2014/06/27

「冤罪弁護士」佐藤博史氏が<戒告処分>受けた恥トラブル 〔フライデー〕

<足利事件>や<PC遠隔操作事件>の主任弁護人としてその名を知られた佐藤博史

Friday

弁護士。そんな佐藤弁護士が所属する第2東京弁護士会から<戒告>の懲戒処分を受けていたことを、日本弁護士連合会が広報誌『自由と正義』(2014年6月号)で公告した。
佐藤弁護士は'02年から'09年にかけての約7年間、のちに金融商品取引法違反の罪で有罪判決を受けた『サンラ・ワールド社』の法律顧問を務めていた。その間に同社から得た報酬等は、総額で約2億円。今回の懲戒処分は、この巨額報酬の一部について、適切な説明せずに高額な報酬を『サンラ・ワールド社』に請求していたことなどが<非行に該当する>とされた。

本日発売の『フライデー』(2014/07/11日号)では、津田哲也が佐藤弁護士を直撃取材。懲戒の事由となった高額報酬について、日弁連元会長の宇都宮健児氏のコメントも掲載している。


「悪魔が完全な仮面をかぶっていた」

 保釈中だった片山祐輔被告(32)が、稚拙な自作自演の“真犯人メール”で馬脚を現したPC遠隔操作事件。5月22日、会見で目に涙をためながら発言したのは、主任弁護人の佐藤博史氏である。

 かつて東大ロースクールで佐藤氏の授業を受けた法曹関係者は、こう苦笑する。

「目立ちたがりの佐藤先生らしいなと思いましたよ。今後は情状酌量を求めるだけなのに、あんな会見をする必要があったのか疑問です。授業の様子ですか? 当時はまだ世間の耳目を集める存在ではなかったものの、刑事法の専門家として上から目線で自分の手柄話を披露していました」

 一方、急な手のひら返しに同業者からは厳しい意見が。

「起訴事実を一転して認める方針になったとはいえ、結審していない公判の被告人について、人格を否定するような発言をするのは、弁護士の職業倫理として不適切。懲戒請求ものですよ」(刑事訴訟に詳しい弁護士)

 足利事件で菅家利和さんの無罪を勝ち取るなど“冤罪事件のヒーロー”として名高い佐藤氏だが、単なる人権派弁護士というわけではない。

「社会正義と金銭欲の両立を追い求める稀有な弁護士です。評論家の増田俊男氏が約250億円を集めて金融商品取引法違反の判決を受けた『サンラ・ワールド事件』では、サンラ社の顧問弁護士として計2億円の報酬を受け取っています。その原資は被害者のお金ですが、佐藤氏が反省や謝罪の言葉を口にしたことはありません。また、足利事件では1000万円を持ち出して手弁当で支援したことが美談になっていますが、司法記者に対して自分と菅家さんに5万円ずつ『取材謝礼』を要求して批判されました」(ジャーナリスト・津田哲也氏)

 トラブルも多く、たびたび懲戒請求をかけられている。

「交通事故の依頼業務放置で戒告処分を受けており、つい先日も2件目の戒告処分があったことが判明しています。また、ある裁判の証言者に対して、『事件はカネなり』と話していたことがありますが、彼の本性を表している言葉だと思います」(同前)

 会見では片山被告に「ありのままであれ」と呼びかけた佐藤氏。だが、剥き出しの欲望に世間は辟易している。

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2014/03/01

太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所) が「詐欺的行為の助長」を認定された2審の敗訴判決が確定へ…最高裁が上告棄却

藤田泰裕行政書士(かなめ行政書士事務所)のブログ記事が<不正競争防止法>に規制される「競争者営業誹謗行為」にあたるとして、太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所) が損害賠償などを求めた民事訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は2月28日付で太田弁護士の上告を棄却する決定を出した。

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この訴訟は、1審の東京地裁判決(高野輝久裁判長)は藤田行政書士に50万円の支払いなどを命じ、原告の太田弁護士が勝訴していた。しかし、2審の知財高裁判決(設樂隆一裁判長)は1審の判決を取り消し、太田弁護士の請求を棄却。藤田行政書士の逆転勝訴となった。


さらにこの判決のなかで、太田弁護士は「控訴人(藤田行政書士)に対し、本件各先行記事の削除を求めるなどし、結果として、南洋の詐欺的行為を容易にする方向で活動する結果となった」と認定されている。


太田弁護士にとっては、みずからが起こした訴訟で墓穴を掘る格好となった2審知財高裁判決が確定する。

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2014/01/14

太田真也弁護士「悪徳弁護士退治」活動の原点<ナマコ詐欺事件>「南洋」社長に懲役12年 〔東京地裁〕

乾燥黒ナマコ事業などへの投資を名目にした詐欺事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われていた『南洋』社長の中元雅二被告の判決公判が、きょう午前、東京地裁であった。

中元被告は、「業務委託をしていた勧誘グループが勝手にやったことで、詐欺との認識はなかった」などとして無罪を主張していたが、東京地裁は「(中元被告が)詐欺を行なうための組織を統括管理、指揮命令し、詐欺集団の頂点に立って実行した被害回復型詐欺」として懲役12年(求刑懲役15年)を言い渡した。

【関連記事】<ナマコ詐欺事件>「南洋」社長・中元雅二被告に懲役15年求刑 2013/10/30



この<ナマコ詐欺事件>をめぐっては、中元被告らが逮捕された'12年2月以前、同被告から委任を受けた太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所)が『南洋』の詐欺商法を批判した複数のブログ記事などの削除を求める仮処分を申し立てていた。これに失敗すると、太田弁護士は批判記事を書いた藤田泰裕行政書士と<NEWS RAGTAG>管理者の津田哲也に対して、損害賠償などを求める民事訴訟を濫発している。

それらの法廷闘争のうち、藤田行政書士を被告とした訴訟で、太田弁護士は東京地裁の1審で勝訴したものの、知財高裁の2審で逆転敗訴(太田弁護士側が上告中)。その控訴審判決のなかで、「控訴人(藤田行政書士)に対し、本件各先行記事の削除を求めるなどし、結果として、(太田弁護士は)南洋の詐欺的行為を容易にする方向で活動する結果となった」と認定されているのだ。

【関連記事】「悪徳弁護士退治」を旗印にする太田真也弁護士「詐欺的行為を容易にさせた」と認定された"痛い判決"全文を公開 2013/09/29



そんな太田弁護士は現在、<弁護士と闘う!>というブログの管理者で<日本弁護士被害者連絡会>なる自主団体の会長を自称する会社員とコンビを組んで、「悪徳弁護士退治」をキャッチフレーズに依頼者を募っている。そして、そのコンビの由来は<ナマコ詐欺事件>にある。

<郷原は徳の賊>ということに、ならなければよいのだが。

<参考記事>悪徳弁護士退治させていただきます。AKUTOKUバスターズ参上!〔弁護士と闘う!〕

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2013/10/30

<ナマコ詐欺事件>「南洋」社長・中元雅二被告に懲役15年求刑

2百数十人の高齢者らから総額約7億8000万円をだまし取ったとされる<ナマコ詐欺事件>で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた『南洋』社長の中元雅二被告の裁判は、東京地裁で28日、論告求刑公判があった。

刑務官に連行され、グレーのスーツ姿で出廷した中元被告は「勧誘方法については、集めた出資金の5割を支払って外部(日本危機管理研究所)に業務委託に任せていたため、まったく知らず、詐欺の認識はなかった」などとして無罪を主張。検察側は「南洋名義の口座が凍結され、岡山、徳島、群馬、大分などの各警察からの問い合わせもあり、それに自身が対応していたことなどから、被告が勧誘方法を知らなかったとは考えられない。南洋を頂点として組織的に行われた被害回復型の詐欺であり、被告はその首謀者だった」などとして懲役15年を求刑した。判決は、来年1月14日に言い渡される。

この事件については、昨年2月に中元被告ら17人が警視庁に逮捕される以前から、インターネット上には南洋の詐欺的商法を批判する書き込みが多数あった。それらの削除依頼の業務を、同社から受任していたのが東京弁護士会に所属する太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所)だ。南洋が本社を置いていた東京都港区赤坂の三会堂ビル内の同社事務所からは、<太田弁護士>と表記され、インターネットの書き込みをプリントアウトしたものを綴じたファイルも押収されている。

南洋から受任した削除依頼をめぐって太田弁護士は、藤田泰裕行政書士を相手に起こした民事訴訟の控訴審で敗訴(太田弁護士側が上告中)し、その判決のなかで「(南洋の)詐欺的行為を容易にした」と認定されたことは既報のとおり。この南洋の代理人としての詐欺的行為の助長を事由として、藤田行政書士が行った懲戒請求のヒアリングも、今月24日に東京弁護士会綱紀委員会であったばかりだ。


【関連記事】「悪徳弁護士退治」を旗印にする太田真也弁護士「詐欺的行為を容易にさせた」と認定された"痛い判決"全文を公開 2013/09/29


いまだ疑惑が晴れないさなかに太田弁護士は、岡山弁護士会所属の弁護士が8億6000万円を横領したとされる事件の被害者が運営する「岡山弁護士会被害者の会」の集会に、被害者側支援の弁護士として出席するという。


<参考記事>「岡山元弁護士巨額詐欺横領事件」福川事件を知る男を身障者手帳不正取得で逮捕〔弁護士と闘う!〕


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2013/09/29

「悪徳弁護士退治」を旗印にする太田真也弁護士「詐欺的行為を容易にさせた」と認定された"痛い判決"全文を公開

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東京弁護士会に所属する太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所)が、行政書士を相手に争った民事訴訟で1審(東京地裁)を勝訴したものの、知財高裁の控訴審で逆転敗訴。その2審判決のなかで、太田弁護士が「南洋の詐欺的行為を容易にする方向で活動する結果となった」と認定されたことは、判決当日の25日に<NEWS RAGTAG>は報じた。今回は、その判決書の全文を公開する。

判決書全文 

判決の認定に登場する『南洋』とは、乾燥黒ナマコ事業への投資などを名目に290人から現金をだまし取り、昨年2月に社長ら17名が詐欺の疑いで警視庁に逮捕された会社。この詐欺事件では、確認できているだけですでに、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪で起訴された3名が懲役4年6月から7年6月の実刑判決を受けている。社長の中元雅二被告は「無罪」を主張して現在、東京地裁で公判中だ。

そんな会社の代理人となり、「詐欺的行為を容易にさせた」と認定されたのだから、弁護士としては“痛い判決”というほかない。本来なら、こういった弁護士のスキャンダルに真っ先に食いつき、叩きはじめるのが弁護士糾弾の専門ブログ<弁護士と闘う!>のはず。ところが、同ブログの管理者で<日本弁護士被害者連絡会>なる自主団体の会長を名乗る市井信彦氏は、ひたすらダンマリを決め込んでいる。

それもそのはず、太田弁護士は市井氏と盟友関係にある<弁護士と闘う!>イチオシの弁護士なのだ。
“痛い判決”にいたる紛争の発端が、南洋の詐欺的行為を指摘するブログ記事を書いた藤田泰裕行政書士に、太田弁護士が同社の代理人として記事の削除を求める通知書を送りつけたことだったことは、25日の記事で伝えたとおり。

紛争の当初、市井氏は先陣を切って、太田弁護士と南洋を苛烈に批判していた。しかし、太田弁護士が藤田行政書士のブログと<NEWS RAGTAG>、そして<弁護士と闘う!>に掲載された関連記事の削除を求める仮処分を東京地裁に申し立てると、たちまち市井氏は意気消沈する。
藤田行政書士と<NEWS RAGTAG>管理者の津田哲也は、太田弁護士の仮処分申し立てに最後まで争ったが、市井氏は違う。そそくさと当該記事を自主的に削除して、太田弁護士に降伏したのだ。

その後、太田弁護士が申し立てた仮処分は、ほとんどを認められずに失敗に終わる。そしてブログ記事をめぐる紛争は、計4件の訴訟へと発展した。知財高裁の“痛い判決”は、そのなかの1件だ。
市井氏は、早々と降参することで、訴訟を逃れただけではなかった。藤田行政書士と津田が訴訟を争うなか、相手方の太田弁護士とパートナーシップを結んだのだ。ふたりは<AKUTOKUバスターズ>なるコンビを組んで、<弁護士と闘う!>のブログ上でクライアントを募集。「悪徳弁護士退治」と称して、弁護士を相手に訴訟や懲戒請求などを連発した。

<参考記事>悪徳弁護士退治させていただきます。AKUTOKUバスターズ参上!〔弁護士と闘う!〕


きょう更新された<弁護士と闘う!>の最新記事で、相手方代理人を「連れ去り弁護士」と誹謗する民事訴訟の弁論準備手続きの様子が報告されているが、この裁判の原告の「元夫」は市井氏と懇意な間柄の人物。そして、その代理人は太田弁護士だ。


<参考記事>間接強制命令が出ても子どもに会わせない「連れ去り弁護士」の心ない一言 〔弁護士と闘う!〕


じつはこの「元夫」も、かつては市井氏とともに、太田弁護士とのあいだの軋轢があった。東京弁護士会に太田弁護士の懲戒を請求していたが、それも市井氏の“降伏”とともに取り下げたらしい。そして、いまでは太田弁護士と、依頼人と代理人の関係になっている。


【関連記事】「神田のカメさん弁護士」第2の懲戒請求をあざ笑う 2011/11/14


市井氏が“痛い判決”を無視したまま、太田弁護士を推薦しつづけることに、<弁護士と闘う!>経由の顧客は疑問を感じないのだろうか。


<参考記事>「弁護士と闘う」を批判する!!〔かなめ行政書士事務所〕

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2013/09/25

太田真也(神田のカメさん)弁護士が当事者の民事訴訟2審で完膚なきまでに「逆転敗訴」〔知財高裁〕

藤田泰裕行政書士(かなめ行政書士事務所)のブログ記事が<不正競争防止法>に規制される「競争者営業誹謗行為」にあたるとして、太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所) が訴えを起こしていた民事訴訟の控訴審判決が25日午後、東京・霞ヶ関の知財高裁であった。

知財高裁の設樂隆一裁判長は、1審の「被告は故意により、競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布したものと認められるから、不正競争防止法2条1項14号4条により、原告に対する損害賠償責任を負う」として、50万円の支払いやブログ記事の一部の記述を削除することなどを藤田行政書士に命じた東京地裁判決(高野輝久裁判長)を取り消し、太田弁護士の請求を棄却。訴訟費用も、1審2審ともに全額を太田弁護士の負担とした。


関連記事】太田真也弁護士(神田のカメさん)側が1審勝訴の<不正競争防止法(信用棄損)訴訟> で藤田泰裕行政書士側が控訴 2012/12/11


今回、判決のあった訴訟の控訴審は、太田弁護士と藤田行政書士が‘11年秋から展開してきた<かなめくじウォーズ>の延長線上にある。この紛争は、藤田行政書士が北マリアナ連邦サイパン籍の『南洋』(日本支店・東京都港区)という会社の詐欺的な投資募集を批判する記事を、自身の運営するブログに書いたことが発端だ。

太田弁護士は南洋の代理人となって‘11年10月、藤田行政書士に対してブログ記事が「事実に反する」として、削除を求める通知書を送った。しかし、この要求に藤田行政書士は応じなかった。すると太田弁護士は、自身のブログに藤田行政書士を誹謗中傷する書き込みをはじめる。

藤田行政書士の事務所名をもじった<かなめくじ>なる自作のキャラクターになぞらえて、「じめじめとして陰湿で、陰険で、ストーカーのように粘着質」「ねたみ、ひがみ、そねみ、コンプレックス、歪んだ正義感、過ぎた名誉欲などの負の感情が集まり、具現化した」などと書いたのだ。

この太田弁護士のブログ記事に信用・名誉を毀損されたとして、藤田行政書士は記事の削除と損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。その判決は昨年8月に出ているが、<(藤田行政書士が)名誉を毀損され、また、名誉感情を侵害されて精神的損害を被ったものということができる>として、太田弁護士に15万円の支払いを命じている。同訴訟は双方が控訴したが、いずれも棄却され、太田弁護士の敗訴が確定している。

これに対し、太田弁護士は報復的に、藤田行政書士らを被告とした2件の訴訟を起こした。そのうちの1件が、25日に控訴審の判決があった<不正競争防止法>訴訟だ。知財高裁の判決は、南洋の関係者ら17名が昨年2月に詐欺容疑で逮捕され、その一部の者がすでに組織的な詐欺の罪で有罪判決(社長の中元雅二被告は現在公判中)を受けていることを指摘。そのうえで「被控訴人(太田弁護士)が受任当時において弁護士として必要な調査をすれば、南洋が詐欺行為をしている蓋然性が高いことに気が付くことは可能であった」とし、「控訴人に対し、本件各先行記事の削除を求めるなどし、結果として、南洋の詐欺的行為を容易にする方向で活動する結果となった」と、太田弁護士の<善管注意義務>を問題視する認定をした。


関連記事】<南洋株式会社>ナマコ詐欺事件 高齢者らを食い物にした「被害回復型」だましの手口 2013/05/28


みずから起こした訴訟で失態を露呈させて“ヤブヘビ”になった太田弁護士は、<弁護士と闘う! >というブログを主宰する市井信彦氏と<AKUTOKUバスターズ >なるチームを結成し、「悪徳弁護士の退治」をキャッチフレーズに活躍中だ。

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2013/05/28

<南洋株式会社>ナマコ詐欺事件 高齢者らを食い物にした「被害回復型」だましの手口

乾燥黒ナマコ事業への投資などを名目に高齢者など290人が現金をだまし取られた<ナマコ詐欺事件>で、組織犯罪処罰法(組織的詐欺)違反の罪に問われている『南洋株式会社』社長の中元雅二被告の公判が24日、東京地裁であった。

この日の公判では、同事件で被害者の勧誘を行なっていた<実行部隊>のメンバーのひとりが検察側の証人として出廷。「勧誘部隊が勝手にやったこと」などとして、詐欺への関与を否定しつづけている中元被告の主張を覆す証言をした。

証言台に立ったのは<実行部隊>のナンバー2とされた男で、すでに懲役7年6月の実刑判決が確定し、現在服役中のⅠ受刑者。逮捕された当初は、事件関係者からの報復を恐れて黙秘していたⅠ受刑者だが、勾留中に被害者に対する謝罪の気持ちなどから反省し、罪状を認めたという。

『南洋株式会社』の<実行部隊>は複数あったが、そのなかのひとつで、現在公判中の大久保雄太被告が率いた<大久保グループ>に、Ⅰ受刑者はいた。<大久保グループ>の初期のアジトは、東京都港区赤坂のマンション「赤坂七番館」の一室にあった。わずか15畳ほどのスペースにⅠ受刑者を含む12、3人の“架け子”が詰め、詐欺の電話勧誘を行なっていたという。

その手口は、まずⅠ受刑者らがインターネットなどで、“カモリスト”といわれる投資詐欺の被害者の名簿を購入する。そして、この名簿をもとに、加害会社の元社員になりすました“架け子”が片っ端から電話をかけていく。

「スイスの隠し口座に隠されていた資産がみつかりました。これで、あなたが被害に遭った損失金を取り戻すことができます」

電話に出た被害者が関心を示したら、こう切り出す。

「返還されるお金を受け取るには、救済団体に連絡をとって手続きをする必要があります」

<元社員役>は救済団体を紹介するが、それは実在はしない団体だった。被害者が電話をかけ、つながるのは<元社員役>が詰めているアジトの別の電話。応対するのは、救済団体員を装った“架け子”だ。『南洋株式会社』の詐欺の<実行部隊>は、こうした架空の団体名をだいたい2ヵ月ごとに変え、使った名称は10を超えるという。警察への被害相談の件数が、同じ名称で増えれば、それだけ摘発を受けるリスクが高くなるからだ。

<団体員役>の“架け子”は、問い合わせのあった被害者に対して、最初にアプローチした<元社員役>のすぐ傍でウソの説明をする。

「あなたの損害を受けたお金を返す手続きをすすめるには、被害額の30%に相当する有価証券を預けていただかなければなりません」

そして、被害者が<団体員役>から「信用できる優良な会社」として紹介されるのが『南洋株式会社』。応対するのは、同社の社員を名乗る詐欺の<実行部隊>の“架け子”だ。この<社員役>を担当していたのがI受刑者だった。証券外務員の資格を持っていたことなどから、この役割を受けもたされた。

「南洋の社債を買って救済団体に預ければ、3ヵ月後には過去の損失の全額を取り戻せ、しかも高額な特別配当も支払われます」

虚偽のセールストークを使って、I受刑者ら<社員役>の“架け子”は被害者を勧誘していく。この電話勧誘で話がまとまれば、『南洋株式会社』社長の中元被告が“受け子”となって、直々に被害者から現金を集金した。<実行部隊>の詐欺行為が開始された'10年12月から半年も経たない'11年5月以降、3つの金融機関に開設されていた『南洋株式会社』が<振り込め詐欺救済法>に基づいて凍結されてしまったからだ。

I受刑者はアジトで電話勧誘をはじめてから2、3日目頃には、すでに自分たちの行為が詐欺であることを認識していたと証言している。中元被告の公判で、検察側の証人として同事件の共犯者はI受刑者で3人目。先に召喚されたほかの2名も、およそI受刑者と同様の証言をしており、いずれも罪状を認めてすでに実刑判決を受けている。その量刑は、それぞれ7年6月と4年6月だ。

『南洋株式会社』社長の中元被告は、現在も<無罪>を争っている。しかし、中元被告の指示あるいは承認の有無にかかわらず、『南洋株式会社』に渡った資金が<被害回復型詐欺>によって被害者からだまし取られたものであった事実は変わることはない。

次回の中元被告の公判は6月18日午後、東京地裁715号法廷で開かれ、大久保被告の証人尋問が行われる予定だ。

 【関連記事】<弁護士と闘う!>と提携する太田真也弁護士(神田のカメさん)が行政書士と闘う<かなめくじウォーズ>端緒の「ナマコ詐欺事件」を追う ①

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2013/05/16

弁護士のあり方を問う2つのイベント

今月から来月にかけて、弁護士の職業倫理を考える集会が、東京と大阪である。

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そのひとつは<5.26 変えよう日本の離婚実行委員会>が主催し、<日本弁護士被害者連絡会>の協賛で開催される『面会交流と間接強制 ~子どもに会える別れ方研究~』と題するシンポジウムだ。離婚後の子どもとの面会交流の問題をテーマにしたイベントのようだが、メインパネリストは<日本弁護士被害者連絡会>の会長を名乗り、弁護士の非行を糾弾するブログ<弁護士と闘う!>を運営する市井信彦氏と太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所)。このご両人はというと、近ごろ<AKUTOKUバスターズ>なるチーム(?)を結成し、「悪徳弁護士退治」を旗印に怪気炎を上げる弁護士叩きの最右翼的なコンビだ。

悪徳弁護士退治させていただきます。AKUTOKUバスターズ参上! 〔弁護士と闘う!〕

そして、イベントの第1部に登壇するのは市井氏。岐阜市議会の大西隆博市議をゲストに招き、離婚事件で子どもに会わせない弁護士を実名でバンバン晒す予定らしい。2部で「間接強制をとった弁護士」として講演する太田弁護士は、おなじ部の別の出し物のテーマになっている「裁判所の調査官を訴えた国賠訴訟」の代理人でもある。この訴訟を含めて、太田弁護士が代理人となった訴訟の口頭弁論が17日、東京地裁で2件ある。このうちの1件は、間接強制に応じない債務者である元妻と、その元代理人の弁護士に義務の履行や損害賠償を求める訴訟だ。

「離婚事件・面会交流を求める」裁判のお知らせ 5月17日東京地裁 〔弁護士と闘う!〕

26日のイベントは離婚事件をテーマにしつつも、予告を見るかぎりでは<AKUTOKUバスターズ>の“旗揚げ公演”ともいえそうな内容になっている。

ふつう弁護士は、弁護士や裁判所職員を訴える訴訟の代理人にはなりたがらない。それを太田弁護士は引き受ける、というのが<AKUTOKUバスターズ>のウリとするところ。その存在は、離婚や別居によって子どもと理不尽に引き離されている親や、弁護士の不当行為の被害に泣いている人にとっては“救いの神”ともいえるだろう。しかし、それはあくまで公平性に配慮があればの話。もしも、依頼者の主張にウソや不当な目的があった場合には、紛争の相手方や代理人の弁護士らに対する嫌がらせ行為を助長することにもなりかねない。つまり<AKUTOKUバスターズ>には、その運営方針に偏りがあったとすれば“諸刃の剣”となりうる危うさがあるのだ。

<弁護士職務基本規程>の第31条は「弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない」と定めて、弁護士が不当な事件を受任することを禁じている。また同規定の第14条には「弁護士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない」とされるが、これらのしごく当然のモラルに背く弁護士もいる。

弁護士が、不当な業務を受任することの不正義について問題を提起するのが、来月に大阪で開催されるもうひとつのイベントだ。<悪徳・非行弁護士の闇を暴くシンポジウム>と題する集会で、主催はパナソニックPDP偽装請負訴訟の元原告で<吉岡力企画>代表の吉岡力氏。吉岡氏のほか、行政書士の藤田泰裕氏や<NEWS RAGTAG>の津田哲也らがパネリストを務める。

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2013/03/26

<弁護士と闘う!>と提携する太田真也弁護士(神田のカメさん)が行政書士と闘う<かなめくじウォーズ>端緒の「ナマコ詐欺事件」を追う ②

「高齢者の方々が、何十年も働いて貯めた大切なお金をだまし取る『振り込め詐欺』をやっているという認識は、最初からありました」

<ナマコ詐欺事件>で懲役4年6月の実刑判決が確定している受刑者のOは、同事件で組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われている『南洋』社長・中元雅二被告の3月21日に開かれた公判で、検察側の証人として証言した。

O証人は、『南洋』の傘下にいくつかあった詐欺の<実行部隊>のグループのひとつで、大久保雄太被告(組織的詐欺罪公判中)が率いた「大久保グループ」に所属する末端のメンバーだった。

トビ職人だったO証人が、トビの先輩の大久保被告から「営業職の仕事がある」と誘われ、中元被告とホテルオークラ東京の1階にある「バーハイランダー」で面接したのは'11年の1月。そのとき彼は、業務の内容が明らかな詐欺だったことから、警察の捜査などに対する不安を漏らした。

すると中元被告は、こう答えたという。

「配当金を(被害者に)払っているから大丈夫だ。それに中国とサイパンがバックについてる。国と国との国交問題になるから、警察は(南洋に)手が出せない。仮に、警察が乗り出すようなことがあったとしても、かならずキミたちを守るから安心しろ」

それからO証人は、警視庁に逮捕される前日の'12年2月19日までの1年余り、月額15万円というわずかな給料で詐欺の<実行部隊>として働くことになった。

『南洋』の事務所とは別に設けられた"秘密アジト"に詰めたO証人ら<実行部隊>は、カモリスト(詐欺や悪質商法の被害者名簿)をもとに勧誘を行っていた。

電話をかける<掛け子>が演じた役回りは三つ。まず、一つは「ワールドオーシャンファーム」や「オールイン」などの詐欺会社の<元社員役>だ。加害会社の元社員を装い、詐欺の被害に遭った人たちに片っ端から電話をかけて、「××社で損害を受けたお金が返ってきます」などと持ちかける。その話に相手が興味を持ってくると、<元社員役>は「日本返還救済協会(SSJP)」などの架空の救済団体と連絡を取ることをすすめる。この救済団体の団体員を演じるのも、<元社員役>とおなじアジトに詰める別の<掛け子>だ。

そして「返金の手続きにかかる費用を、信用できる会社が発行する社債の配当でまかなってください」と"救済団体"が推薦した優良企業として、最後に登場するのが『南洋』の社員役を演じる<掛け子>だった。

O証人は<元社員役>を担当していたが、被害者から現金を受け取る<受け子>の役目もさせられた。振り込め詐欺に使われたとして、南洋の銀行口座が<振り込め詐欺救済法>に基づいて凍結され、新たに口座を開設することもできなくなったからだ。

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詐欺会社の元社員を装って偽名で電話勧誘し、本名を刷り込んだ名刺を持たされ、『南洋』の社員として被害者から直接集金する。その現金は、平日なら三会堂ビル(東京都港区赤坂)にあった『南洋』の事務所へ届け、ほとんどは社長の中元被告に直に手渡した。また、事務所が閉まっている土日には、銀座などで中元被告と落ちあって引き渡している。

そんなリスクの高い一人二役をこなしていたO証人に、中元被告は「もしも警察に捕まったときは、『ただ現金を取りに行っただけだ』と言え」と指示していたという。

'12年2月20日に逮捕されたO証人は、捜査段階では頑なに黙秘を通したが、裁判では実刑判決に控訴もせず、刑が確定している。ところが一方、逮捕前には「かならず守る」と言っていたはずの中元被告が、法廷で「(大久保グループなどの)詐欺グループが勝手にやったことだ」と証言し、現在もなお<無罪>を主張しつづけているのだ。

そのことに対する怒りもあってか、逮捕後の独居房の中で罪を悔い改めたというO証人は、厳しい口調で中元被告の主犯性を訴えた。

「中元さんは南洋の社長で、被害者からお金を回収することもやっていた。中元さんは詐欺のトップ。大久保の上です。やっていたことは、高齢者をだます振り込め詐欺。もしも自分の祖父母が、同じような手口で被害に遭っていたら、絶対に許せなかったと思います」

『南洋』の手口は、典型的な<被害回復型>の詐欺だった。公的機関の名を騙ったり、月々1000万円という常識ではあり得ない高額な配当や、元本保証を謳うなどの勧誘もしていた。

絵に描いたような詐欺の手口。一見して真っ当な会社とは言いがたかった『南洋』。その怪しさもあってか、金融商品取り引きを名目にした詐欺にしては比較的短命だった。

投資詐欺は一般に息が長い。主宰者が配当の支払いをつづけ、返金請求に応じているうちは被害が表面化しないからだ。集めた資金を配当などにまわしているだけの自転車操業であっても、それが破綻するまでは、警察も捜査介入しようとはしない。

ところが『南洋』の詐欺行為は、わずか14ヵ月ほどで終焉を迎えた。

彼らの"営業"が始動したのは'10年12月。その翌年の'11年8月頃には、はやくも被害者か3ら返金を求めるクレームが増えはじめた。『南洋』の口座が金融機関に凍結されたのも、この頃だった。そして、それから半年ほどのちの'12年2月に警視庁の強制捜査が入り、中元被告ら17人が逮捕されている。

『南洋』の"詐欺稼業"を短命にした原因のひとつに、インターネット上の批判があったのかもしれない。少なくとも中元被告は、それを強く意識していたようだ。

前回の中元被告の公判で証言台に立った元幹部のA証人の証言からも、インターネットの批判記事の削除対策に、中元被告が躍起になっていた様子がうかがえた。

「ネット上の評判を、中元社長は『デタラメだ』と言っていました。『ネットの書き込みを削除させている。裁判所への(仮処分の)申し立てや、検索で表示される順位を変えさせるなどの手配している』などという話を('11年)11月下旬に聞いていました」

実際、『南洋』の営業の違法性を指摘し、批判したインターネット上の書き込みは、わりと早い時期からあった。そのなかのひとつが、藤田泰裕行政書士が運営するブログの記事だった。悪質商法と闘ってきた藤田行政書士は、'11年5月に知人の女性が『南洋』から電話で勧誘を受けた内容を聞き、「被害回復型の詐欺ではないか」との疑いを抱いた。そして同年6月と9月に、2回の批判記事を書く。するKame_ininと2回目の記事を公開した翌月の10月5日、藤田行政書士の事務所の一通の内容証明郵便が届いた。

それは『南洋』に関するブログ記事の削除を求める通知書だった。

差出人は、『南洋』代理人の太田真也弁護士(神田のカメさん法律事務所)。この通知書が、のちに藤田行政書士と太田弁護士とのあいだに起きる<かなめくじウォーズ>の発端となる。

つづく

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2013/03/20

<弁護士と闘う!>と提携する太田真也弁護士(神田のカメさん)が行政書士と闘う<かなめくじウォーズ>端緒の「ナマコ詐欺事件」を追う ①

乾燥黒ナマコ事業などへの投資勧誘にからんで昨年2月20日、サイパン籍のファンド運営会社『南洋』(東京都港区赤坂)の関係者17名が詐欺の疑いで警視庁に逮捕(起訴後に組織犯罪処罰法違反⦅組織的詐欺⦆罪へ訴因変更)された事件で、あす同社社長の中元雅二被告らの公判が東京地裁である。

3月21日(木)東京地裁715号法廷

中元 雅二被告:午前10時00分

大久保雄太被告:午後1時15分

1月28日に開かれた前回の公判では、中元被告らとともに昨年2月に逮捕された南洋グループ元幹部のAが検察側の証人として出廷した。逮捕されるまではクレーム処理を担当し、すでに懲役7年6月の実刑判決を受けている人物だ。

「サイパンでシルバー事業を計画している。6億円から7億円ほどの資金を集めるのに協力してもらえないか」

社債販売で悪名高い「アフリカントラスト社」(現ワールド・リソースコミュニケーション社)の渉外係をしていたA証人が、知人から紹介を受けた中元被告にスカウトされたのは'10年11月のこと。その資金集めに、中元被告が提示した期間は3、4ヵ月間だったという。

その頃に、A証人はホテルオークラ東京で、同事件の共犯として公判中の大久保雄太被告との顔合わせもしている。大久保被告は、『南洋』の<実行部隊>ともいえる電話勧誘グループのひとつを管理する立場にあった。15人ほどの<掛け子>を擁した「大久保グループ」は、東京都港区赤坂3丁目のマンション<コンチネンタルアパートメント赤坂>の一室をアジトに使い、シルバー事業への投資を名目にした資金集めを担当。A証人も『南洋』の一員となり、“営業”は'10年12月にスタートした。

<ナマコ・ファンド>を担当したのは、「大久保グループ」とは別の<ローズ赤坂>というマンションの一室にアジトを置いた「ハナザワ・グループ」だった。

『南洋』が「日本支店」と称した事務所を赤坂1丁目の<三会堂ビル>9階に設け、ナマコNamako4事業のパンフレットができ上がったのは'11年4月頃。乾燥黒ナマコ事業への投資を名目とした資金集めの準備が整ったかのようにみえた矢先に、大久保被告が「辞めたい」と言いだしたのだという。

この頃、大久保被告が管理していた十数名いた<掛け子>のうちの半分ぐらいが辞めていた。そのためか「大久保グループ」はアジトを<ローズ赤坂>に移し、「ハナザワ・グループ」と同室で活動する。しかし、それから間もない6月頃に「ハナザワ・グループ」は解散。「大久保グループ」は<赤坂桧町レジデンス>の一室にアジトを替えた。

<掛け子>が詰める秘密のアジトは、南洋の事務所とは違ったマンションの一室に用意された。そこに社長の中元被告が立ち寄ることは、ほとんどない。しかもメンバーの集合離散は激しく、短期間のうちにアジトを転々とする。それだけでも、まともな会社ではないことを知るには十分な怪しさだが、証人が南洋の資金集めの違法性を認識せざるを得ない不穏な出来事が次つぎと起こった。

'11年8月から9月にかけての頃から、客からのクレームが増えはじめる。大半は解約の申し出だったが、客の代理人の弁護士から送られてきた通知書には<詐欺>の文言が記されていた。それを見て、証人は中元被告に、通知書の内容について問い合わせたのだという。

「うすうす、詐欺になるのではないかと感じてはいるが、あくまでグレーゾーン。お金を返せば大丈夫だ。返金の請求には応じておいて、はやく事業展開をするしかない」

そんな中元被告の言葉もあって、膨らみかけていたA証人の疑念が、一気に確信へと変わる事件があった。

同年11月頃、徳島県警から電話がかかってきたという。本社の所在地と営業の場所はどこか。事業の内容は、どのようなものなのか。就業者は何人いるのか。警察の質問に、A証人は正直に答えたという。そして、そのことを中元被告に報告した。すると中元被告は、その翌日に徳島県警へ説明に出向く。

「南洋の事業については理解を得た。警察は営業方法に興味があるようだ」

警察からもどってきた中元被告から、A証人はそのように聞かされた。しかし、この一件でA証人は、『南洋』の資金集めが<詐欺>だということを確信する。

徳島県警から照会があったことを受け、中元被告と大久保被告、そして証人を含む『南洋』の幹部4人が同月中にホテルオークラ東京で緊急に会合を開いた。

その席で、大久保被告は“営業”の中止を提言。しかし、中元被告はそれに反対し、資金集めを継続する意向を示した。そのため大久保被告は、事務所の移転を希望した。その提案は、移転先の事務所は中元被告が知らない場所にして、固定電話の回線は引かないようにする、というものだった。

そして<実行部隊>のアジトは、神田の<KKビル>に移された。契約は、貸主と借主とのあいだに業者をはさんだ転貸借。電話回を引かず、中元被告らとの連絡には専用の携帯電話が使われた。

その翌月の'11年12月にも、同じホテルオークラ東京で、同一メンバーの会合があったという。このとき話し合われたのは、口座凍結の問題についてだった。

『南洋』の銀行口座は、その年の8月の中頃から、すでに<振り込め詐欺救済法>に基づく措置として凍結されていた。そこで中元被告が金融機関と、凍結解除の交渉を進めると同時に、<掛け子>が勧誘した相手に直接会って集金することで急場をしのぐことが決められた。実際、中元被告らが名古屋や大阪などへ出向いて、現金を集金してきていたのだという。

つづく

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