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2011/07/31

岐阜〔ボトックス訴訟〕眼科医院に「保健所」が2度の立ち入り調査で「カルテ」記入漏れなどを指導していた

岐阜市早田栄町の医療法人社団黎明会『高橋眼科医院』(高橋捷允院長)が、「ボトックス注射を受けた際に漏れた薬液が眼に入り、角膜炎や視力低下などの後遺症が生じた」とする元患者と名古屋高裁で争っている訴訟の控訴審のなかで、同医院が「岐阜市保健所」から立ち入り調査を受けていたことが明らかになっている。

この控訴審で証拠提出された岐阜市保健所作成の<相談内容報告書>によれば、調査が実施されたのは'09年8月26日と'10年8月26日の2回。カルテ(診療録)の記載事項について確認が行われた'10年の調査では、「記入漏れ」や「事務員、看護師による記入」などの問題があったことが報告されていた。

岐阜市保健所の調査の端緒となったのは、高橋眼科医院と民事訴訟を争ってきた元患者のA子さんが提供した情報だった。

A子さんは'08年10月から、<ボトックス>の注射液が眼に入る医療事故があったとして、同保健所に相談していた。それと並行し、高橋眼科医院との話し合いを試みる。しかし、医院側の代理人となった森川幸江弁護士(岐阜県弁護士会)から「訴訟を起こしたら和解する」と提言され、A子さんは岐阜地裁に訴訟を提起。'10年7月に同地裁判決で請求を棄却され、名古屋高裁に控訴していた。

この裁判の過程で、医院側から提出された書証をもとに「カルテが改ざんされている」として、A子さんは岐阜市保健所に確認を求めた。2度目の立ち入り調査で同保健所が、カルテの記入漏れなどで改善指導を行うにいたった背景には、コンプライアンス意識の低さがあったようだ。

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高橋眼科医院が、A子さんに施した診療について岐阜市(国民健康保険)に医療費を請求した'08年8月分のレセプト(診療報酬明細書)には、<ヒアレイン点眼液>3瓶が処方された記載がある。だが「国保診療録」(カルテ)の同月6日の記録には、それがなかった。岐阜市保健所がカルテの記入漏れを確認し、改善の指導をしたこの部分で、A子さんは「改ざん」の疑いを指摘している。

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レセプトの<傷病名>の欄には「(3)両表層性角膜炎」の病名が記載されているが、カルテではA子さんの眼の角膜については、ドイツ語の走り書きで「異常なし」と明示されているからだ。医院側が控訴審で提出した「準備書面(1)」にその和訳が示されており、「Cornea(角膜)Klar(異常なし)」という意味になるらしい。さらに同書面の末尾で<両目染色しても染まらなかったので、角膜や結膜に傷はなかった。角膜に涙がのっている時間も7秒で、これも異常なし>と明記しているのだが、この日の診療病名をレセプトには<両表層性角膜炎>と、高橋眼科医院は記入している。

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ちなみに、レセプトに3瓶を処方したことが記され、カルテには省かれていた<ヒアレイン点眼液>は「角膜上皮細胞の接着、伸展を促進し、角膜上皮の創傷の治癒を促進」するための目薬だ。「角膜に異常なし」としたカルテの記入に疑問が残る。

また、岐阜保健所は2度目の立ち入り調査で、事務員と看護師がカルテの記入をしていたことを確認していた。これは、カルテ1枚目の<傷病名>の欄に、複数の筆跡がみられることは容易に判断できる。そして、この上から4列目と5列目の<両涙液分泌減少症>と<左兎眼症>については、高橋眼科医院で診断された事実のない病名であり、カルテが改ざんされた証拠だというのがA子さんの主張だ。

医院側とA子さんの、どちらの言い分が正しいのかについては、今後は民事と刑事の双方で判断されることになる。

しかし、それ以前に、改ざんや隠蔽の行為を疑われかねない公文書(レセプト)とカルテの不整合は、医療機関としてのコンプライアンスのあり方が問われて然るべきだろう。

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コメント

ヒアレインは特別な目薬ではない。

ドライアイで1000本単位で処方されてました。

ボトックス注射の副作用としてドライアイになりやすいことを鑑みればいたってふつうの話。

投稿: まる | 2011/08/03 00:37

『まる』さんのおっしゃっているのは、兎眼(ドライアイ)などの副作用であると診断されたことを前提として、ヒアレインの処方は普通であるという意見だと思いますが、実際は、兎眼(ドライアイ)とは検査も診断もされていないのに、兎眼である記載したことが問題なのだと思います。
保健所からも指摘されているように、カルテに『角膜に傷なし、異常なし』と記載し、レセプト(保険請求書)には『病名:点状表層角膜炎、処方名:ヒアレイン』と記載したから問題なのでは?手書きのカルテは、処方箋かわりであると聞いたことがあるので、処方箋に記入されていないものは、処方できないと思います。

投稿: あおい | 2011/08/03 21:05

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