2011/04/29

〔栃木県警〕警察官「拳銃発砲」で死亡した男性の遺族が逆転勝訴 〔東京高裁〕

威嚇射撃もせずに発砲したのは、適正な拳銃使用を定めた警察官職務執行法に反する──。

栃木県警巡査部長(事件当時は巡査長)の発砲で'06年に死亡した羅成(ルオ・チェン)氏の遺族が、県に約5000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(前田順司裁判長)は28日、請求を棄却した1審宇都宮地裁判決を変更。発砲の違法性を指摘したうえで、県に約1000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

【関連記事】警察官が拳銃を撃てば治安は守られるのか 2011/02/11

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2011/04/24

〔戸部署事件〕で神奈川県警と対決した村田恒夫弁護士のトホホな戒告処分

日弁連(日本弁護士連合会)が発行する広報雑誌〈自由と正義〉4月号に、村田恒夫弁護士(横浜弁護士会)の懲戒処分の要旨が掲載された。

村田恒夫弁護士【横浜】懲戒処分の要旨 〔弁護士と闘う〕

死亡した遺言者から公正証書遺言の執行者に選任されていながら、その立場と遺言書の存在を2名いた相続人の片方に隠し、もう一方の代理人となって不公正な事件処理を行った、というのが処分の理由だ。これは、正義にもとる隠蔽行為と言わざるを得ない。

村田弁護士は、'97に神奈川県警戸部署の取調室で起きた〈戸部署事件〉で名をあげた人物。この事件は、取り調べを受けていた被疑者の男性が証拠品の拳銃から発射された銃弾を受けて死亡したもので、村田弁護士は男性の遺族の代理人となって神奈川県(警察)を相手に損害賠償を求める民事訴訟を提起。その1審横浜地裁の判決で、「警察官が拳銃の引き金をひいた」とする事実認定を得て勝訴(ただし、控訴審で逆転敗訴)した。当時、積極的にマスメディアに露出して、県警の「隠蔽体質」を厳しく批判していた村田弁護士。その熱き正義感ぶりは、どこへ行ったのだろうか。

〈名を棄てて実を取る〉のもいいが、懲戒処分を受けては元も子もない。

【関連記事】「神奈川県警」取調室で「拳銃発砲」被疑者死亡の『戸部署事件』から10年

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2011/02/16

警察が「1000人に銃を密売」とでっち上げた拳銃密輸密売『冤罪』事件で国家賠償訴訟 〔神戸地裁〕

米国オレゴン州で雑貨販売業『US-MART』を経営していた和田晃三氏(52歳)が、銃刀法違反などの疑いで兵庫県警に逮捕されたのは、'06年1月のことだった。兵庫県警は'02年9月から、他府県警察と共同して『US-MART』の顧客約50人の自宅や職場などを家宅捜索し、和田氏が米国からインターネット・オークションを通じて販売した100丁以上の<無可動銃>を「真性拳銃」として押収していた。

無可動実銃 - Wikipedia

<無可動銃>とは、実銃(真性銃)の発射機能を破壊した装飾品だ。基準に沿った加工が施され、通関検査に合格して輸入されたものは、「模造銃」とおなじに扱われる合法品。輸入後に不正な改造などがされないかぎりは、所持や販売が罪に問われるものではない。『US-MART』の“商品”も、和田氏が事前に大阪府警から警察庁の認定基準に沿った指導を受けて制作し、税関職員と警察官の厳しいチェックを受けて適法に輸入された<無可動銃>だった。

逮捕後、銃刀法違反などで起訴された和田氏の「無可動銃の輸入販売」について、神戸地裁の1審判決は有罪としたが、'09年1月に大阪高裁の控訴審判決で逆転<無罪>となる。その後、検察側は控訴せず、<無罪>が確定している。「あくまで合法品の輸入を目指しており、被告(和田氏)に違法な『けん銃部品』という認識がなかった」というのが、確定判決の認定した事実だった。

この<US‐MART事件>の「冤罪」被害者のひとりとなった和田氏が、兵庫県を相手取り、300万円の国家賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしていたことがわかった。

和田氏は、「無可動銃の輸入販売」とは別の銃刀法違反事件で懲役7年の実刑判決を受けており、現在は神戸刑務所に服役中。獄中からの提訴となったこの裁判は、<約50人>に対して行われた合法的な「無可動銃の販売」を組織ぐるみで<1000人>を相手にした「拳銃の密輸密売事件」にでっち上げ、虚偽のマスコミ発表をした警察の責任を問うものだ。

逆境のなかで、再び『US-MART』顧客の名誉もかけた闘いをはじめた和田氏から、今回の国賠請求訴訟の訴状が届いた。全文を掲載しておく。

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国賠訴訟の次回の口頭弁論は、5月13日(金)午前10時から、神戸地裁227号法廷で開かれる。

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<US‐MART事件>のこれまでの経緯については、『週刊現代』(2009年3月7日号)と<NEWS RAGTAG>の過去記事を参照してもらいたい。

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2011/02/11

警察官が拳銃を撃てば治安は守られるのか

栃木県警の平田学巡査長(35歳)が職務上の拳銃の発砲で中国人男性を死亡させ、特別公務員暴行陵虐致死の罪に問わていた「付審判」で10日、宇都宮地裁は<無罪>を言い渡した。

平田巡査長は、鹿沼署真名子駐在所に巡査として勤務していた'06年6月23日、「不審者がいる」との通報をもとに、栃木県上都賀郡西方町の路上で2人組の男性を発見する。職務質問しようしたところ、2人は逃走。パトカーで追跡した平田巡査長が追いつくと、2人のうち羅成(ルオ・チェン)氏(当時38歳)が長さ1メートルほどの竹の棒を振り回し、さらに手にした直径約19センチの石を振り上げた。平田巡査部長は拳銃1発を撃つ。 銃弾を下腹部に受けた羅氏は、搬送先の病院で死亡した。

付審判は、この発砲が警察官職務執行法の正当行為にあたるか否かについて争われてきた。被告側は「(羅氏は)宝珠(石灯篭の頭の部分)を被告の頭に振り下ろそうとした。生命の危険があった状況で、正当防衛が成立する」と無罪を主張。それに対し、検察官役の指定弁護士は「警棒の使用や威嚇射撃でも対処できた」として昨年12月、平田巡査長に懲役4年を求刑していた。

判決のいかんによらず、警察官の職務上での行為の妥当性が、公開の法廷で争われたことの意義は大きかったといえる。警察官による人権侵害や職権の濫用があったとしても、その処分の判断は透明性に欠け、真実が表面化しにくいものだからだ。

仮に、警察官が過失や不正をおかしたとして、それを調べるのは警察である。庇うのが自然の状況にあって、調査や捜査のプロセスは不透明ときている。警察捜査の「密室性」は、冤罪の温床として、たびたび批判される問題だ。一般の被疑者は、逮捕されると警察の施設である留置場に勾留され、部外者の監視のない状況で尋問を受ける。そこで警察に偏った見込み捜査があると、被疑者は身柄の拘束の苦痛や厳しい尋問に耐えられず、虚偽の自白をしてしまうことがある。その裏付け捜査は、自白と整合しない不都合な証拠や証言は排除または歪曲されて、ひたすら被疑者を<クロ>にするための作業に邁進。そんな「冤罪の構図」があって、あの<足利事件>では、栃木県警が無実の菅家利和氏を犯人に仕立て上げてしまったわけだ。

ときとして、<シロ>を<クロ>にしてしまう警察捜査の「密室性」は、逆の方向にも作用し得るものであることは言うまでもない。そして<シロ>を<クロ>するよりも、<クロ>を<シロ>にすることのほうが、はるかに簡単だ。自白を強要する“落としのテクニック”は不要。起訴後の公判で供述を翻されるおそれもないし、それ以前に逮捕もせず、起訴もされないように内部調査で決着をつけることも可能だ。

不祥事の発覚を抑えよとする組織防衛の意思。身内のかばい合い。そして、捜査の「密室性」。警察には、そんな「隠蔽の構図」がある。ともすれば、警察の捜査権濫用や検察の起訴便宜主義などによる“逆冤罪”をまねきかねないだけに、警察官の職務に社会の監視の目は厳しくあらねばならない。

元警察官から、こんな話を聞いたことがある。警察官が拳銃を暴発させて一般市民を負傷させた事件で、仲間の警察官が深夜に事件直後の現場へ赴き、鉄の棒を使ってアスファルトの路面にキズをつけたという。発射された弾が道路に跳弾して当たったことにすれば、銃口が下を向いていたことなり、暴発させた警察官の過失責任がいくらか軽くなるからだ。こういう不正があったとしても、市民には、それを知るすべもない。

平田巡査長の発砲行為をめぐっては、県警は事件の翌月に「正当防衛だった」と発表し、早々と幕引きをはかっていた。この事件には、発砲の瞬間を目撃した証言者は誰もいない。もう一方の当事者は死亡している。「正当防衛」を証明するものは、状況証拠と平田巡査長の証言のみだったが、否定する証拠もなかった。

ここで誰も疑義を呈さなければ、県警の判断で一件落着となっていた。だが、羅氏の遺族が事件翌年の8月、「発砲は過剰な防衛行為だった」として特別公務員暴行陵虐致死の疑いで宇都宮地検に告発。同時に、栃木県を相手に約5000万円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に提起する。これを受けて宇都宮地検は'08年7月、県警と同様に「正当防衛が成立する」として、不起訴処分とした。また民事でも、宇都宮地裁は「発砲を必要とする相当の理由があった」と認定し、遺族の請求を棄却した(東京高裁で控訴審が係属中)。その同月、同地裁が遺族の請求を認めた付審判も、今回の<無罪>判決だ。

遺族の訴えは、ことごとく司法・捜査機関に退けられてきた。しかし、裁判が開かれていなければ、明らかになっていない事実もあった。

たとえば、羅氏が振り回した「竹の棒」が直径1センチほどの笹竹(植木の支柱らしい)だったこと。発砲の時点で、2人の距離が1メートル程度あったことなどだ。

釣り竿か「教鞭」のような細い笹竹でも、振り回されて身体に当たれば、それは確かに痛い。宝珠のほうはというと、頭にめがけて振り下ろすには、やや距離が足りないように思える。投げつけられて、命中すればケガはする。しかし、その重量は約2.8キロ。そう素早くは投擲できない。ほんのちょっと、走って逃げれば射程圏を脱することもできそうだ。

それだけでは、事件が起きた状況をイメージしにくいだろうが、わかりやすい画像があった。

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2010/10/23

暴力団の銃「キングコブラ」

茨城・福島の両県警合同捜査班が21日、指定暴力団「住吉会」系組幹部から、ボックス型の変形銃や実弾27個などを押収した。

変形銃と実弾所持 容疑の組幹部逮捕 〔産経新聞/茨城〕

日本の闇市場に出回ったボックス型銃で、最も有名なものは、米軍がベトナム戦争時に使用したとされる〈キングコブラ〉だ。70年代から80年代にかけて密輸入され、過去には相当数の押収例があった。95年に銃器の専従捜査員を対象に作成された警察の内部資料にも、構造や特徴などがイラストを使って解説されている(画像参照)。

King_cobra 構造は、いたってシンプル。ストッパーを押すと銃身部と機関部が開き、22口径の実弾を装填(装弾数3発)できる。コッキングハンドル(槓桿)を引くと、シア(逆駒)に固定され、トリガーを圧せば撃針が前進して雷管を叩くストライカー式の撃発方式だ。

オリジナルの〈キングコブラ〉のサイズは、縦100ミリ、横42ミリ、厚さ11ミリで、重量は290グラム。本体に〈KING COBRA〉などの刻印がある。

しかし、茨城・福島両県警が押収したボックス型銃は、一部の報道によると縦100ミリ、横50ミリ、厚さ15ミリとされており、ひとまわり大きめだったようだ。オリジナルの構造マネた密造品の可能性もある。

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2010/03/30

警察庁長官狙撃事件「時効」の警視庁公安部長「会見」で深まる警察の闇

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國松孝次警察庁長官(当時)が銃撃された<警察庁長官狙撃事件>で、公訴時効が成立した30日の朝、警視庁の青木五郎公安部長が「事件は、オウム真理教が組織的に敢行したテロだった」とする会見を開いた。

オウム名指しは「正義にかなう」 長官銃撃で警視庁 〔産経新聞〕

長官銃撃 自供した中村受刑者「目撃情報の風体や供述が違う」 〔産経新聞〕

被疑者を特定できずに捜査を終結し、時効が成立した事件で、犯行グループを名指しで断定して公表する。これは「異例」というよりも、きわめて「異常」な対応だ。

この会見で、「オウム真理教による組織的テロ」と断定した根拠として公表された<捜査結果概要>は、たったの十数枚。そこに記載された証拠や証言が、あいまいなものでしかないことは、時効までに事件を立件できなかった事実が物語っている。しかも、<坂本堤弁護士一家殺害事件>や<地下鉄サリン事件>などの極刑にあたいする重大な事件を自白した教団幹部たちが、<警察庁長官狙撃事件>だけは関与をいっさい認めていないことなど、「オウム犯行説」には疑問符のつく点もある。

それをあえて、オウム真理教による犯行と断定する発表を行った理由について、青木公安部長は「そうすることこそが正義にかない、国民の生命や生活を守っていくうえで大切なこと」と会見で述べた。しかし、人権を侵害するリスクを犯してまで、負け惜しみのような会見を開く正当な意義があったのだろうか。

迷宮入りが確定したところで、オウム事件のひとつとして印象づけて幕引きをはかる〝芝居〟の仕上げだったのではないか、と疑いたくもなる。

一時は、「ゴルゴ13」にあこがれる拳銃強盗犯の老人の〝妄想〟に振りまわされるなど、<警察庁長官狙撃事件>をオウム事件と切り離した報道もみられた。しかし、事件発生の当時は、誰もが、オウム真理教の犯行だと信じて疑わなかった。<地下鉄サリン事件>と、教団に対する強制捜査の直後に起きたからだ。

そして、時効の成立で〝永遠の謎〟となって事件が終結したいま、警察が「オウム真理教によるテロ」と断定して締めくくれば、大手マスメディアの論調が再び「オウム犯行説」一色に染まる──。

そんな計算があったのだとすれば、ゴリ押しが過ぎて情報操作に失敗した感もあるが、警察には「オウム真理教によるテロ」として結論づけたい事情がある。オウム事件で片づけば、<警察庁長官狙撃事件>が「正義に背き、国民の生命や生活を脅かした」警察の腐敗をまねく契機となった事実から、国民の目をそらせることができるからだ。

'95年3月30日、國松氏は3発の銃弾を受け、手術中に3度の心停止で危篤状態に陥ったとされる。

だが、奇跡的な回復をとげ、わずか2ヵ月半後に公務へ復帰した。この事件によって、國松氏は日本で最も有名な警察庁長官になったと同時に、「日本のブレイディ」となった。

「ブレイディ」とは、'81年に起きたロナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件で銃弾に倒れ、負傷した大統領報道官のジェームズ・ブレイディ氏。「銃規制の父」と称され、「ブレイディ法」の名の由来となった人物である。

銃大国アメリカで、銃規制法の「ブレイディ法」施行されたのは'94年。日本で、警察庁が銃器対策課を設置したのも、國松氏が長官に就任した'94年7月だった。以降、アメリカにはじまった世界的な銃規制運動の高まりに歩調をあわせ、拳銃の摘発体制は強化されて、警察による組織ぐるみの犯罪も常態化していく。國松氏が'89年まで本部長を務めていた兵庫県警が、タイから拳銃61挺などを密輸させ、その押収劇を自作自演した史上最大級の「ヤラセ押収事件」が起きたのは、國松氏が警察庁長官となって銃器対策課を設置した2ヵ月後の'94年9月のことだった。

【関連記事】大麻と拳銃を大量密輸した「兵庫県警」幹部の直撃映像

そして、<警察庁長官狙撃事件>が発生したことで、さらに警察の拳銃摘発体制は先鋭化する。公務に復帰した國松氏は、拳銃の摘発を警察の最重要課題に掲げ、全国の都道府県警察で銃器対策課の設置が推進された。「平成の刀狩り」といわれた体制下に、スパイ(協力者)を使った違法なオトリ捜査や泳がせ捜査、ヤラセ押収事件などの警察の犯罪が横行する。さらに内閣官房に「銃器対策推進本部」が置かれると、莫大な国費捜査費を獲得した全国警察で、拳銃捜査が裏ガネづくりの温床となった。

「平成の刀狩り」がもたらした弊害は、それだけではない。不正な手段で押収挺数を稼ぐために、警察はスパイの犯罪を見逃した。暴力団の武器庫を守り、麻薬密売人の商売に目をつむることで、拳銃と薬物の蔓延をまねいたのである。

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北海道警の<稲葉圭昭事件>や<裏金事件>も、そんな拳銃捜査に違法行為が容認された風潮を背景に起きた事件だが、稀に発覚した「氷山の一角」にすぎない。

それら組織ぐるみの不正や犯罪は、都道府県警察の現場レベルで起きていたのではない。捜査手法を指導していたのは警察庁である。警視庁は、拳銃捜査のスパイの管理を制度化し、全国警察の銃器対策課員を対象とした「違法捜査マニュアル」を作成していたのだ。

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國松氏をカルト集団による銃器テロから生還したヒーローとしたまま、<警察庁長官狙撃事件>を封印することが、警察庁にとっては組織防衛上の利益になるのだろう。

【関連記事】警察「ヤラセ押収」のツケがまねいた「闇拳銃」の氾濫!

兵庫県警による<拳銃61挺ヤラセ押収事件>を、ともに取材してきたフリージャーナリスト寺澤有氏が、警察庁を相手取って申し立てた<取材妨害禁止仮処分命令申立事件>の東京地裁決定の全文を掲示しておく。警察庁記者クラブに所属していない新聞社の記者が、本件会見に出席して取材していることを認めたうえで、葛西功洋裁判官は、警察庁が寺澤氏の庁舎への立ち入りを許可しなかったことを相当とした。これは裁判所が、警察の思想的差別を容認したようなものだ。

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2009/06/19

〔単行本紹介〕元潜入捜査官の高橋功一氏「ナニワの生安刑事 懲役四年六箇月」

前作の『手記 潜入捜査官』(角川書店)から8年。潜入捜査がもとで「汚名」を背負った元銃器対策情報作業員が、大阪府警の〝セイアン〟刑事だった当時の体験を書き綴ったノンフィクションを出版した。

ナニワの生安刑事 懲役四年六箇月

51aytlawezl__ss400__2 高橋功一著 講談社刊

サイズ:四六判
ページ数:236
定価(税込):1575円

<「まえがき」より>

23年間で1000人逮捕したあげく、自分も「逮捕」……

私は1976年に大阪府警警察官を拝命以来、20年以上を一貫してセイアンに関わってきた。ミナミの風俗店の摘発から詐欺商法、薬物、銃器の捜査まで、セイアンが担当するあらゆる種類の犯罪に携わったといっていいだろう。セイアンの仕事は私の性に合っていた。その理由はいくつかあるのだが、いちばん大きいのは、それまで日本中の誰もやったことがない案件に、最初に着手できたことだと思う。(中略)セイアンのあつかう罪種は800種あるといわれている。対する刑事部は刑法で定められた罪だけである。世の耳目を集めるような大事件を担当することは警官の醍醐味かもしれないが、さまざまなタイプの犯罪に柔軟に対応して、1つずつ挙げていくセイアンの仕事に私は魅せられたのだ。

著者の高橋功一氏の稀有な体験は、拙小説の『汚名刑事』(小学館)『脳を食む虫』(マイクロマガジン社)のモデルにさせていただいている。

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2009/02/23

自殺者まで! 古舘伊知郎『報ステ』の愚 [週刊現代]

大手メディアの事件報道は、そのほとんどに「偏向報道」の要素がある。捜査機関が発表する情報だけを無批判に流す報道に、偏りがないわけはないのだ。本日発売の『週刊現代』(3月7日号)に寄稿した「自殺者まで! 古舘伊知郎『報ステ』の愚」と題する記事では、今月に無罪が確定した装飾銃販売の「冤罪事件」を<インターネットを通じて、日本国内の1000人に銃を密売>と報道していた『報道ステーション』(テレビ朝日系)の責任を追及している。

Gendai090307b Gendai090307 〔関連記事〕警察がでっち上げた「拳銃大量密輸・密売事件」控訴審で逆転「無罪」 US-MART事件

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2009/01/21

警察がでっち上げた「拳銃大量密輸・密売事件」控訴審で逆転「無罪」 US-MART事件

Kwada002 インターネットを利用した拳銃密輸・密売事件の主犯格として銃刀法違反などの罪に問われ、今年2月22日に神戸地裁で懲役10年などの判決を受け、控訴していた雑貨販売会社『US-MART』(米国オレゴン州)元経営者・和田晃三氏(50)の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。

和田氏は、「無可動銃」を米国から国内の顧客に向けて通信販売していたが、その商品について神戸地裁判決は「真正けん銃」の部品と認定。「けん銃部品の輸入の罪」にあたるとして有罪を言い渡していたが、この罪について大阪高裁は1審判決を破棄し、無罪とした。

「無可動銃」とは、実銃の発射機能を破壊した装飾品。一定の基準を満たしていれば、モデルガンと同様に合法的に販売が許されている。その基準を定めているのが警察庁だ。

和田氏は、事前に大阪府警の指導を受けたうえで、'00年に「無可動銃」の販売を開始していた。ところが'02年秋ごろから、兵庫県警などが突如、和田氏の商品を殺傷力のある「真正けん銃」として摘発にのりだす。全国の顧客に対して強制捜査を行い、警察は100丁以上の「無可動銃」を押収。科学捜査研究所(科捜研)の「鑑定」を根拠に、約150丁の「真正けん銃」の押収実績を計上し、マスメディアに向けて〝手柄〟を大宣伝した。その警察発表に尾ひれをつけて「1000人の邦人に銃密売」などと誇大に報道したメディアもあり、マニア向けの「無可動銃」通信販売が、大規模な「拳銃密輸・密売事件」に仕立て上げられていたのだ。

この『US-MART事件』で、警察の押収実績にカウントされたのは100丁以上の「真正けん銃」である。ところが国際指名手配を受け、'06 年1月に帰国した空港で兵庫県警に逮捕された和田氏が起訴されたのは、「けん銃」ではなく「部品」の輸入罪だった。しかも、その数はわずか8丁分だ。このギャップだけをみても、拳銃捜査の〝丁数〟偏重の異常さをうかがい知ることができるが、今回の逆転「無罪」判決は警察の〝捏造体質〟を浮き彫りにした。

大阪高裁は起訴された8丁分について、「けん銃部品」としての機能が残されていることを前提としながらも、和田氏の行為に違法性を認めなかった。判決は、和田氏が大阪府警を訪問して銃器の専門係官から指導を受けたり、警視庁の銃器対策課(当時)に電話で照会していた点を重視。「合法品の輸入を目的としていたことがうかがえる」とした。さらに、警察や税関の専門係官ですら違法性に気がつかなかったものを、被告人にこれを認識するよう要求することは過酷にすぎるとして、違法性の意識の可能性をも否定している。

Hujimoto002和田氏は、無罪となった「けん銃部品の輸入罪」とは別に、大阪府八尾市の実家で拳銃6丁とサブマシンガン1丁などを不法に所持していた罪でも起訴されていた。この件では、大阪高裁に7年の実刑を言い渡されている。

しかし、「けん銃部品の輸入罪」の共犯として有罪判決を受けた4人と50人を超える顧客の〝潔白〟を、和田氏とその弁護人の藤本尚道弁護士が、今回の高裁判決で勝ち取ったのだ。

〔関連記事〕『US-MART事件』和田晃三被告に懲役10年の実刑判決「神戸地裁」

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部品密輸「無罪」…拳銃所持「懲役7年」 大阪高裁 [産経ニュース]

2009.1.20 22:39

ガンマニアらに販売するため米国から拳銃部品を密輸、拳銃を所持したなどとして、銃刀法違反などの罪に問われた元銃砲店経営、和田晃三被告(50)の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。古川博裁判長は部品密輸について「違法性の認識はなかった」と無罪とした上で、懲役10年、罰金200万円(求刑懲役15年、罰金1000万円)の1審神戸地裁判決を破棄、懲役7年を言い渡した。

古川裁判長は、拳銃部品は輸入禁制品と認定。その上で、和田被告が事前に輸入許可基準などを相談した大阪府警の対応に触れ、「加工方法などについて不十分な指導しかしなかった。(有罪と認定すれば)捜査機関の落ち度を転嫁することになる」と述べた。

一方、平成15年7月に神戸市内の実父宅で拳銃など7丁を所持したとする銃刀法違反罪などは1審と同じく有罪とした。

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2008/11/17

プラスチック製でも「真正拳銃」にしてしまう拳銃捜査の怪

『平成20年上半期の薬物・銃器情勢』(警察庁)によると、今年上半期に全国の警察が押収した拳銃の総数は254丁だった。

拳銃の押収状況は、あいかわらず低迷をつづけているが、警察庁は前年同期にくらべて10丁(4.1パーセント)増加したことを指摘。その理由について、このような分析をくわえている。

「平成19年中の暴力団による抗争事件等の発生で、暴力団組織の実態把握の徹底によりけん銃に関する核心情報の収集が図られたほか、社会を震撼させるけん銃を使用した凶悪犯罪が発生したことで、けん銃の危険性が国民の間で広く再認識され、一般人からの届出等が増加したことなどの影響が、現在も継続しているものと考えられる」

Img008近年、「社会を震撼させた凶悪な拳銃使用事件」に、ほとんど例外なく暴力団の拳銃が使われていることは事実だ。ところが、今年上半期に「暴力団構成員等」から押収された拳銃は、わずか102丁。押収丁数全体に占める割合は40.2パーセントだった。約6割が「暴力団構成員等」以外(不明を含む)から押収されたわけだが、この構成比率は、かつてならマスメディアが「一般市民に拡がる銃の恐怖」などと騒ぎ立てたに違いない。しかし、凶悪事件に使用されているのは暴力団の拳銃である。その現実にかんがみれば、いかに警察の拳銃捜査が倒錯しているかがわかるはずだ。

「暴力団構成員等」以外から押収された拳銃のうち、真正拳銃は143丁。その半数近くが、以下のような代物だった。

■旧軍用拳銃-45丁(31.5%)

■プラスチック拳銃等-11丁(7.7%)

■古式銃-6丁(4.2%)

このうち旧軍用拳銃について、警察庁はつぎのような定義をもとに統計上の分類をしている。

「旧軍用けん銃」とは、けん銃の型式や発見時の状況等から、戦前・戦中に旧日本軍等から支給されていたものを終戦後も放置していた旧式けん銃をいう。主な銃種としては、日本製の南部14年式やベルギー製のブローニング等があり、外国製のものは概ね100年前の型式のものが多い。

旧軍の拳銃が犯罪に使用されたのは終戦後のことだ。現在、警察庁の統計にカウントされているのは、従軍者の遺族から警察が〝タナボタ式〟に領置した「遺品」がほとんど。そして古式銃は、おおむね慶応3年(1869年)以前に国内で製造、もしくは外国から伝来したアンティークだ。これも、使用事件に結びつくことは皆無にひとしい。

元軍人のおじいさんの形見も、収集家や博物館が所蔵する20世紀以前に製造された美術品や骨董品も、真正拳銃であることに違いはない。適合実包が入手できたとして、あとは銃のコンディションさえよければ実射はできる。しかし、警察発表をもとに銃器情勢を報道してきたマスメディアは、「プラスチック拳銃」が真正拳銃のカテゴリーに分類されているのか、なぜこれまで疑問に思わなかったのだろうか。プラスチック製では、無改造のまま実弾を撃てるわけがないことぐらい、素人にもわかりそうなものだ。

Twm500bkl この「プラスチック製拳銃」の一例が、先月に警視庁組織犯罪対策5課が遊戯銃メーカー『タナカ』(東京都北区)を家宅捜索し、摘発に乗り出した「S&W(スミス・アンド・ウェッソン)M500」のカシオペア・タイプというエアガンだった。低圧ガスを注入し、その圧力で樹脂製のBB(球状)弾を発射するリボルバー型。実銃を模した外観はリアルだが、ABSという耐衝撃性の樹脂で製造されている。構造は、あくまでガス式であって、装薬銃ではない。威力も、市販されている同種のガスガンとかわりなく、無改造では人畜を殺傷する能力はない。

ところが、これを警視庁は押収し、科捜研(科学捜査研究所)で「拳銃と同等の殺傷力がある」と鑑定したのだ。

タナカは、同型M500のペガサス・タイプというガスガンも製造・販売しているが、こちらはおとがめなし。現在も市販されている。双方ともに材質はABS樹脂で、本体の強度にも威力にも差はない。警視庁が、カシオペア・タイプだけを捜査の対象とした理由は、構造の特徴にあった。

従来型のペガサス・タイプは、本体に組み込まれたタンクに注入したガスの噴出圧を利用してBB弾を発射する仕組みなのに対し、カシオペア・タイプは回転式弾装に薬莢型の蓄圧式カートリッジを装てんする方式。その構造が、実銃のリボルバーと酷似している。

YouTube - タナカ M500 カシオペア

今回のM500と類似したケースに、モデルガンの老舗メーカー『国際産業』が製造・販売した「S&W・M29パワーアップマグナム」という蓄圧式カートリッジのガスガンが、'86年に真正拳銃と認定された事件がある。このM29が、今年上半期に押収された「プラスチック製拳銃等」の正体だ。真正拳銃と認定されてから20年あまり経ったいまも、M29パワーアップマグナムはインターネット・オークションなどを利用してマニア間で取り引きされることがあり、警視庁などが捜査情報の提供を呼びかけている。

[警視庁] インターネットオークション利用による違法銃器等販売事件の摘発

M500カシオペア・タイプは、薬莢型カートリッジ後方の中心部を打つM29パワーアップマグナムとは構造が異なる。装薬実包を激発できないように配慮して、バルブを前方から開放する仕組みになっていた。「蓄圧式カートリッジのガスガンはリスキー」という業界の常識がありながら、それを製品化したメーカー側には、脇の甘さがあったのかもしれない。しかし、無改造の製品の摘発に踏み切った警察側のやり方にも疑問がある。

警察発表をそのまま報じるメディアの論調は、さも出荷時の状態のままで殺傷力があるかのように錯覚させる。

金属弾発射で新型エアガンに殺傷能力か 警視庁捜査(産経新聞) - 11月 9日

新型エアガンに殺傷能力か=銃刀法違反容疑で製造会社捜索-800丁押収・警視庁(時事通信) - 11月 9日

新型エアガンに殺傷能力、800丁を警視庁押収(読売新聞) - 11月 9日

エアガンに殺傷力 銃製造会社を捜索 東京(産経新聞) - 11月11日

<新型エアガン>拳銃並み殺傷能力…800丁押収 警視庁(毎日新聞) - 11月10日

だが、「薬きょうの強度を上げ、ガスの代わりに火薬を詰めた場合、金属弾を発射することが可能になり、拳銃と同様の殺傷能力がある」と、警察が発表しているように、実際には無改造で装薬銃として使用することは不可能なのだ。

科捜研は、特製の薬莢や装薬弾を自作したり、激発装置や銃身を補強するなど、「鑑定」の域を超えた〝改造〟を当たり前のように行なう。改造を施したところで、「プラスチック製拳銃等」の性能は実用に値しないし、社会を震撼させる凶悪犯罪に使用されたためしもない。それでも科捜研は、もてる技術の粋を結集して改造に精をだす。無改造で「殺傷力を有する」と鑑定すれば、警察は手軽に「真正拳銃」の押収丁数を増やすことができるからだ。

もとがプラスチック製のオモチャでも、それを不法に改造して殺傷力をもたせたものを所持や売買をする者がいれば、「改造拳銃」として厳しく取り締まるのは警察が果たすべき正義。だが、そのままでは撃てないオモチャを「真正拳銃」と偽るのは詐欺だ。

「プラスチック製拳銃」で押収丁数は増えたが、暴力団の真正拳銃によって死傷者が増加するという、本末転倒な結果をまねくことは避けてもらいたい。

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