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2012/09/26

<DV冤罪の罠> 被害者なのに加害者に仕立て上げられて警察に"冤罪逮捕"された公務員の悲憤慷慨

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埼玉県に住む公務員の北之辺真也さん(仮名)は今年3月28日、妻に対する傷害の疑いで埼玉県警狭山署に逮捕された。

その前日の深夜から当日未明にかけて、北之辺さんは妻の瀬奈さん(仮名)と夫婦ゲンカをした。このケンカで瀬奈さんは、顔面などに全治3週間のケガを負い、狭山署は被害届を受理する。

だが、加害者として逮捕された北之辺さんのほうも負傷していた。同日に治療にあたった医師は<今後1週間の加療を要する見込みである>と診断。その診断書には、5月24日付で<今後2週間の専門外来への通院を要す>と追記されている。それにもかかわらず、狭山署は一方的に北之辺さんを加害者と決めつけて、逮捕してしまった。

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被疑事実とされた夫婦ゲンカは、自宅2階のリビングで起きた。

北之辺さんが「友だちを家に泊めたい」と言ったことが、口論の発端だった。ソファに並んで腰をかけ、言い争っていた瀬奈さんが激昂。いきなり、北之辺さんをめがけて飛びかかり、ヒジ打ちを繰り出した。それを左目に食らった北之辺さんは視界を失う。その後、激しいもみ合いのケンカになった。いったん落ち着いたかと思えば、また瀬奈さんが北之辺さんに飛びかかる。そんな、もみ合いのケンカが収束し、ふたりが3階に上がって寝室に入ったのは、午前3時ごろだった。

就寝する前には、北之辺さんと瀬奈さんは仲直りをしていた。

「ごめんね」

瀬奈さんから謝罪の言葉を受け、北之辺さんは感極まって涙した。彼女が言葉にして謝ったのは、結婚して以来、それがはじめてのことだったという。

「起きたら、一緒に病院へ行こうね」

そう約束して、ふたりは眠りについた。ところが、そんな人心地もほんの束の間。瀬奈さんの態度は豹変する。

就寝してから2時間ほど経った午前5時過ぎごろ、瀬奈さんは寝室を出ていった。気になった北之辺さんは、5時半ごろに布団から抜け出し、様子を見に2階へ下りる。が、そこに瀬奈さんはいない。リビングの窓から外をのぞいてみると、愛犬を連れて帰ってくる瀬奈さんの姿があった。

犬の散歩からもどった瀬奈さんをリビングで待ったが、彼女は2階へは上がらず、1階のガレージからクルマを出してどこかへ走り去っていった。すぐに携帯へ電話をかけてみると、瀬奈さんはこう言った。

「これで、あなたの人生を終わりにしてやる。訴えてやるからね」

それが、瀬奈さんから聞かされた最後の言葉となる。電話を切られ、その後、何度かかけ直したが、着信を拒否されたという。

瀬奈さんが家を出てから、北之辺さんは午前6時ごろ、職場の上司に電話で連絡をした。夫婦ゲンカで左脚を負傷して、歩くことができなかったため、病院への付き添いを頼んだ。上司が北之辺さんを迎えにきたのは午前9時ごろ。それから、上司に伴われて狭山市鵜の木の<狭山病院>へ行き、ケガの治療を受けた。

診療を終えて、上司と病院を出たのは午後の4時過ぎごろだった。職場には、狭山署から、北野辺さんに出頭を求める連絡が入っていた。そこで、いったん職場に立ち寄ったあと、上司に付き添われて狭山署へと向かう。

迎え出た同署刑事課の刑事の態度は、高圧的だった。

「なんで呼ばれたのか、わかってるよな」

そう訊かれ、北之辺さんは「夫婦ゲンカをしました」と答えた。すると、

「逮捕状から出てるから、逮捕だ」

刑事は有無を言わさず、北之野さんを逮捕した。

瀬奈さんの顔などにできたアザは、もみ合になった際に突き飛ばされて、何かにぶつけてできたもの、というのが北之辺さんの主張だ。しかし警察は、そのケガを殴打による負傷とし、傷害の証拠とした。

この傷害事件は、狭山署から送致を受けた<さいたま地検川越支部>が、5月22日付で不起訴処分としている。刑事事件としては嫌疑が晴れた北之辺さんだが、その<冤罪>はいまもなお尾を引いている。

3月28日に逮捕された北之辺さんは、4月14日までの18日間、狭山署の留置場に勾留されPhotoた。この勾留中の4月3日に、瀬奈さんは<さいたま地裁川越支部>に対して、DV防止法に基づく保護命令(配偶者暴力に関する保護命令)の申し立てをしていた。その申立事件の審尋期日が設けられたのは、勾留中の4月12日。呼出状の送達先は<狭山警察留置場内>だった。

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さらに瀬奈さんは、北之辺さんが狭山署の留置場に勾留されているあいだに、離婚調停も申し立てた。この調停は現在も係属中だ。

4月14日に釈放されたのち、北之辺さんは保護命令の申立書によって、逮捕の被疑事実とされた3月28日の夫婦ゲンカのほかに、昨年の7月から12月にかけての8件の暴力の被害を主張されていたことを知った。また、昨年の8月1日に瀬奈さんが、狭山署生活安全課にDVの被害相談をして、その際に保護命令の制度について説明を受けていたことも明らかになる。

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保護命令の申立書に添付された陳述書に、瀬奈さんは自筆で、つぎのように書いていた。

私、北之辺瀬奈は相手方 北之辺真也による1年に渡る暴力、暴言により、顔や体にケガを負い、接客業である仕事に支障をきたし、精神的にもダメージを受け、ストレスによる湿疹も起きました。

毎日、主人の帰宅と休日に怯える生活は耐え難いものであります。平穏な毎日を取り戻す為にも北之辺真也の接近や電話、メール等の禁止をお願いします。

しかし、北之辺さんは瀬奈さんの被害申告を、まったくの事実無根として否定する。むしろ逆に、北之辺さんは瀬奈さんから、DVを受けていた被害者だった。

ふたりが結婚したのは'09年12月25日。その翌年の'10年春ごろに、瀬奈さんの様子がおかしいことに気づいたという。突然、目つきが異様に変わり、北之辺さんに対して暴言を吐いたり、暴力をふるったりする。そんなときは発作的に、2階から飛び降りようとしたり、包丁を持ちだしてくることもあったというのだ。

テレビのリモコンやヘアドライヤーなど、手近にある物をつかんで投げつけたり、殴りつけDv004たりというぐらいの暴力は序の口。今年の春には、家を飛び出してクルマを発進させた瀬奈さんを制止しようとして、故意に急ハンドルを切られてはねられたという。また、顔面をハンドクリーナーで殴られたうえ、包丁で腕を切りつけられたこともある。そんな瀬奈さんの暴力は、目立って大きなものだけでも10件以上はあったといい、北之辺さんは現在、医療機関の通院記録などの<DV被害>の証拠(冒頭の画像を参照)をまとめている。

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妻側の被害申告だけを鵜呑みにし、ひと目見てわかる外傷を負っていた北之辺さんを"冤罪逮捕"してしまった埼玉県警は、逮捕当日のうちに事件をマスコミ発表して、実名報道をさせていた。

今年8月9日には、警察庁がDV・ストーカー事案について、全国の警察本部に<被害の届出は、明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものを除き、即時受理することを徹底する>との通達を出している。これは、千葉県警が被害届の受理を先送りにしたことで、昨年12月に長崎県で女性ふたりが殺害された<長崎ストーカー殺人事件>などにより、受理を拒みがちな警察の対応への批判の高まりを受けてのことだ。

北之辺さんの"即時逮捕"とマスコミ発表には、DV・ストーカー事案に対する積極的な取り組みをアピールしようとした埼玉県警の先走った対応があったに違いない。今後、警察の<即時受理>の方針が徹底されることによって救われる犯罪被害者がいる一方で、冤罪を量産しかねないことが懸念される。

「警察改革の精神」の徹底のために実現すべき施策

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コメント

事実確認が疎かになることは、名誉棄損・虚偽告訴と冤罪とで、被害者加害者の双方を不幸にしますので、やはり当事者双方の言い分、往復メールなどを精査するまで、仲裁役は予断を排して中立的な態度を保つことが必要だろう。交通事故などは双方の言い分を聞くまで警察は何とも言わないものである。DV,、虐待、セクハラ、すべてこうした事件では男性や親や上司を常に悪者にするのではなく、証拠に照らして事実を冷静に解明する態度を持ってほしいものである。なお、調停役が証拠を「隠滅」するなどあれば言語道断である。タレント夫妻の離婚騒動でも似たようなことが起きていたと思うが、夫婦や同僚など親密な者同士であっても、いったん関係がこじれてから、親密であった当時の夫婦喧嘩ややり取りが本当は五分五分(お互い様)であったのに、相手が一方的に、無理やりに、強制的に・・・と歪曲くするのが典型的手法ではないだろうか?

投稿: 退職者 | 2012/09/26 19:30

僕自身虚偽のDVで苦しめられました、DV冤罪は問題を多くはらんでいます、僕はDV法自体を否定はしません、本当のDVで苦しんでいる人を知っているからです、しかし現行のDV法は、親権を取りたい、浮気を隠したい、有利に離婚したい等の理由で、事実確認もしないで受理してしまう事に問題があると思います、僕自身の事実体験を、ブログで書いております、ノンフィクションの実話です、目を通してもらえたら幸いです
http://ameblo.jp/jinseinanakorobiyaoki/

投稿: まっちゃん | 2013/03/26 21:42

共同親権や離婚に大きく関わるDVについて、神奈川県がパブコメを実施していることが分かりましたので、ご紹介いたします。
県議会では、女性による逆DVや虚偽のDVが大きく取りざたされたことを受け、政策の一部見直しを進めているようです。

虚偽のDVで子供共々居所を隠され、離れ離れになったり、事実無根の批判を裁判材料に使われることが少しでも減るよう、積極的な意見展開が必要と思いますので、ぜひ一度ご提案いただければと思います。


以下メール抜粋

配偶者暴力相談支援センターとしての男性被害者の相談窓口は平日のみとなっていますが、土日にも開設している女性センター窓口に男性からご相談があった場合はお受けしております。

また、県では、DV被害者を支援するため「かながわDV被害者支援プラン」を策定し取組を進めていますが、今回改定作業を進めており、DVに悩む男性相談窓口として、加害者の相談も含めた相談窓口の設置を検討しており、曜日や時間等にも考慮したいと考えております。改定にあたっては、県民の皆様からご意見をいただくパブリックコメントを実施しております。

詳細については、今後、神奈川県のホームページ等で公表しますので、ご確認ください(ホームページはこちらになります。→http://www.pref.kanagawa.jp/pub/p650245.html)

さらに詳しい内容のお問い合わせがある場合には、男女共同参画グループ(電話045-210-3640(直通))が担当との事。

投稿: 通りすがり | 2013/11/16 14:34

でも夫は全治3週間だろ。妻は1週間でと2週間も違う。加害者は夫で正解。

投稿: 匿名 | 2014/07/22 06:34

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