命を超えた」

──まあ僕はそうですね。

「弁護士の仕事は、ドブさらいのようなものだ。いろんな汚い場所に手をつっこまなければ、いけないこともあるんだよ」

──刑事被告人の弁護は弁護士の業務ですが、詐欺に加担するのは仕事じゃないはずですが。

「詐欺なんかじゃない。彼らは、ちゃんと届出を出して営業をしている」

──そういえば届出ですが、あれはウソでしたね。

「ウソじゃない。(懲戒請求の)書面に番号を書いただろう。ハンが押してある書面をちゃんと確認したぞ」

──あの番号がウソなんですよ。

「ウソ?」

──あの番号は、許可番号ではないんです。受付番号ということです。警察で確認したんですよ。

「それは知らなかった。しかし、あれは許可ではなくて、届出だけでいいはずだ」

──そうなんですか。しかし、わざわざ受付番号を書くとは。

「私は、わざとウソをつくことなどない」

──じゃあ事業者ですかね?

「とにかく、もうやめよう。おたがい、これ以上、傷つけあっても仕方ないだろう」

──それなら、おカネを返して、バッジ外されたらいかがですか?

「そんなことを言われる筋合いはない、と言ってるだろう。よく考えてくれ。もう目的は果たしただろう。懲戒請求を取り下げても、議決は出ることになっている」

──議決はいつごろ出ますかね?

「今月中には出るだろう」

──それにしても遅いですね。

「綱紀委員会は150人ぐらいの委員がいて、全員の決を採るんだ。だから時間がかかるんだろう」

──そうですか、楽しみに待つことにしましょう。

「とにかく、もう一度よく考えてくれ」

──考えても何も変わりませんよ。

「とにかく、よく考えてくれ。会えば分かり合えるし、印象も変わる。もっと早く会っておくべきだった」

──そうですね、もっと別のかたちで会いたかったですね。

「そんなことはない。よく考えてくれ」

──考えたところで、ご期待に添えません。

「とにかく、よく考えて」

──では、これで。

「よく考えて、賢明な判断を頼むよ」

Ohvshuji

       大木法律事務所を出る藤田氏(手前)

「ドブさらい」は汚れ仕事でも、社会に貢献する立派な行為だ。自分がヘドロになってしまうこととは、根本的に意味が異なる。長くドブに浸かりすぎると、その区別がつきにくくなるのかもしれない。

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